序説にかえて−現在の医学の中における病理学

 病理学 pathologyとは,病気の本態を究明する学問である.かつては,寄生虫学,細菌学も病理学の枠内に入っていたが,それらが病理学から独立してそれぞれの学問体系が確立された.また,日常の診療において欠くことのできない外科病理学が確立したのは近年のことである.さらに最近では,病理学の研究においては分子生物学的な方法が駆使されている.このように,病理学は病気の原因,成り立ちと転帰に関することを広く対象として,基礎・臨床の両分野に跨がっていることから,医学の中では学際的領域であるといえる.

 病理学発展の歴史を鳥瞰的にみるならば,HIPPOCRATES(460BC〜370)に始まる体液病理学 humoral pathologyの時期を経て,15世紀以後に確立した病理解剖学および病気を細胞単位の変化としてとらえる細胞病理学(VIRCHOW 1821〜1905)が現在の病理学の基礎となっている.このように,病理学の研究は終始一貫してヒトの病気を細胞・組織・臓器水準での形態変化,さらに機能的変化も形態的にとらえる(組織化学あるいは免疫組織化学)という手法が用いられていて,現在でもそれが踏襲されている.すなわち,ヒトの病気の変化を目で確認するという直接形態認識である.それゆえ,病理学は一般的に形態学の範疇に分類されている.しかし,他分野の研究も自然の変化あるいは病気の変化をグラフあるいは分子の電気泳動でパターン化している間接形態認識である.つまりどのような方法を用いたとしても変化を知るためには形態認識に頼っているのである.したがって,新しい解析方法が次々と開発されている現代においては,形態的あるいは化学的な変化のみを追求するといった学問分野の区分は成り立たない.

 そうすると,現代医学の中における病理学の位置付けは? ということになる.学際領域が数多い現代において,“病理学とは”に端的に答えることはむずかしい.現在,病理学は形態的手法による病気解明のための学問という旧態然たる枠組みにおける直接的形態認識の手法のみに固執せず,疑問(問題)を解明するために最も有効な手法をも駆使して研究が進められている.したがって,現代における病理学の特徴をしいて定義するとすれば,ヒトの病気の形態変化を直接視覚で確認し,あるいは間接的手法による分子レベルでの変化を細胞組織での形態変化に対応づけて,病気の本態を究明する学問ということができようか.また,一方では,得られている細胞生物学的な種々の新知見をヒト病気の本態の理解のために繰り込むという,病気を明らかにする応用科学であるということができよう.

中村恭一/鈴木利光/笠 島 武/増田昭博/町並陸生/内田俊和/桜 井 勇/山田 勉/清水興一/須田耕一/佐々木佳郎/桶田理喜/根本則道/岡野匡雄/森 吉臣/小林槙雄/三富弘之/細田泰弘/根本啓一/能勢眞人/松尾英一/重松秀一/小池盛雄/谷澤 徹/藍沢茂雄/春日 孟/牛込新一郎/河端美則/田口誠治/木村雄二/相田真介/星 和栄/若狭治毅/松原 修/浅野重之/發地雅夫/浅野伍朗/阿部正文/斉藤 澄/岡安 勲/坂元吾偉/坂本穆彦/北川昌伸/北條 洋/本山悌一/亀谷 徹/高浜素秀/中村直哉/三杉和章/井上 達/平林容子

目 次

序説にかえて−現在の医学の中における病理学…〈中村恭一〉 1

 

§1.物質代謝障害

I.物質代謝障害とは…〈鈴木利光〉 4

II.物質代謝障害の種類…7

 A.変 性…〈鈴木利光〉 7

  1.蛋白質・核酸代謝障害…7

  2.脂質代謝障害…13

  3.糖質代謝障害…15

  4.無機質代謝障害…16

  5.生体色素代謝障害…17

 B.萎 縮…〈鈴木利光〉 21

    萎縮の種類…21

 C.壊 死…〈鈴木利光〉 24

  1.壊死の原因…24

  2.壊死の所見…25

  3.壊死の型…25

  4.壊死による影響…27

  5.壊死巣の運命…28

III.物質代謝障害による病気…29

 A.蛋白質,核酸代謝による病気…29

  1.アミロイドーシス…〈笠島 武,増田昭博〉 29

  2.痛 風…〈町並陸生〉 34

 B.脂質代謝障害による病気…37

  1.脂肪肝…〈内田俊和〉 37

  2.脂肪心…〈桜井 勇〉 39

  3.粥状動脈硬化症…〈山田 勉〉 39

  4.先天性脂質代謝異常症…〈清水興一〉 45

 C.含水炭素代謝障害による病気…51

  1.糖尿病…〈須田耕一〉 51

  2.糖原蓄積症…〈佐々木佳郎〉 55

  3.ムコ多糖症…57

 D.アポートシス…〈鈴木利光〉 62

 E.無機質代謝障害による病気…64

  1.結石形成…〈鈴木利光〉 64

  2.カルシウム代謝異常による病気…67

 F.生体色素代謝障害による病気

       …〈内田俊和〉 69

  1.黄疸の成り立ちとその疾病…69

  2.ヘモクロマトーシス,ヘモデローシス…70

  3.ポルフィリン症…73

 G.中枢神経系の変性による病気…〈桶田理喜〉 77

  1.アルツハイマー病…77

  2.重金属中毒…79

  3.一酸化炭素中毒…81

 H.骨格筋の萎縮をきたす主な筋疾患…〈桶田理喜〉 83

  1.神経原性萎縮…83

  2.無為萎縮…84

  3.消耗性萎縮…84

  4.ミオパチー…84

§2.内分泌系障害(非腫瘍性)

I.内分泌系障害とは…〈根本則道〉 86

  1.ホルモンの概念とその変遷…86

  2.分泌細胞の分泌ならびに刺激伝達様式…86

  3.脳-腸ホルモン…88

  4.消化管の内分泌細胞…89

  5.パラニューロンとその特徴…89

  6.フィードバックによる内分泌系の調節…90

  7.ホルモン作用と受容体…92

  8.内分泌障害とその病態…93

II.内分泌障害による病気…96

 A.間脳-下垂体系(視床下部-下垂体系)…〈岡野匡雄〉 96

  1.尿崩症…96

  2.シーハン症候群…97

  3.梗 塞…97

  4.汎下垂体機能低下症…97

 B.甲状腺…〈岡野匡雄〉 99

  1.過形成…99

  2.GRAVES病…99

  3.甲状腺炎…99

 C.副甲状腺…〈岡野匡雄〉 101

 D.副 腎…〈岡野匡雄〉 102

  1.結 核…102

  2.自己免疫性副腎炎…102

  3.ADDISON病…102

  4.WATERHOUSE-FRIDERICHSEN症候群…102

  5.皮質過形成…103

  6.クッシング症候群…103

  7.Aldosteronism…104

 E.膵臓のLANGERHANS島…〈岡野匡雄〉 105

 F.睾丸(精巣)…〈岡野匡雄〉 106

   萎縮,KLEINFELTER症候群…106

 G.卵 巣…〈岡野匡雄〉 108

§3.循環障害

I.循環障害とは…〈桜井 勇〉 110

  1.概 念…110

  2.血液循環(心血管)系の基本的な構造…110

  3.物質交換の場:毛細血管床…111

  4.心・血管壁構造と機能…112

  5.臓器間の相互影響…113

  6.リンパ…114

II.循環障害の種類…115

 A.充 血…〈桜井 勇〉 115

  1.定 義…115

  2.生理的充血…115

  3.病的充血…115

 B.うっ血…〈桜井 勇〉 116

  1.定 義…116

  2.全身性のうっ血…116

  3.肺のうっ血…120

  4.門脈系のうっ血すなわち門脈圧亢進症…121

  5.上大静脈症候群…122

  6.下大静脈閉塞…123

 C.出 血…〈桜井 勇〉 124

 D.局所的虚血…〈桜井 勇〉 127

  1.虚 血…127

  2.吻合と側副循環…127

  3.血液凝固・線溶と血栓症…127

  4.塞栓症…129

  5.梗塞症…130

 E.水および電解質代謝異常…〈森 吉臣〉 132

  1.体液の調節…132

  2.血液pHの調節…132

  3.酸塩基平衝障害…132

  4.電解質異常…133

 F.ショック…〈森 吉臣〉 136

  1.循環血液量減少性ショック…136

  2.心原性ショック…136

  3.細菌性ショック…136

  4.ショックと臓器障害…136

 G.高血圧と低血圧…〈桜井 勇〉 137

III.循環障害による病気…139

 A.心肥大と拡張および心不全…〈桜井 勇〉 139

    心肥大・拡張を惹起する心疾患…139

 B.うっ血性肝硬変…〈内田俊和〉 155

 C.心臓の循環障害−心筋梗塞など…〈桜井 勇〉 158

  1.冠循環の特徴…160

  2.虚血による心筋障害

     −狭心症と心筋梗塞…161

  3.心筋梗塞の続発症…165

 D.脳,脊髄の循環障害…〈小林槙雄〉 166

  1.脳,脊髄血管に関する基礎的事項…166

  2.脳梗塞…167

  3.脳出血…169

  4.くも膜下出血…171

  5.脊髄循環障害…173

 E.腸管の循環障害…〈三富弘之〉 175

  1.小腸の循環障害…176

  2.大腸の循環障害…179

  3.その他の原因による腸循環障害…180

 F.腎の循環障害…〈森 吉臣〉 184

  1.腎うっ血…184

  2.腎梗塞…184

  3.糸球体内血液凝固…184

  4.動脈硬化による腎病変…185

  5.腎皮質壊死…187

 G.門脈高血圧…〈内田俊和〉 189

 H.肺高血圧症…〈細田泰弘〉 194

  1.高血圧性肺血管病変…194

  2.反復性肺血栓塞栓症…196

  3.肺静脈閉塞症…196

  4.弾性型動脈にみられる変化…197

  5.二次性肺高血圧症の原因疾患…198

  6.原発性肺高血圧症…199

  7.心臓との関連…199

 I.血球系病変…〈根本啓一〉 200

  1.貧 血…200

  2.赤血球増多症…200

  3.白血球増多症…201

  4.白血球減少症…207

  5.出血性素因および紫斑症…207

§4.炎症(免疫反応,免疫異常)

I.炎症・免疫の成立機転…〈能勢眞人〉 210

  1.炎症は細胞組織障害に対する生体反応である…210

  2.急性炎症はプロセスである…210

  3.急性炎症はchemical mediatorに支配される…214

  4.急性炎症のプロセスは種々の要因により修飾される…217

  5.慢性炎症にはマクロファージが主役をなす…217

  6.免疫の獲得は抗原レセプターを介したリンパ球の応答である…219

  7.免疫応答はMHCとV遺伝子産物に規定される…221

  8.免疫反応はリンパ球とその産生物による遠心性回路である…224

  9.免疫反応は炎症を誘導する…227

  10.免疫応答異常は自己免疫を誘導する…229

II.炎症の組織形態…松尾英一…231

  1.変質性炎…231

  2.漿液性炎…231

  3.カタル性炎…232

  4.化膿性炎…232

  5.線維素性炎…233

  6.出血性炎…234

  7.壊疽性炎…234

  8.増殖性炎と肉芽腫性炎…234

III.細菌による病気…243

 A.一般細菌による病気(ブドウ状球菌,

   連鎖状球菌,大腸菌などを含む)…243

  1.菌血症,敗血症,内毒素血症…〈重松秀一〉 243

  2.副鼻腔炎…245

  3.扁桃炎…245

  4.細菌性肺炎…〈小池盛雄〉 246

  5.腸の炎症…〈谷澤 徹〉 250

  6.胆嚢・胆道炎,肝膿瘍…253

  7.腹膜炎…255

  8.尿路の炎症…〈藍沢茂雄〉 255

  9.皮膚の炎症…〈春日 孟〉 257

  10.化膿性髄膜炎と脳膿瘍…〈桶田理喜〉 258

  11.運動器の化膿性炎症…〈牛込新一郎〉 260

 B.結核症…〈河端美則〉 263

  1.感染と発病…263

  2.結核性病変の基本形とその形成機序…263

  3.臓器結核症としての慢性肺結核症…264

  4.組織診断上の問題…264

 C.梅 毒…〈田口誠治〉 266

 D.その他…〈谷澤 徹〉 267

  1.エルシニア感染症…267

  2.腸チフス…267

  3.淋菌感染症…267

  4.細菌性赤痢…268

  5.コレラ…268

  6.破傷風…268

  7.ボツリヌス中毒…268

IV.リケッチアによる病気…〈谷澤 徹〉 270

  1.発疹チフス群…270

  2.紅斑熱群…270

  3.ツツガムシ病群…270

  4.Q 熱…271

  5.腺熱リケッチア症…271

V.クラミジアによる病気…272

  Chlamydia感染症…〈小池盛雄〉 272

  1.オウム病…272

  2.トラホーム…272

  3.性行為感染症…274

  4.鼠径リンパ肉芽腫…274

VI.ウイルスによる炎症性疾患…275

 A.ウイルス肝炎…〈内田俊和〉 275

  1.肝炎ウイルス…275

  2.ウイルス肝炎の組織像…276

  3.ウイルス肝炎の分類…279

  4.肝硬変と肝細胞癌…283

 B.呼吸器系の病気…284

  1.マイコプラズマ肺炎

        …〈木村雄二,相田真介〉 284

  2.サイトメガロ肺炎…284

  3.インフルエンザウイルス肺炎…284

  4.ヘルペス肺炎…285

  5.麻疹ウイルス肺炎…285

  6.アデノウイルス肝炎…285

 C.中枢神経系の病気

    −ウイルスによる中枢神経系疾患

        …〈桶田理喜〉 286

  1.RNAウイルスによる脳感染症…288

  2.DNAウイルスによる脳感染症…291

  3.Unconventional agentによる脳感染症…293

 D.皮膚の病気(ヘルペス,麻疹,風疹)

       …〈星 和栄,若狭治毅〉 296

  1.単純ヘルペスと水痘,帯状疱疹…296

  2.麻 疹…297

  3.風 疹…298

 E.心筋症,心筋炎…〈松原 修〉 299

  1.心筋症の概念…299

  2.拡張型(うっ血型)心筋症…300

  3.肥大型心筋症…300

  4.拘束型心筋症…301

  5.心筋炎の概念…302

  6.ウイルス性心筋炎…303

  7.その他の感染性心筋炎…304

  8.その他の特定心筋疾患…304

 F.流行性耳下腺炎

   …〈木村雄二,相田真介〉 305

 G.HIV感染症…〈浅野重之,若狭治毅〉 306

  1.HIV感染の発症機序…306

  2.リンパ節の病理像…307

  3.胸腺の病理像…308

  4.脾の病理像…309

  5.その他の臓器の病理像…309

  6.日和見感染症…309

  7.合併症…309

 H.サイトメガロウイルス(CMV)による

   病気…〈星 和栄,若狭治毅〉 311

VII.真菌による病気…發地雅夫…312

  1.カンジダ症…313

  2.アスペルギルス症…314

  3.クリプトコックス症…315

  4.ムーコル症…316

  5.ヒストプラスマ症,その他…317

  6.放線菌症,ノカルジア症…318

VIII.原虫および寄生虫による病気

        …〈谷澤 徹〉 320

  1.アメーバ赤痢…320

  2.日本住血吸虫症…321

  3.アニサキス症…323

  4.糞線虫症…324

  5.回 虫…325

  6.肝包虫症(エキノコッカス)…326

IX.免疫機序による病気…327

 A.自己免疫による病気…327

  1.全身性エリテマトーデス

        …〈細田泰弘〉 327

  2.慢性関節リウマチ…〈浅野伍朗〉 331

  3.その他の膠原病…334

  4.悪性貧血…〈

部正文,若狭治毅〉 338

  5.特発性血小板減少性紫斑病…340

  6.自己免疫性溶血性貧血…340

  7.橋本病(橋本甲状腺炎)

        …〈岡野匡雄〉 341

  8.BASEDOW病(甲状腺機能亢進症)…343

  9.特発性ADDISON病,原発性副腎皮質不全症…345

  10.(若年性)インスリン依存性糖尿病…347

  11.男性不妊症…〈斉藤 澄〉 347

  12.リウマチ熱…〈桜井 勇〉 348

  13.GOODPASTURE症候群…〈木村雄二,相田真介〉 349

  14.糸球体腎炎…〈重松秀一〉 349

  15.シェーグレン症候群…〈星 和栄,若狭治毅〉 357

  16.原発性胆汁性肝硬変…〈内田俊和〉 358

  17.潰瘍性大腸炎…〈岡安 勲〉 360

  18.CROHN病…362

  19.重症筋無力症…〈星 和栄,若狭治毅〉 364

 B.アレルギーによる分類…366

  1.気管支喘息…〈能勢眞人〉 366

  2.溶連菌感染後糸球体腎炎…367

  3.ウイルス性心筋炎…368

  4.その他の外来性抗原によるアレルギー疾患…368

 C.免疫不全症候群…〈能勢眞人〉 370

  1.原発性免疫不全症候群…370

  2.続発性免疫不全症候群…373

X.種々の原因による炎症性の病気…377

  1.間質性肺炎,肺線維症…〈木村雄二,相田真介〉 377

  2.胃 炎…〈岡安 勲〉 382

  3.膵 炎…〈須田耕一〉 385

  4.BUDD-CHIARI症候群…〈内田俊和〉 386

  5.WEGENER肉芽腫症…〈木村雄二,相田真介〉 388

  6.BEHCET病(BEHCET症候群)…〈浅野伍朗〉 389

  7.乳腺炎…〈坂元吾偉〉 391

  8.子宮頚管炎,子宮内膜炎…〈坂本穆彦〉 392

  9.亜急性甲状腺炎…394

  10.薬剤による障害…〈内田俊和〉 394

  11.放射線による障害(炎症)…〈北川昌伸,春日 孟〉 400

§5.組織欠損 〈三富弘之〉

  1.胃・十二指腸潰瘍…408

  2.腸の潰瘍…411

§6.増殖と再生(進行性病変) 〈北條 洋,若狭治毅〉

 A.肥大と増生…418

  1.肥大,増生とは…418

  2.心肥大…418

  3.各組織の増生(または過形成)…418

 B.組織の再生…420

  1.再生とは…420

  2.各組織の再生…420

 C.肉芽組織と異物の処理(器質化)…421

  1.肉芽組織とは…421

  2.創傷治癒…421

  3.異物の処理(器質化)…421

 D.化生と異形成…422

  1.化 生…422

  2.異形成…422

§7.腫 瘍

I.腫瘍の概念…〈斉藤 澄,中村恭一〉 424

 A.腫瘍とは?…424

  1.腫瘍の定義…424

  2.腫瘍の発生…425

 B.腫瘍発生の原因は?…426

  1.内 因…426

  2.外 因…427

 C.腫瘍の発生機序…431

  1.分子レベルでの発癌機序…431

  2.細胞組織レベルでの腫瘍発生…433

 D.腫瘍の分類…436

  1.腫瘍病理学の公理ともいうべきこと…436

  2.生物学的ふるまいによる分類…436

  3.発生母地組織による分類…438

 E.腫瘍の認識:肉眼水準で…440

  1.形 態…440

  2.色 調…441

  3.硬 さ…442

  4.大きさ…443

 F.腫瘍の認識:組織・細胞水準で…444

  1.異型性…444

  2.異型性による良性悪性の診断は?…444

  3.細胞異型の所見…445

  4.構造異型の所見…445

  5.異形成…447

 G.腫瘍の成長と広がり…449

  1.腫瘍の増殖様式…449

  2.悪性腫瘍の病期…453

  3.腫瘍の再発…454

  4.前癌病変または前癌状態…454

 H.腫瘍と宿主との関係…456

  1.腫瘍が宿主に与える影響…456

  2.宿主の腫瘍に対する反応…456

  3.癌と免疫…457

  4.腫瘍細胞と宿主の生化学…457

 I.腫瘍の診断…459

 J.腫瘍の治療…461

 K.疫学的にみた腫瘍の現状…462

II.臓器別にみた上皮性腫瘍…465

 A.呼吸器(鼻咽頭,喉頭,肺,胸膜)

       …〈木村雄二,相田真介〉 465

  1.良性腫瘍…465

  2.悪性腫瘍…467

 B.消化器…478

  1.口腔,食道,胃,大・小腸

        …〈中村恭一〉 478

  2.肝臓,胆嚢,胆道,膵臓

        …〈岡安 勲〉 494

 C.泌尿器腫瘍…501

  1.腎の上皮性腫瘍…501

  2.尿路の上皮性腫瘍…〈藍沢茂雄〉 503

 D.性 器…507

  1.膣,子宮,卵管…〈坂本穆彦〉 507

  2.卵巣,睾丸,胎盤,前立腺

        …〈本山悌一〉 510

  3.乳 腺…〈坂元吾偉〉 516

 E.内分泌器(下垂体,松果体,甲状腺,

    副甲状腺,副腎,膵島)…〈亀谷 徹〉 519

  1.内分泌器の腫瘍の特徴…519

  2.下垂体に発生する腫瘍…519

  3.松果体腫瘍…520

  4.甲状腺の腫瘍…520

  5.副甲状腺の腫瘍…522

  6.副腎の腫瘍…522

  7.膵島細胞の腫瘍…523

 F.皮膚および付属器の腫瘍

        …〈春日 孟〉 525

  1.皮膚・付属器の良性腫瘍…525

  2.皮膚・付属器の前癌病変…528

  3.皮膚・付属器の悪性腫瘍…529

  4.皮膚・付属器の腫瘍類似ないし境界病変…533

  5.色素性産生性細胞の腫瘍…534

III.非上皮性腫瘍(良性腫瘍,肉腫および

  腫瘍類似病変)…543

 A.線維組織腫瘍…〈牛込新一郎〉 543

  1.線維増殖性病変…543

  2.線維腫症…544

  3.若年性線維腫症…544

  4.良性の線維性組織球性腫瘍…545

  5.隆起性皮膚線維肉腫…545

  6.線維肉腫…546

  7.悪性線維性組織球腫…546

 B.脂肪性腫瘍…〈牛込新一郎〉 548

 C.骨・軟骨の腫瘍…〈牛込新一郎〉 550

  1.軟骨基質形成を主体とする腫瘍…550

  2.骨マトリックスを形成する腫瘍…552

  3.線維性腫瘍…553

  4.母細胞の不明な腫瘍…553

  5.その他の骨腫瘍…554

  6.転移性骨腫瘍…555

  7.腫瘍様骨病変…555

 D.筋組織の腫瘍…〈高浜素秀〉 557

  1.概 略…557

  2.分 類…557

  3.特 徴…557

 E.血管・リンパ管の腫瘍

       …〈高浜素秀〉 560

  1.概 略…560

  2.分 類…560

  3.特 徴…560

 F.白血病および関連病変

       …〈若狭治毅,中村直哉〉 563

  1.白血病…563

  2.悪性リンパ腫…569

  3.HODGKIN病…574

 G.末梢神経組織の腫瘍…〈高浜素秀〉 577

  1.概 略…577

  2.分 類…577

  3.特 徴…577

 H.体腔被覆組織の腫瘍

       …〈牛込新一郎〉 580

  1.限局性線維性中皮腫…580

  2.びまん性悪性中皮腫…580

  3.生殖器の腺腫様腫瘍…581

IV.中枢神経系の腫瘍(脳,脊髄)

       …〈小林槙雄〉 582

  1.中枢神経の組織発生と膠腫分類…583

  2.発生頻度…584

  3.神経上皮性腫瘍…586

  4.神経鞘系腫瘍…594

  5.髄膜系腫瘍…595

  6.悪性リンパ腫…597

  7.血管芽腫…598

  8.胚細胞性腫瘍…598

  9.先天性腫瘍群…599

  10.血管奇形…599

  11.下垂体腺腫…600

  12.転移性腫瘍…600

  13.放射線脳症…601

  14.実験神経腫瘍研究の展望…601

V.混合腫瘍,その他…本山悌一…603

  1.混合腫瘍…603

  2.胚細胞腫瘍…604

  3.メラニン産生組織の腫瘍…606

§8.奇形,発育形成異常および遺伝性疾患

 A.奇形の概念…〈三杉和章〉 610

 B.奇形の原因…〈三杉和章〉 612

  1.単一遺伝子異常による疾患…612

  2.染色体異常…613

  3.環境因子…613

  4.多因子遺伝…614

  5.奇形発現に関する規則…614

 C.奇形および発育形成異常の種類

      …〈三杉和章〉 615

  1.外形および外表の奇形…615

  2.循環器系の奇形…615

  3.造血臓器の奇形…616

  4.呼吸器系の奇形…616

  5.消化器系の奇形…617

  6.泌尿器系の奇形…618

  7.性器の奇形…619

  8.内分泌器系の奇形…620

  9.神経系の奇形…620

  10.骨格系の形成異常…620

  11.奇形-腫瘍症候群…621

 D.遺伝性疾患…622

  1.大腸ポリポーシス…622

  2.色素性乾皮症…〈春日 孟〉 622

  3.嚢胞性膵線維症…〈中村恭一〉 623

  4.アミノ酸尿症…〈三杉和章〉 624

  5.血友病…〈

部正文,若狭治毅〉 626

  6.遺伝性球状赤血球…626

 F.染色体異常…〈三杉和章〉 628

    DOWN症候群…628

§9.老化と老年病

 A.老化と寿命…〈井上 達〉 630

  1.自然寿命と社会寿命…630

  2.動物種に固有の自然寿命…630

  3.GOMPERTZの寿命曲線…630

  4.細胞の増殖と分裂停止…631

  5.細胞の分裂寿命とテロメア…631

  6.テロメアを修復する逆転写酵素,

    テロメラーゼ…631

  7.テロメア-テロメラーゼと発生・成長…632

  8.発生・成長と老化…632

  9.老化の決定要因…632

  10.寿命決定の標的となる細胞・組織…633

  11.老年学と老年病理学…633

 B.老化の概念と老年学…〈井上 達〉 634

  1.器官や個体レベルでの老化…634

  2.細胞の老化…635

  3.分子レベルでの老化…636

 C.老年病理学…〈平林容子〉 637

  1.老化と老年病…637

  2.器官の老年性変化と関連病変…638

§10.新生児

 A.新生児期疾患の特徴…〈三杉和章〉 644

 B.新生児期に特有な疾患…〈三杉和章〉 647

  1.呼吸器系疾患…647

  2.中枢神経系疾患…647

  3.消化器系疾患…648

  4.先天性腫瘍…649

索 引…651