改訂2版の序
 皮膚免疫ハンドブックの初版が上梓されて5年を経た今,第2版として内容を新たにお手元にお届けできるに至りました.
 医学の進歩は目覚しく,また基礎的な医学・生物学で得られた成果が臨床医学に応用されるまで時間的にも短くなると共に,基礎医学と臨床医学の垣根がなくなっているようにも感じられます.それは,医学の研究を臨床に応用できることを求める世の中の動きと密接に関係しているように思います.この第2版でも,その成果といえるものが内容的にも多くなっているように思います.
 その一方で,医学研究に従事している臨床家が基礎的な研究にも充分目を配り,必要な研究を推進していくことも,重要なことだろうと思います.近視眼的にならず,自然科学としての医学を研究することが医学医療の進歩につながることになると思います.
 この新しく改訂された本書の内容を見てもお分かりのように,皮膚の免疫,アレルギーの分野で5年前に比べて目につくことのひとつは,これまで免疫学の主流であった獲得免疫についての研究に加え,自然免疫の研究の進歩が,大きいことだろうと思います.Toll-like receptorをはじめとした自然免疫に関与する分子が明らかになり,ノックアウトマウスなどを用いた基礎研究が行えるようになったことによるように思います.また,所謂 biologicsと呼ばれるものが治療手段として登場してきたことも特筆すべきでしょう.これは皮膚疾患では主として乾癬を対象に行われていますが,それはまたヒトを対象にした「実験研究」という側面も持っているように思われます.それに対する反応性からもう一度疾患を考え直す動きが出てきています.
 本書には,このように多くの新しい研究成果が得られていますが,旧版を書き直した,あるいは書き加えられた内容をもつ本書が皮膚科学の臨床・研究そして教育に携わる人々のお役に立つものと信じております.
   平成16年(2004 年)12月
   編者代表 玉置邦彦

初版の序

 「皮膚免疫ハンドブック」を上梓できることになりました.皮膚における免疫アレルギー現象についての理解は,免疫学,アレルギー学そして分子生物学の進歩と相侯って,この20年間に飛躍的な発展がみられました.

 本書を「ハンドブック」としたのは,学生,研修医,皮膚科医など皮膚免疫に興味のある幅広い人に読んで頂きたいと思ったからです.でき上がったものを通読してみますと,所期の目的は充分達成されており,さらに皮膚免疫学の研究者にとっても知識の整理とともに,現在自分のいる位置を確認する上でも役立つものになっていると思います.また今回執筆頂いた全ての方が第一線で臨床と基礎研究とを続けておられますので,研究の面白さが伝わってくるような記述が随所にみられます.特に若い読者には,これらのことから刺激を受けて皮膚免疫に興味をもって頂ければ編者として,これ以上の喜びはありません.

 約20年前に皮膚免疫の道を選んだときに,先輩から「皮膚科で免疫を一生やっていけるかどうか分からないが……」といわれたことが印象的な言葉として記憶に残っています.その頃はSociety for Investigative Dermatology(SID)の年次大会での皮膚免疫のセッションの演題数は少なく,日本からの発表はさらに少ないという状況でした.それを思うと昨年(1998年)ケルンで行われたInternational Investigative Dermatologyでの皮膚免疫に関する演題数の多さは日本からの発表数の増加とともに隔世の感があります.

 この皮膚免疫の進歩を目のあたりにし,それに少しなりと参画できたことは大きな喜びでした.若い人々がそのような喜びを味わうための一助に本書がなれば,これまた大きな喜びであります.

    平成11年(1999年)初秋

    編者代表 玉置邦彦


目 次

A.基礎編
 1.ケラチノサイト〈中原剛士,内 博史,古江増隆〉  2
  a.自然免疫におけるケラチノサイト  2
  b.ケラチノサイトとサイトカイン  2
    1)proinflammatory cytokines  3
    2)ケモカイン  5
    3)ケラチノサイト由来のサイトカインによる
      Langerhans 細胞の機能と活性化の制御  7
    4)ケラチノサイト由来サイトカインとリンパ球  8
    5)成長因子  8
  c.ケラチノサイトにおける細胞接着因子の発現  9
  d.ケラチノサイトにおけるMHCクラスIIの発現  9
 2.Langerhans 細胞,樹状細胞〈相場節也〉  12
  a.造血系前駆細胞からの樹状細胞の分化  12
  b.皮膚に存在する樹状細胞  13
  c.樹状細胞の成熟とTh1/Th2分化への関与  15
  d.接触皮膚炎におけるLangerhans細胞  17
  e.アトピー性皮膚炎と樹状細胞  18
  f.乾癬と樹状細胞  19
 3.メラノサイト〈塚本克彦,富田 靖〉  23
  a.メラノサイト  23
  b.メラノブラストの分化,遊走  24
  c.メラニン関連転写因子  25
  d.メラニン生成に関わる酵素  26
  e.メラノソームの膜蛋白・構造蛋白  27
  f.細胞内輸送に関わる蛋白  28
  g.メラノサイトの増殖・維持  29
    1)αMSH/MCIR  29
    2)EDN1/EDNRB  29
    3)SCF/KIT  29
  h.紫外線発癌とメラニン  30
 4.T 細胞〈島田眞路〉  32
  a.T 細胞に関する基礎知識
    −各種皮膚疾患の免疫学的理解を深めるために  33
    1)Th1,Th2  33
    2)サイトカイン治療  33
    3)T 細胞レセプター(TCR)  34
    4)Co-stimulatory 分子,接着分子,ホーミングレセプター  35
    5)調節性 T 細胞T regulatory cell(Treg)とは?  35
    6)γδT 細胞  36
    7)NKT細胞  37
  b.皮膚疾患とT細胞  37
    1)アレルギー性接触皮膚炎(ACD)  37
    2)アトピー性皮膚炎(AD)  37
    3)薬疹  38
    4)メラノーマ  38
 5.B細胞〈佐藤伸一〉  39
  a.B細胞の役割  39
  b.B細胞の骨髄での分化  39
  c.B細胞の活性化  40
  d.反応制御分子  42
  e.抗体のクラススイッチ  43
  f.抗体の親和性成熟  43
  g.B細胞サブセットの表面形質  44
  h.自己抗体とは  45
 6.肥満細胞,好塩基球〈亀好良一,秀 道広〉  47
  a.肥満細胞・好塩基球の分化・増殖  47
  b.肥満細胞・好塩基球の活性化機序  49
  c.肥満細胞・好塩基球由来のメディエーター  50
  d.肥満細胞・好塩基球とアレルギー  52
  e.肥満細胞と感染防御  52
  f.線維化と創傷治癒  53
  g.肥満細胞と皮膚疾患  53
 7.好酸球〈水谷 仁〉  56
  a.好酸球の構造と機能  56
  b.好酸球とサイトカイン  58
  c.好酸球とサイトカイン受容体  59
  d.好酸球とケモカイン  60
  e.好酸球と接着分子  60
  f.好酸球の分化と維持  61
 8.好中球〈照井 正〉  63
  a.好中球の細胞質内顆粒  63
  b.好中球の走化能  64
  c.好中球による活性酸素生成  65
  d.遊走刺激と貪食刺激によるシグナル伝達  66
    1)走化因子受容体を介するシグナル伝達  66
    2)Fc 受容体,C3bi受容体を介するシグナル伝達  67
    3)共通する刺激伝達経路  67
  e.好中球のプライミングと活性化  68
  f.好中球炎症の終息のメカニズム  68
    1)好中球機能の制御  68
    2)好中球のapoptosis  69
 9.血管内皮細胞〈大浦 一〉  71
  a.血管内皮細胞および血管の発生  71
  b.血管内皮細胞の構造・形態  71
  c.血管内皮細胞の機能  72
  d.血管内皮細胞におけるVEGFの役割  73
  e.血管新生  75
  f.血管新生と皮膚疾患  76
 10.線維芽細胞〈片山一朗,室田浩之,Bae Sang Jae〉  79
  a.線維芽細胞の由来とその機能  79
  b.線維芽細胞の免疫機能とアトピー性皮膚炎の慢性化  80
  c.皮膚硬化モデルマウスにおける線維芽細胞の機能解析  83
  d.線維芽細胞と皮膚の恒常性維持機構  84
 11.真皮マクロファージ〈内藤 眞〉  88
  a.マクロファージの形態  88
  b.マクロファージの個体発生  90
  c.成熟個体での真皮マクロファージの発生と分化  92
  d.皮膚疾患におけるマクロファージ  93
 12.サイトカインと接着分子〈古江増隆〉  96
  a.接着分子とは  96
  b.接着分子の種類  96
  c.白血球と血管内皮細胞の接着およびケモカインの役割  98
  d.ケラチノサイトとサイトカイン  101
 13.ケモカイン〈玉置邦彦〉  102
  ケラチノサイトが発現するケモカインとケモカイン受容体  105
    1)CXCケモカインと受容体  105
    2)CCケモカインと受容体  106
    3)ケラチノサイト特異的ケモカインCTACK/CCL-27  107
    4)CX3CLケモカイン  108
 14.紫外線と皮膚〈荒金兆典〉  110
  a.UVBによる抗原特異的接触過敏反応の抑制  110
  b.UVB照射により誘導される初期変化  111
    1)DNA障害  111
    2)urocanic acid  112
    3)UVBの細胞膜に対する影響  112
  c.UVBによるトレランス惹起に必要とされる免疫学的変化  113
    1)IL-10  113
    2)IL-12  113
    3)Fas  114
    4)CTLA-4  114
    5)調節型T細胞  115
  d.UBVによるCHSのトレランス誘導のメカニズムの総括  116
    1)トレランス誘導のメカニズム  116
    2)トレランスは治療に応用できるのか?  117
 15.自然免疫〈佐山浩二〉  120
  a.Toll-like receptor(TLR)  121
    1)TLR4  122
    2)TLR1/TLR2/TLR6  122
    3)TLR3  122
    4)TLR5  122
    5)TLR7  122
    6)TLR9  123
    7)表皮角化細胞におけるTLRの発現  123
  b.TLRの細胞内シグナル伝達  123
  c.抗菌ペプチド  124
    1)ヒトが産生する主な抗菌ペプチド  124
    2)抗菌以外の生物活性  125
    3)表皮における抗菌ペプチドの発現  125
  d.抗菌ペプチドと皮膚疾患  125
    1)尋常性乾癬  125
    2)アトピー性皮膚炎  126
    3)創傷  126
  e.補体  126
 16.ホルモンと免疫〈神田奈緒子〉  130
  a.エストロゲン  130
  b.プロゲステン  133
  c.アンドロゲン  133
  d.グルココルチコイド  134
  e.ビタミンD3  134
  f.レチノイド  135
  g.甲状腺ホルモン  136
  h.ACTH/α-MSH  136
 17.神経と皮膚〈鳥居秀嗣〉  140
  a.神経ペプチドと皮膚の細胞  140
    1)tachykinin  141
    2)CGRP  141
    3)POMC 関連ペプチド  142
    4)その他  142
  b.神経ペプチド分解酵素  142
  c.神経ペプチドと紫外線  143
  d.神経ペプチドと毛周期  144
  e.神経ペプチドと皮膚疾患  144
  f.皮膚におけるアセチルコリン作動性系  144
  g.痒みの認知と伝達  145
    1)末梢神経系  145
    2)中枢神経系  145
 18.皮膚科と遺伝子治療〈澤村大輔〉  148
  a.遺伝子導入法  148
    1)レトロ・レンチウイルスベクター  149
    2)アデノ・アデノ随伴ウイルスベクター  150
    3)非ウイルスベクター  151
  b.表皮水疱症:9kbへの挑戦  151
  c.レトロウイルスによる白血病の発生  152
 19.免疫療法〈内 博史〉  156
  a.免疫療法  156
  b.immunological escape  156
  c.腫瘍関連抗原  158
  d.非特異的療法  158
    1)細菌由来物質  158
    2)サイトカイン  158
  e.特異的療法  160
    1)autologous tumor cell vaccine  160
    2)allogeneic tumor cell vaccine  160
    3)heat shock protein(HSP)  161
    4)ペプチドワクチン  161
    5)DNAワクチン  162
    6)DC療法  162
    7)adoptive cell transfer  167
    8)抗体療法  168
  f.免疫抑制性因子の阻害  169
    1)cytotoxic T lymphocyte-associated antigen 4(CTLA-4)  169
    2)regulatory T cell(Treg)  169

B.臨床編
 20.アトピー性皮膚炎と免疫〈中村晃一郎〉  176
  a.アトピー性皮膚炎の診断基準  176
  b.AD にみられる免疫異常  176
    1)ADの病態に関与する免疫担当細胞,サイトカイン・ケモカイン  176
    2)ADとTh2サイトカイン  177
    3)ADにおける好酸球の役割  179
    4)ADにおける感染防御機構  180
    5)ADとNKT細胞  180
    6)ADの痒みとサイトカイン  181
    7)ADとLangerhans細胞,樹状細胞の活性化  181
 21.接触皮膚炎〈玉置邦彦〉  183
  a.接触皮膚炎の感作相  184
    1)Langerhans細胞による抗原提示  184
    2)感作相におけるサイトカイン・ケモカインプロフィール  186
    3)感作相のLCとケモカイン  187
  b.接触皮膚炎の惹起相  187
    1)惹起相におけるエフェクター細胞  187
    2)ヒトにおける惹起相のサイトカイン・ケモカインプロフィール  188
    3)惹起相における新たな機序  189
 22.金属アレルギー〈池澤善郎,高橋さなみ,高橋一夫〉  191
  a.環境中の金属が免疫アレルギー反応に及ぼす多面的な作用とその作用点  191
  b.金属アレルギー  192
    1)金属アレルゲンの種類と侵入経路と体内分布  193
    2)T細胞伝達性金属アレルギーのサブタイプ  194
    3)金属アレルギーにおける抗原認識
     (免疫系はいかに金属を認識し,修飾を受けるか)  195
    4)金属アレルギーの経口免疫寛容  195
    5)臨床型  197
    6)金属アレルギーの検査・診断  198
    7)金属アレルギーの治療  198
  c.金属誘導性の自己免疫  199
  d.免疫撹乱物質としてのトリブチルスズ  201
  e.亜鉛欠乏症候群  202
 23.蕁麻疹〈新見直正,秀 道広〉  206
  a.肥満細胞の活性化因子  207
    1)高親和性IgE受容体を介する反応2  07
    2)神経ペプチドを介する反応  208
    3)補体を介する反応  209
    4)stem cell factorによるヒスタミン遊離  210
    5)肥満細胞特異的ヒスタミン遊離活性  210
    6)アスピリン不耐症にみられる反応  210
    7)食物依存性運動誘発性アナフィラキシーにおける反応  211
  b.蕁麻疹における細胞浸潤  211
    1)III型アレルギーの関与  211
    2)アラキドン酸代謝産物(特にLTB4)とI型アレルギー反応の遅発相  212
 24.光線過敏症〈戸倉新樹〉  215
  a.光線過敏症を起こす物質: 光毒性と光アレルギー性  216
  b.光毒性試験,光アレルギー性試験  217
  c.光アレルギー性物質が抗原となるメカニズム: 光ハプテン  218
  d.光ハプテンの細胞への光結合: 光ハプテン修飾細胞  220
  e.光ハプテンとUVAによるLC上の光抗原形成とLCの抗原提示能促進  221
  f.光ハプテンに対するT細胞反応  221
  g.光接触皮膚炎と薬剤性光線過敏症の違い  222
  h.自己免疫性光線過敏症: 光抗原によらない光線過敏症の存在  223
 25.薬疹〈塩原哲夫〉  225
  a.drug-induced hypersensitivity(DIHS)  225
    1)human herpesvirus 6(HHV-6)の関与  225
    2)HHV-6再活性化の原因  226
    3)ウイルスに対する免疫応答が薬疹を起こす?  227
  b.固定薬疹  229
    1)固定薬疹における表皮内T細胞  229
    2)薬疹のプロトタイプとしてのFDE  230
  c.toxic epidermal necrolysis(TEN)  231
    1)FDEの汎発・重症型としてのTEN  231
    2)表皮のアポトーシスをもたらす機序  231
    3)SJSや多形紅斑との関係  232
  d.苔癬型薬疹  232
    1)ウイルスは関係するか?  232
    2)関係するウイルスは?  233
 26.乾癬〈朝比奈昭彦〉  235
  a.ケラチノサイトの異常  235
  b.浸潤するT細胞のプロフィール  235
  c.サイトカインによる炎症反応のカスケード  237
  d.ケラチノサイトの増殖と,サイトカイン・細胞増殖因子  238
  e.最近注目される,IL-17,IL-10 family および IL-23  239
  f.炎症細胞の浸潤とケモカイン  239
  g.血管内皮細胞への影響  240
  h.T細胞の活性化をもたらす抗原  240
 27.角化異常と炎症〈小宮根真弓〉  244
  a.炎症性皮膚疾患における角化異常  244
  b.角化異常による炎症反応の誘導  247
  c.機械的刺激による表皮細胞の変化  248
  d.仮説  251
 28.天疱瘡〈天谷雅行〉  254
  a.天疱瘡はDsg1およびDsg3に対する自己免疫疾患である  254
  b.デスモグレイン代償説  256
  c.ELISA法による天疱瘡の血清学的診断  257
  d.疱疹状天疱瘡は古典的天疱瘡の亜型である  258
  e.腫瘍随伴性天疱瘡:抗デスモグレイン,抗プラキン自己免疫疾患  259
  f.IgA天疱瘡の標的抗原は多様性がある  260
  g.持続的な抗体産生のみられる天疱瘡モデルマウスの作成  260
 29.類天疱瘡〈澤村大輔〉  263
  a.類天疱瘡とは  263
  b.類天疱瘡抗原  263
  c.類天疱瘡の発症機構  265
  d.類天疱瘡の診断  266
  e.類天疱瘡の治療  267
 30.血管炎〈狩野葉子〉  270
  a.薬剤性血管炎  270
    1)薬剤性ANCA関連血管炎  270
    2)サイトカインと皮膚血管炎  272
  b.ウイルスと血管炎2  72
    1)ヒトパルボウイルスB19感染とSchonlein-Henoch 紫斑  273
    2)B型肝炎ウイルスと結節性多発動脈炎  274
    3)C型肝炎ウイルスとクリオグロブリン血症性紫斑  274
    4)インフルエンザワクチンと血管炎  275
 31.全身性エリテマトーデス〈古川福実〉  277
  a.モデルマウスに学ぶ  277
    1)New Zealand(NZ)マウス  278
    2)MRL/nマウス  278
    3)Fas欠損MRL/lprマウス  279
    4)薬剤性DLEモデル  280
  b.ヒト紅斑に学ぶ  281
  c.表皮細胞と自己抗体の相互反応−光線過敏をモデルとして  281
    1)アポトーシスと自己抗原  282
    2)自己抗体の培養表皮細胞への結合  283
    3)antibody dependent cellular keratinocytes damages  284
    4)サイトカインの関与  284
 32.皮膚筋炎〈尹 浩信〉  287
  a.皮膚筋炎/多発性筋炎における自己抗体  287
  b.皮膚筋炎/多発性筋炎におけるマイクロキメリズム仮説  290
  c.皮膚筋炎/多発性筋炎における遺伝あるいは環境要因  290
  d.皮膚筋炎/多発性筋炎における最近の話題  290
  e.皮膚筋炎/多発性筋炎の治療における最近の話題  291
 33.強皮症〈長谷川 稔,竹原和彦〉  295
  a.自己抗体  296
    1)測定法  296
    2)臨床的意義  296
    3)病態への関与  297
  b.microchimerism  297
    microchimerism 仮説  297
  c.二段階線維化仮説  298
  d.その他のサイトカイン  299
    1)サイトカインの産生異常  299
    2)Th1/Th2の不均衡  299
    3)ケモカインの産生異常  299
    4)サイトカイン療法  299
  e.B細胞異常  299
    1)SScとB細胞  300
    2)tight skin mouseとB細胞  300
    3)B細胞除去療法  301
 34.肉芽腫性炎症〈伊崎誠一〉  303
  a.炎症の役割分担:急性炎症から慢性炎症へ  303
  b.単球/マクロファージ  304
  c.炎症組織における単球/マクロファージの分化と巨細胞の出現  305
  d.樹枝状細胞系,線維組織球系  305
  e.組織球マーカー  306
  f.慢性肉芽腫性炎症のサイトカイン  308
  g.慢性肉芽腫性炎症を誘導・制御する因子  308
  h.反応の持続,動的維持  308
  i.Hansen病の病型スペクトラムからわかること  309
  j.組織再構築  310
  k.慢性肉芽腫性炎症のゴール  310
  l.サルコイドーシスの研究から  311
  m.結合織の変性を取り囲む慢性炎症  311
  n.慢性肉芽腫性炎症による器質的組織傷害  311
 35.リンパ腫〈八木宏明,瀧川雅浩〉  313
  a.定義  313
  b.分類  313
  新 WHO分類に基づくCL分類  314
  c.病因  315
    1)非特異性炎症  315
    2)レトロウイルス  315
    3)EB ウイルス  315
  d.CTCLの免疫的特性  316
    1)アポトーシス  316
    2)染色体分析  316
    3)接着分子とケモカインレセプター  317
    4)サイトカインプロフィール  318
  e.治療−ソラレン光化学療法の奏功機序  319
 36.皮膚線維腫,隆起性皮膚線維肉腫〈佐伯秀久〉  322
  a.皮膚線維腫(DF)  322
    1)臨床・病理  322
    2)多発性皮膚線維腫  322
  b.隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)  323
    1)臨床・病理  323
    2)発症機序  323
    3)線維肉腫様病変を含むDFSP(DFSP-FS)  325
    4)遺伝子診断  325
    5)新しい治療の可能性  327
 37.悪性黒色腫(メラノーマ)〈影下登志郎〉  330
  a.メラノーマ抗原  330
    1)Cancer-Testis抗原  331
    2)メラニン関連抗原  331
    3)変異抗原  331
  b.抗原提示機構  331
    1)HLA Class I  331
    2)HLA Class Iによる抗原提示機構  332
    3)HLA Class II  332
    4)HLA ClassIIによる抗原提示機構  332
  c.免疫応答細胞  333
    1)T細胞  333
    2)NK細胞  333
    3)樹状細胞  333
    4)B細胞(抗体)  333
  d.免疫エスケープ機構  333
    1)抗原消失  333
    2)HLA Class I発現低下  334
    3)免疫抑制因子  335
  e.最新の研究トピックス  335
    1)Comparative Genomic Hybridization 法による解析  335
    2)BRAF 変異とメラノーマ336
 38.脱毛症〈伊藤雅章〉  339
  a.AAが炎症疾患である理由  339
  b.AAの病理組織と免疫学的所見  340
  c.AAの免疫異常の遺伝的背景  343
  d.治療からみたAAの免疫異常  343
  e.膠原病に伴う脱毛症  345
 39.ウイルス感染症〈渡邊孝宏〉  347
  a.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)  347
    1)樹状細胞におけるC-type lectin  347
    2)無症候期における免疫反応  347
    3)HIV-1感染でみられるCD4+T細胞の障害  348
  b.麻疹ウイルス(MV)  349
    1)麻疹の動物モデル  350
    2)麻疹における免疫不全  350
  c.単純ヘルペスウイルス(HSV)  351
    1)HSVのエンベロープ糖蛋白  351
    2)HSV-2に対する局所の免疫反応  352
    3)HSV感染におけるDCの機能  352
    4)HSV感染とアポトーシス  352
  d.水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)  353
  e.ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)  353
 40.細菌感染症〈大野貴司,秋山尚範,岩月啓氏〉  357
  皮膚細菌感染防御機構の概要  357
    1)皮膚表面のバリアー  357
    2)自然免疫  357
    3)獲得免疫,スーパー抗原  360
    4)皮膚の抗菌ペプチドと細菌感染  360
    5)皮膚細菌感染症との抗菌ペプチドの関連  363
    6)細菌のescape機構  364
 41.真菌感染症〈渡辺晋一〉  367
  a.皮膚真菌症発症に細胞性・液性免疫は関与するのか?  367
  b.真菌感染症に対する防御機構  368
    1)非免疫学的防御機構  368
    2)免疫学的防御機構  368
  c.皮膚真菌感染症に対する防御機構  369
    1)皮膚カンジダ症  369
    2)白癬  371
    3)マラセチア感染症  372
 42.紫外線療法〈森田明理〉  375
  a.ナローバンドUVB  375
    1)ナローバンドUVB 治療の実際  376
    2)ナローバンドUVB 発癌性に関して  378
  b.UVA1  379
    1)UVA1治療の実際?アトピー性皮膚炎  379
    2)UVA1の副作用  380
  c.紫外線療法の機序  380
    1)ナローバンドUVBの作用機序  380
    2)UVA1の作用機序  381

索引  384