ビギナーのかたへ


模型とは?

 一般によく見られるのはR/C (ラジコン) 模型、プラモデル、鉄道模型、ミニカー等ですが、細かく申しますと、ある物体を何分の一かの縮尺で作られたというものです。 
 その縮尺においては、鉄橋や街並み、飛行機・船など大きなものを縮小して作るのが殆どですが、実車 (実際に皆様が乗られる車) を作るにあたっての風同実験 (空気抵抗などを調べる) などでは実物同等の模型や病院などで見られる体の構造を模した模型などは見やすいように実物の何倍かに作られております。 これらもすべて模型といえます。

楽しみ方

 組み立てる(造る)事によって、自分自身が作りげたという喜び。 走らす(飛ばす)事によって縮小されたモデルが実物さながらに動く面白さ。 集める(コレクション)事によりそれぞれのモデルの違い、細密さ、機能美を手元で楽しむ。 この三つが主な楽しみ方と同時に、組み立てたモデルやコレクションしたモデルを走らせて楽しむ。 又、コレクションするための一環としてモデルを組む等、複合的な楽しみ方もあります。
 その昔のモデルといえば木を削って作るソリッドモデルが主体で、作るのは大変かつ場合によっては似ても似付かぬ物が出来てしまいましたが、プラモデルが出現してからは手軽に組め、素腹らしい物を手にすることが出来る様になりました。 と同時に誰が作っても、ほぼ同じ出来になるのなら、他と違うものを手にしたいという気持ちが沸いてくると言うのが人の常です。 それを察してか最近ではアングラメーカーや個人的に、そのようなマニアが欲するようなパーツが膨大に発売されています。

 当店で取り扱いの99%以上が一般的な縮小モデルです。 それらのモデルでがより小さなスケールで細密に造られていれば驚嘆しますし、逆に構成は簡単だがより大きなモデルには存在感が有り、迫力を感じます。 R/Cカー等では実物同様の素材(チタン・カーボン・ケブラー)、機能美(サスペンションやオイルダンパー等)に目を見張る場合もあります。
 自分が乗っている車と同じ模型が欲しい! フェラーリ好きだが本物を買う余裕は?、本当は鉄道の運転手になりたかった! そんな愛着、憧れも縮小して楽しんでいるのではないでしょうか?
 何が一番良いか? どれが最高か? 等は決めようがありません。 趣味ですから各人が自分に合った楽しみ方を発見して下さい。

 最近の模型関連の雑誌(プラモデル・鉄道模型など)を見ますと素晴らしい出来栄えの作品や修正・改造記事が 事細かに載っております。 それを参考、目標にするのも一つの方法ですが、そればかり気にしていると中々完成に至らないこともあります。 キットの箱を開けて頭の中であれこれ改造・修正する個所を考え、完成した姿を想像してから「この次作ろうと」キットの蓋を閉める。 それも一つの楽しみ方かもしれません。 そうこうするうちにキットコレクターになってしまう人も少なくありません。 手軽に(最近のキットは高度な技術を必要とするものも見受けられます)組むのが前提のキットですからまず組むことにチャレンジしてみては如何ですか?
  工作・技術力に長けてくれば(元々お持ちの方もいます)市販のキットやパーツに飽き足らず、スクラッチビルド(素材から部品を作り出して作る)の方向に進むかもしれません。 旋盤やボール盤等、本格的な機械工具を使って製作するようになります。 このような場合、工具を扱うのが楽しみかもしれません。 事実、各種機能的な工具を集めて楽しむ工具マニアという人々も存在します。
 楽しみ方はそれぞれ奥が深いものです。 組み立てる・走ら(飛ば)す等では各人の技量差によって結果が違ってきますし、各人によって得手、不得手な事柄もあります。 コレクションにおいても人それぞれの感性の違いや予算的なことも合わせて、収集の方向がそれぞれ違うと思います。
 要はあくまでも趣味ですので心から自分に合った楽しみ方で、楽しんで下さい。

趣味とおもちゃの違い

 よくプラモデルを作ったり、鉄道模型を動かしたりしていると「いい大人が」などと言われたものですが、最近はようやく認められたのかそのような言葉が少なくなりました。 それでも見慣れたことがない方には「オモチャなのに高いねえ〜」などという言葉を時たま耳にします。
 外国人に「趣味は?」と聞かれたときに「模型!」と応えると「いい趣味だねえ」と応えてくれる。
海外では模型は立派なHOBBY (趣味) の一つであり認められているのです。
 TOY (オモチャ)自体はは子供の物かもしれませんが、それをコレクションするのはHOBBY(趣味)です。
 どうか廻りの人々に堂々と「模型はすてきなホビーだ」とアピールして下さい。

当店で扱っている模型の種類

*鉄道模型

 鉄道模型の楽しみ方は色々と有り、例えばレイアウトを製作してその中を走らせたり、最近では実物同様の機構・形態を持ったコントローラーを使った運転や、蒸気機関車の汽笛やドラフト(排気)音等を効果音として車輌から流したり、小型のカメラを車輌の先頭に搭載して、あたかも本物の鉄道を操作しているような感覚で楽しむことが出来ます。 イベント等で見られる実際に人が乗車して走行する各種大型の鉄道模型をライブ(蒸気機関車のみを指す場合はライブスティーム)と言いますが、これなどは以前は製作に当たって工作機械が必要でしたが、近年ではこのような模型でさえキット(O.S社やアスター社の製品)や完成品が存在し、手軽に運転を楽しむことが出来ます(キットの価格は高いが!)。

 よく耳にされるのがNゲージと言う言葉ですが、これは実物の車輌を1/150(欧米では1/160 、英国では1/152)のスケールで作り線路幅が9mmのレールを走らせる模型です。 模型の線路幅の9(きゅう)は英語(Nine)やドイツ語(Neun)等多くの国の言葉で呼ぶ場合、頭にNが付きます。 そこから世界的にNゲージと呼ばれています。
 Nゲージは元々完成品を走らせるというコンセプトが強かったですが、最近ではプラキットが沢山発売され組む楽しさも加わってきました。 電車などの一部キットでは塗装も済ましてさらに組み易くなった製品もございます。 さらには金属キットや細密パーツも沢山発売されある程度の技量を必要とするものさえ御座居ます。

 HO/16番以上の鉄道模型では真鍮等の金属材料が多いので ハンダ付けで作るのが一般的ですが、近年ではプラ製品も色々と発売されてきましたし、昔ながらのペーパー (ケント紙など平滑度の高い、しかしあくまでも紙ですが組み上がると大変丈夫になる) で作ることも復活してきました。 また最近ではHO/16番に準じた細密かつハンダ付けが必要な金属キットがNゲージでも多く見受けられます。
  鉄道模型は本来は走行させて楽しむものですが、16番/HO 以上の大きさとなると日本では走らすスペースが取りにくく、飾って(見て)楽しむ=コレクション的に楽しんでいる方が多いのではないかと思われます。 その見て楽しむと言う要素が大きくなってきたのか元々手作り的な模型の多い日本ではさらに細密度を増す様な作りになり、価格が高騰しております。

*ストラクチャー・鉄道模型用人形

 ストラクチャー (建物) キットという言葉は余り聞きなれないかもしれませんが、鉄道模型の世界では極く一般的です。 鉄道模型の楽しみ方の一つにレイアウト (箱庭のようなもの、風景を作りその中を車輌が走る) を作るのがありますが、このレイアウトに必要不可欠なのがストラクチャーや人形です。 このストラクチャー、主にヨーロッパではプラ製が多くアメリカではプラ製と、さらにクラフツキット (木材などの素材が入っており、中の図面に合わせて各自加工して組み立てる技巧派のためのキット。それ故、出来上がった時の質感は高い) というものも存在します。 日本では設置するスペースの確保が難しい為、レイアウト自体が欧米ほど発展しませんでした。 それに伴いストラクチャーも市販品は少ないという状況でしたが、近年Nゲージの広まりと共に、このサイズでは各社からストラクチャーのキットが発売される様になりました。
 今の模型界でフィギュアというと各種キャラクターのモデルを指しますが、鉄道模型ではストラクチャーと同様、臨場感を盛り上げるアイテムとして、人形が沢山扱われてきました。 ドイツのプライザー社の製品が秀逸ですが、その他各国においてホワイトメタルなどによる個性あふれる製品が色々と作られています。 普通のプラモデルショップでは、余りお目にかかれない製品が多いので面白いかと思います。 欧米では鉄道模型用としてだけではなく、単独で建造物のモデルとして楽しまれていますので、是非チャレンジして下さい。 人形と合わせて簡単なジオラマをどうぞ!

*メタルキット

 アンチモニーなどの合金を主体とした金属製のキットです。  ダイキャスト製法の場合は製品化までに時間がかかりますが、それよりも簡便に作れます。 その分、大量には作れないので価格的にはいくらか高価になります。 車のモデルなど早期に発売を望むモデルに向いていましたが、最近では重量感・シャープさなどから軍艦やミリタリー車輌などのキットも発売されるようになりました。
 当店のメタルキットのリストは車関係のみです。 ミリタリー関係のメタルキットはプラモデルのリストのそれぞれのジャンルに、またメタルフィギュアのキットはフィギュアのリストに纏めてあります。

*レジンキット

 メタルキット以上に簡便に作れるのでアングラメーカーの定番ですが、現在ではその少量生産性が候を奏して大手メーカーでも極く一般的に生産しております。 価格は廉価なものから、大形かつ複雑な構成ゆえに高価なものまで様々です。 メタルキットに比べると多いバリ取りやピンホール処理(空気穴塞ぎ)等、いくぶん手間が掛かります。 
 当店のレジンキットのリストはメタルキット同様、車関係のみです。 ミリタリー関係のレジンキットは、やはりプラモデルのリストのそれぞれのジャンルに編入してあります。 またレジンフィギュアのキットも同様にフィギュアのリストに纏めてあります。

*ミニカー

 ミニカーは典型的にコレクションして楽しむ模型です。 素材は圧倒的にダイキャストが多いですが、最近ではレジンやメタルキットの完成品なども出てきました。 1/87以下のスケールでは逆にプラスチックによる製品が殆どです。 小さいものの場合、プラの方がシャープに仕上がります。

*プラモデル

 プラモデルなどはその名の通りプラスチックで形成されており、接着剤(中には接着剤不要でハメコミ式の物もございます)と簡単な工具で手軽に組み立て、完成することが出来ます。
 プラモデルにおいては、現在のところではより細密度を求められ事が多く、動かすモデルは一般的には皆無ですが、ミニ4駆がプラモデルの中で動かして楽しむ代表と言えるでしょう。 また最近ではプラモデル単体を組んで楽しむだけではなく、飾り台に情景を作り込むこともあります。これらはジオラマ (ディオラマ) と呼んでいます。  なお、鉄道模型でも従来から走行させる場所を箱庭のように作っておりますが、こちらの場合はその規模からかレイアウト(配置の意味)と呼んでいます。 同じようなものですが、お間違えないように!

*フィギュア

 かつては極く一般的なモデルに比べてもさらに「大の大人が人形なんかを」などと寄り違った点での好奇心の目で見られていた時代がありましたが、現在ではメディアのおかげか、その芸術的なモデルとしての完成度やや懐かしいキャラクター品としても注目をされ、一つのジャンルに育ちました。 逆に広く一般的に知られている分野かもしれません。
 大半はアングラ的な製品で殆どが限定的な製品です。 あまりの種類の多さに総てを揃えきれませんが、人様によってはお探しの商品が残っているかもしれません。リストを御覧になって下さい。

*コレクションホビー

 勝手にこのようなジャンルを作りましたが、最近各種模型の完成品が多く出てきました。 その昔の完成品といえば、鉄道模型かミニカーが相場でしたが、最近では飛行機や船、オートバイなどでも完成品が多く発売されるようになりました。 材質はミニカー同様ダイキャストやプラスチックです。 その完成度や値段はピンからキリまでありますが、出来栄えだけを取ると全体的に水準は高いです。
   キットを綺麗に仕上げるとしたら、色々な道具や塗料が必要ですし、工作する時間が必要となります。 昨今忙しく手軽に完成モデルを飾りたい方、また組み立てるのはどうも苦手だという方、このようなモデルもどうでしょうか?

*R/C(ラジコン)

 R/C等は全般的に動かして楽しむものです。 車・飛行機・ヘリコプター・船等、それぞれの模型の性能や各人の操縦の技を競うために競技会も数多く開催されます。
 R/Cモデルのうち、車やヘリでは加工された金属部品などをネジ類で組み上げます。 その実物に準じた構造や部品構成 (模型と言えどもチタン・カーボン・ケブラーなどが使われています) はいかにもメカニック的で組立が楽しいです。 なおこれらR/C等では組み立てるうえで、それぞれの専用工具が必要となります。 当店はアフターフォローの関係などでR/Cカーにのみ絞って取り扱っております。

*素材と工具

 鉄道模型用に様々な真鍮や洋白の線材・角材・アングル材・チャンネル材・極細チェーン等が揃っております。 工具でも針ヤスリや細密ヤスリ等色々なものが御座居ます。 プラモデラーの方々、一度鉄道模型の品々を見て下さい。 又、鉄道模型のモデラーの方々、プラモデルの素材や道具の中にも役に立つ品々が沢山御座居ます。 それぞれ他の分野を探してみると思い掛けないものが見つかるかもしれません。


スケールとは?

 模型を作るにあたぅては縮尺(スケール)が必要です。 模型を作ってもそれがどのくらいの大きさ(縮尺)なのか分からないと困ります。 たとえば長さ1mの船を作ってもそれが1/10なら本物は10m、1/100なら100mとなってしまいます。
 そこで、何かと比べ易いようにまず1フィートを基準にして、1フィートを何インチ(または何ミリ)に見立てようか、ということになりました。

 例えば「1フィートの長さを1インチの長さとして見立てよう」とした場合
        1feet (305mm) ÷ 1 inch (25.4mm) = 12 となり
      1インチ スケールとは 1/12 のスケールになります。

 これらの〜〜スケールという呼び方は歴史の長い鉄道模型において現代に伝えれています。
 昨今みられる住宅などの完成予想モデルや大きな競技施設の完成予定模型等には1/50や1/200、1/400等とキリのよい縮尺が使われていますが、これは現在では模型を製作するにあたり、50や100で割ったほうが計算しやすく、また大きなものはそれなりの大きい縮尺が必要となるからです。

 以下、主なスケール名と縮尺を表にします。

スケール名 ミリ換算 縮尺 鉄道模型での呼称 備考
1/16 インチ 1.5875 1/192    
2 ミリ 2 1/152 Nスケール(英国型) 欧米型は 1/160
1/12 インチ 2.117 1/144    
1/8 インチ 3.175 1/96    
3.5 ミリ 3.5 1/87 HO (エッチオー) 米国・ヨーロパ型
4 ミリ 4 1/76 OO (ダブルオー) 英国型
1/6 インチ 4.233 1/72    
3/16 4.7625 1/64    
1/4 インチ 6.35 1/48 O (オーゲーシ 又は オースケール) 米国型
7 ミリ 7 1/43.5 O (オーゲージ又は オースケール) 英国型 (ミニカーは1/43)
3/8 インチ 9.53 1/32 1番 (いちばんゲージ)  
1/2 インチ 12.7 1/24    
16 ミリ 16 1/19 SM-32 英国の軽便鉄道模型
2/3 インチ 16.93 1/18    
3/4 インチ 19.05 1/16    
1 インチ 25.4 1/12    
1-1/2 インチ 38.1 1/8    

 こうしてみると面白いことに鉄道模型ではミリが換算の単位として、そしてプラモデルによく使われるスケールは始祖的な国がアメリカという背景からかインチが基本となっているのが分かります。

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