序
「新臨床耳鼻咽喉科学」の最後に耳鼻咽喉科・頭頸部外科の基本手術手技を扱う巻を送る．旧版である「臨床耳鼻咽喉科学」ではこの巻はなかったが，今回新たにこれを加えた理由は2つある．一つは東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室の開講100周年記念行事として計画された本書において，臨床と名が付く以上，その大きなウエイトを占める手術手技に関しても扱った方がよいだろうということ，もう一つは従来教室の編纂になる手術書が出ていなかったことである．東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室は，世間の見方によれば，研究が中心になっており，臨床には力を入れていないのではとみられがちである．しかし実態は逆で，臨床にこれほど力を入れているところもないのではというくらいに頑張っている．その特徴は，コース制を敷いた臨床形態（腫瘍，耳，気管食道，外来などに分かれ，医師は年3回の学期間は指定されたコースに専念する）にある．専門外来もおよそ他病院にあるもののほとんどは網羅している．そうした臨床マインドのある施設から手術書が出ていなかったことは不思議でもあるが，情報発信の必要性が叫ばれている現在，タイムリーに出版にこぎ着けることができたのは喜びである．
手術は個人技のファクターも大きいものの，伝統の力も大きい．目指すところは病的部分の的確な切除，機能の改善，整容など共通であるにせよ，各施設により術式はバラエティーに富んでいる．この巻に記されたものは教室の100年余の歴史をふまえた集大成とみなせるが，他施設からは是非ご批判を仰ぎたい．そして，今後の術式のさらなる発展のために役立てさせていただきたい．
2003年4月
市村惠一
目次
第 1 章 耳の手術 1
I．耳科学手術の過去・現在・未来〈加我君孝〉 2
1）エジプトのパピルスの記述（紀元前16世紀） 2
2）ギリシャのヒポクラテス（紀元前5世紀） 2
3）ローマのガレヌス（西暦2世紀） 2
4）ルネサンス（15〜16世紀） 3
5）近代耳科学の始まった肉眼解剖の17〜18世紀 3
6）19世紀の科学（顕微鏡と染色法）から治療へ 3
7）19世紀の乳様突起削開術から20 世紀初めの耳科学 4
8）20世紀前半の手術の進歩―中耳根治術から保存的中耳根治術へ― 4
9）鼓室形成術の誕生（1952） 4
10）全中耳再建術（1973） 5
11）21世紀の耳科学はどこへいくのか 5
II．耳手術に必要な器具〈奥野妙子〉 7
1）手術台 7
2）顕微鏡 7
3）ドリル 8
4）バイポーラー・電気メス 8
5）耳鏡・耳鏡ホルダー・自在鈎 8
6）耳用手術器械 8
7）吸引管 8
8）鼓室内の観察 8
9）手術材料 8
10）レーザー手術装置 8
III．手術前の修練〈加我君孝〉 9
III−1．側頭骨解剖の修練 9
A．準備 9
B．乾燥側頭骨の修練 10
1）乳突洞の開放と mastoidectomy 10
2）外側半規管（水平半規管） 10
3）前半規管 10
4）後半規管 10
5）蝸牛回転 10
6）内耳道 11
C．側頭骨の Cadaver による修練 11
III−2．側頭骨連続組織切片のスケッチの修練 12
IV．手術法の選択〈山岨達也〉 15
A．皮切 15
1）皮切に求められる条件 15
2）皮切法の種類 15
B．骨の削開 19
1）乳様突起削開術 :乳突洞・上鼓室開放 19
2）上鼓室前方の処置 21
3）中鼓室への交通路の作成 21
C．乳突洞の処理，再建 22
1）open法 22
2）closed法（intact canal wall method） 23
3）open & closed法 23
V．鼓室形成術〈原田勇彦〉 25
A．概論 25
1）鼓室形成術とは 25
2）目的 25
3）適応 25
4）鼓室形成術の分類 26
5）聴力の保持される条件 28
6）術後治療 29
7）聴力改善の成績判定 29
B．手術手技 29
1）鼓膜の形成 29
2）上鼓室の処理 32
3）耳小骨連鎖の再建 33
4）外耳道の拡大 35
5）鼓室硬化症における固着の処理 35
6）鼓膜癒着の処理 35
VI．真珠腫の手術〈原田勇彦〉 37
A．適応と禁忌 37
B．術前のプランニング 37
C．麻酔・体位・準備する器械 37
D．手術手技の実際 37
1）open 法による鼓室形成術 37
2）closed 法による鼓室形成術 40
E．術後管理 41
F．合併症 42
1）耳後部血腫 42
2）味覚障害 42
3）髄液漏 42
4）S状静脈洞の損傷 42
5）顔面神経麻痺 42
6）めまい 42
7）感音難聴・耳鳴 42
8）真珠腫の再発 42
G．ヒントとコツ 42
VII．アブミ骨手術〈山岨達也〉 44
A．適応 44
B．手技 44
C．合併症および再手術 47
VIII．中耳奇形の手術〈山岨達也〉 49
A．鼓膜の異常 50
B．アブミ骨底板の可動性良好な場合 50
C．アブミ骨の可動性不良の場合 50
D．前庭窓の欠損している場合 51
E．その他 52
IX．耳介形成術〈朝戸裕貴〉 53
A．肋軟骨移植術 53
1）術前のプランニング 53
2）残存耳垂の後方移動と皮下ポケット作成 54
3）肋軟骨採取とフレームワークの作成 55
4）フレームワーク挿入および閉創 55
5）術後の処置 55
B．耳介挙上術 55
1）側頭筋膜と耳介の挙上 55
2）banking 軟骨の形成と遊離植皮 55
3）術後の処置 56
C．修正術 56
X．外耳道形成術・聴力改善術〈加我君孝〉 57
A．耳介挙上術と外耳道形成術および鼓膜形成術，耳小骨連鎖再建術の同日手術 57
B．耳介形成をしない場合 59
C．注意点 59
XI．人工内耳手術〈伊藤 健〉 64
A．インフォームドコンセント 64
B．剃毛 64
C．皮膚切開 64
1）耳前部切開＋側頭部皮切 64
2）耳後切開＋側頭部皮切 64
3）耳後部〜側頭部弧状切開 64
D．筋弁作成・骨膜切開 64
E．通常例の手術 66
1）乳突削開 66
2）体内デバイス埋め込み溝 66
3）後鼓室開放 67
4）蝸牛開窓 67
5）電極挿入 67
6）電極およびデバイス本体の固定，閉創 68
F．特殊例の手術 68
1）蝸牛内骨化 68
2）内耳奇形 68
3）中耳炎術後 open cavity 68
4）活動性の中耳炎 68
5）耳硬化症内耳病変 otospongiosis 68
G．合併症・トラブル 68
1）味覚障害 68
2）顔面神経麻痺 69
3）顔面神経刺激症状 69
4）電極露出 69
5）デバイス不良，故障 69
XII．その他の耳関連手術〈奥野妙子〉 70
A．耳瘻孔 70
1）手術適応 70
2）手術時期 70
3）手術方法 70
4）重傷例での手術方法 70
B．外耳道腫瘤 71
1）分類 71
2）軟骨部腫瘤 71
3）骨部腫瘤 71
XIII．顔面神経疾患の手術 73
XIII−1．顔面神経麻痺〈戸島 均，加我君孝〉 73
■顔面神経減荷術 73
1）手術術式 73
2）減荷術の技術的諸問題 73
3）減荷術の適用規準 74
XIII−2．顔面痙攣 77
A．Jannetta 手術（microvascular decompression）〈佐々木富男，栗原秀行〉 77
1）適応と禁忌 77
2）病態 77
3）術前のプランニング 77
4）手術手技の実際 78
5）術後管理 79
6）合併症 79
7）ヒントとコツ 80
B．選択的顔面神経枝切除術〈小林武夫〉 80
XIV．聴神経腫瘍の手術〈深谷 卓〉 81
A．経迷路法 81
1）適応と禁忌 81
2）体位・麻酔・準備する器具 81
3）手術の実際 81
4）術後管理 83
5）合併症 83
6）ヒントとコツ 83
B．経中頭蓋窩法 83
1）適応と禁忌 83
2）体位・麻酔・準備する器具 83
3）手術の実際 84
4）術後管理 85
5）合併症 85
6）ヒントとコツ 85
第 2 章 鼻領域 87
I．鼻中隔矯正術〈杉本正弘〉 88
A．適応と禁忌 88
B．術前のプランニング 88
C．体位・麻酔・準備する器具 88
D．手術手技の実際 88
1）切開 88
2）切開側の剥離 89
3）軟骨の切開と反対側の剥離 89
4）軟骨の切除と彎曲部の除去 89
5）縫合とタンポン 90
E．術後管理 90
F．合併症 90
1）鼻中隔穿孔 90
2）鞍鼻 90
3）鼻中隔血腫や感染 90
G．ヒントとコツ 90
II．鼻茸切除術〈竹内直信〉 91
A．麻酔 91
B．手術手技 91
C．術後 91
■マイクロデブリッダーシステムによる鼻茸切除術 91
III．下鼻甲介切除術〈加瀬康弘〉 93
A．下鼻甲介の血管 93
B．適応と禁忌 93
C．術前のプランニング 93
1）粘膜の不可逆性の確認 93
2）粘膜肥厚部位の同定 93
3）下鼻甲介骨の位置 94
4）他の鼻疾患の有無 94
D．体位・麻酔・準備する器具 94
E．手術手技の実際 94
1）局所麻酔 94
2）古典的下鼻甲介粘膜切除 94
3）下鼻甲介部分切除法 95
F．術後管理 95
G．合併症 95
H．ヒントとコツ 95
IV．内視鏡下副鼻腔手術〈黄川田徹〉 96
A．病態生理からみた手術目的 96
B．内視鏡下副鼻腔手術に必要な手術器具 96
1）内視鏡 96
2）鉗子類 97
3）吸引管 97
4）内視鏡下副鼻腔手術に併用されるその他の機器 97
C．手術体位 99
1）術者と患者の位置関係 99
2）術野の観察 99
D．術前局所処置 99
E．手術手技 100
V．経上顎洞副鼻腔手術〈阿部和也〉 105
A．手術名について 105
B．概念 105
C．適応 105
1）一側性上顎洞陰影を呈する疾患 105
2）その他 106
D．特徴 106
E．麻酔 106
1）局所麻酔 106
2）NLAの併用 109
3）全身麻酔 110
F．手術器械 110
G．準備・術前処置 112
1）前日までの準備 112
2）鼻内処置 112
3）術野の準備 112
4）浸潤麻酔・伝達麻酔 112
H．手術手技 112
1）粘膜切開 112
2）剥離 113
3）上顎洞開窓 113
4）上顎洞内粘膜剥離，除去 114
5）排泄路の確保 114
6）術後性上顎嚢胞の手術 115
7）篩骨蜂巣郭清 115
8）鼻内からの操作 115
9）創の縫合 116
10）鼻内パッキング 116
I．合併症 116
1）重大な合併症 116
2）軽度の合併症 117
J．術後処置 118
1）手術終了時の観察 118
2）薬剤投与 119
3）術後出血 119
4）鼻内処置 119
5）ポリープの再発 119
VI．鼻外前頭洞手術〈阿部和也〉 120
A．概念 120
B．適応 120
1）前頭洞の炎症 120
2）前頭洞の腫瘍 120
3）前頭洞の嚢胞など 120
C．術式 120
1）皮膚切開 120
2）前頭洞開窓 120
3）洞腔の処理 122
D．準備 122
E．手術手技 122
1）術前処置 122
2）皮膚切開 122
3）開窓（骨弁形成） 122
4）鼻内との交通，対側前頭洞との交通 123
5）パッキング 123
6）皮膚縫合 123
F．合併症 123
1）髄液瘻 123
2）形態変化 123
3）知覚異常 123
4）polysurgery 123
5）術後性嚢胞 123
VII．術後性上顎嚢胞開放術〈加瀬康弘〉 124
A．適応と禁忌 124
B．術前のプランニング 124
C．体位・麻酔・準備する器具 124
D．手術手技の実際 124
1）鼻内手術 124
2）経上顎手術（上顎洞根本術） 125
E．術後管理 126
F．合併症 127
1）眼窩下神経，動静脈の損傷 127
2）複視 127
3）鼻涙管損傷 127
4）排泄孔閉鎖 127
G．ヒントとコツ 127
VIII．鼻腔粘膜皮膚置換術〈市村恵一〉 128
A．適応と禁忌 128
B．術前のプランニング 128
C．体位・麻酔・準備する器具 128
D．手術手技の実際 128
1）鼻翼切開 128
2）鼻中隔前方粘膜切除 128
3）移植皮膚採取 129
4）皮膚置換 129
5）タンポン・創縫合 129
E．術後管理 129
F．合併症 129
G．ヒントとコツ 129
IX．鼻弁開大術〈市村恵一〉 130
A．手術の目標 130
B．鼻弁狭窄と手術適応 130
C．術式 130
1）鼻中隔前上部の手術 130
2）外側鼻軟骨の手術 131
第 3 章 口腔咽頭領域 133
I．扁桃摘出術とアデノイド切除術〈善浪弘善〉 134
A．口蓋扁桃摘出術 134
1）解剖 134
2）適応 134
3）禁忌 136
4）合併症とその予防 136
5）手術手技 137
B．アデノイド切除術 139
1）解剖 139
2）適応 139
3）禁忌 140
4）合併症 141
5）手術手技 141
II．口蓋咽頭形成術〈前田陽一郎〉 142
A．適応 142
B．術前のプランニング 142
C．体位・麻酔・準備する器具 142
D．手術手技の実際 142
1）口蓋扁桃摘出術 142
2）口蓋舌弓（前口蓋弓）の切除および縫合 142
3）口蓋垂の処理 142
E．術後管理 143
F．合併症 143
III．舌下腺摘出術〈市村恵一〉 144
A．舌下腺とその周囲（舌下間隙・口腔底）の解剖 144
B．適応と禁忌 144
C．術前のプランニング 144
D．体位・麻酔・準備する器具 144
E．手術手技の実際 145
1）粘膜切開 145
2）舌下腺表面の剥離 145
3）舌下腺周囲の鈍的剥離 145
4）舌神経や顎下腺管の同定 145
5）舌下腺摘出，縫合 145
F．術後管理 146
G．合併症 146
1）出血 146
2）舌神経傷害 146
3）再発 146
IV．顎下腺摘出術と顎下部郭清術〈市村恵一〉 147
A．顎下腺とその周囲（顎下三角）の解剖 147
1）顎下三角の解剖 147
2）顎下三角を通る神経の走行 148
B．適応と禁忌 149
1）顎下腺摘出術の適応 149
2）顎下部郭清術の適応 149
C．術前のプランニング 149
D．体位・麻酔・準備する器具 149
E．手術手技の実際 149
1）顎下腺摘出術 149
2）顎下部郭清術 150
F．術後管理 151
G．合併症 151
1）神経損傷 151
2）出血 151
3）感染 152
H．ヒントとコツ 152
V．耳下腺浅葉切除術〈中尾一成〉 153
A．耳下腺とその周囲の解剖 153
1）耳下腺の臨床解剖 153
2）顔面神経の走行 154
B．適応 154
C．術前のプランニング 155
D．体位・麻酔・準備する器具 155
E．手術手技の実際 155
1）皮切 155
2）皮膚挙上 155
3）顔面神経本幹の同定 156
4）腫瘍切除 156
5）閉創 157
F．術後管理 157
G．合併症 157
1）顔面神経麻痺 157
2）Frey 症候群 157
3）唾液漏 157
4）耳下部陥没 157
H．ヒントとコツ 158
VI．唾石摘出術（口内法）〈室伏利久〉 159
A．顎下腺唾石 159
1）適応 159
2）術前の準備 159
3）手術法 159
B．耳下腺唾石 159
1）適応 159
2）術前の準備 159
3）手術法 160
第 4 章 喉頭の手術 161
I．音声外科手術 162
A．経内視鏡手術〈角田晃一〉 162
1）喉頭微細手術 162
2）声帯隆起性病変（声帯結節・声帯ポリープ・良性腫瘍・喉頭肉芽腫など） 169
3）声帯浮腫性病変（Reinke の浮腫・ポリポイド） 171
4）声帯粘膜下腫瘤性病変（声帯嚢胞・良性腫瘍） 172
5）声帯萎縮性病変（声帯溝症・声帯萎縮，瘢痕・一側の反回神経麻痺） 172
6）喉頭蓋嚢胞 174
B．外切開による手術〈肥後隆三郎〉 176
1）披裂軟骨内転術 176
2）甲状軟骨形成術 179
II．喉頭狭窄，外傷に対する手術〈田山二朗〉 182
A．経内視鏡下手術 182
1）声帯横隔膜症 182
2）レーザー手術 184
B．外切開による手術 186
1）Woodman手術 186
2）前方開大術 188
III．嚥下障害に対する手術〈堀口利之〉 191
A．嚥下障害に対する手術的治療の考え方 191
B．喉頭を温存しつつ嚥下障害の改善を目的とする手術 193
1）喉頭挙上期型誤嚥に対する手術 193
2）喉頭下降期型誤嚥に対する手術 193
3）混合期型誤嚥に対する手術 193
4）嚥下運動不全型誤嚥に対する手術 194
C．喉頭を犠牲にし誤嚥の防止を目的とする手術 194
1）解剖学的に喉頭を温存する方法 194
2）喉頭全摘術 195
D．その他の手術 195
E．具体的な手術法 195
1）喉頭挙上術 195
2）輪状咽頭筋切断術 197
3）喉頭気管分離術・気管食道吻合術 200
F．外科的治療とリハビリテーション 204
第 5 章 気管食道の手術（耳鼻咽喉科領域として） 205
A．気管切開術〈村上 泰〉 206
1）気管切開術の適応 206
2）麻酔および体位 206
3）手術手技 206
4）術後管理 208
5）合併症 209
B．異 物〈滋賀秀壮〉 209
1）気道異物 210
2）食道異物 212
第 6 章 頸部 215
I．甲状腺葉切除術〈吉本世一〉 216
A．甲状腺とその周囲の解剖 216
B．適応と禁忌 216
C．術前のプランニング 216
D．体位・麻酔・準備する器具 216
E．手術手技の実際 216
F．術後管理 218
G．合併症 218
1）術後出血 218
2）反回神経麻痺 218
3）甲状腺機能低下 218
H．ヒントとコツ 218
II．正中頸嚢胞摘出術〈市村恵一〉 219
A．皮切 219
B．舌骨の処理 219
C．舌骨より上部の操作 220
D．閉創と術後処置 221
E．再発例への対処 221
III．側頸嚢胞摘出術〈高野澤美奈子〉 222
A．発生・部位 222
B．術前のプランニング 222
C．体位・麻酔・準備する器具 222
D．手術手技の実際 222
1）第二鰓性嚢胞，瘻 222
2）第一鰓性嚢胞，瘻 222
E．合併症 223
1）血管，神経の損傷 223
2）嚢胞の再発 223
IV．梨状陥凹瘻切除術〈市村恵一〉 224
A．梨状陥凹瘻の概念と解剖 224
B．適応と禁忌 224
C．術前のプランニング 224
D．体位・麻酔・準備する器具 224
E．手術手技の実際 224
F．術後管理 225
G．合併症 225
第 7 章 悪性腫瘍 227
I．耳・側頭骨（中頭蓋底も含む）〈持木将人〉 228
■側頭骨亜全摘出術 228
A．適応 228
B．術前の準備 228
C．体位・麻酔 228
D．手術手技の実際 228
1）皮膚切開 228
2）耳下腺，頬骨弓，下顎の処理 229
3）乳様突起周囲の処理・頸部血管，神経の処理 229
4）側頭，後頭開頭 229
5）頸動脈管の開放 229
6）頭蓋底の骨切り 230
7）硬膜欠損部の再建，欠損腔の充填 230
E．術後管理 234
F．合併症 234
1）脳浮腫・髄液漏・髄膜炎・頭蓋内出血 234
2）片側迷路機能廃絶 234
3）下位脳神経障害 234
G．ヒントとコツ 234
II．鼻，副鼻腔〈吉本世一〉 236
A．鼻，副鼻腔の解剖 236
B．適応と禁忌 236
C．術前のプランニング 236
D．体位・麻酔・準備する器具 236
E．手術手技の実際 236
1）皮切 236
2）上顎部分切除 236
3）上顎全摘 237
4）拡大上顎全摘（眼摘を含む） 237
5）前頭蓋底手術 238
F．術後管理 239
1）開頭以外の手術の場合 239
2）開頭手術の場合 239
G．合併症 239
1）出血 239
2）脳浮腫 239
3）髄液漏 239
4）髄膜炎 239
H．ヒントとコツ 239
III．上咽頭・中咽頭〈吉本世一〉 240
III−1．上咽頭 240
A．上咽頭の解剖 240
B．適応と禁忌 240
1）積極的適応 240
2）場合により適応 241
3）非適応 241
C．術前のプランニング 241
D．体位・麻酔・準備する器具 241
E．手術手技の実際 241
1）口蓋経由のアプローチ 241
2）上顎経由のアプローチ 241
3）上顎スウィングアプローチ 242
4）下顎経由のアプローチ 242
F．術後管理 243
G．合併症 243
III−2．中咽頭 243
A．中咽頭の解剖 243
B．適応と禁忌 243
C．術前のプランニング 243
D．体位・麻酔・準備する器具 243
E．手術手技の実際 243
1）上壁癌 243
2）側壁癌 244
3）前壁癌 244
4）後壁癌 244
F．術後管理 245
G．合併症 245
IV．口腔〈浅井昌大〉 246
IV−1．口内法 246
A．適応と禁忌 246
B．術前のプランニング 246
C．体位・麻酔・準備する器具 246
D．手術手技の実際 247
1）舌 247
2）上歯肉・硬口蓋 249
3）頬粘膜 250
4）下歯肉 250
5）口腔底 250
E．術後管理 250
F．合併症 250
IV−2．外切開法 250
A．適応と切開の方法 250
B．術前のプランニング 251
C．体位・麻酔・準備する器具 251
D．実際の手術手技 251
1）pull−through method 251
2）下顎辺縁切除 251
3）下顎離断 251
4）下顎区域切除 252
5）口腔の再建 253
E．術後管理 253
F．合併症 254
G．ヒントとコツ 254
V．下咽頭癌〈鈴木光也〉 255
A．解剖 255
B．手術の選択 256
C．手術手技 256
1）体位 256
2）皮膚切開 256
3）皮弁の作成および術野の確保 256
4）頸部郭清 256
5）気管，食道周囲の郭清 257
6）上方の処理 258
7）原発巣の切除 258
8）永久気管孔の作成 259
9）咽頭食道再建 259
10）皮膚縫合 259
VI．喉 頭〈浅井昌大〉 260
A．喉頭癌の臨床解剖 260
B．喉頭癌の手術の原則 260
C．喉頭微細手術下レーザー手術 260
1）適応と禁忌 260
D．喉頭部分切除 261
1）喉頭（垂直）部分切除 261
2）喉頭水平部分切除 264
E．喉頭全摘術 267
1）通常の喉頭全摘 267
2）音声再建手術を伴う喉頭摘出 269
VII．耳下腺全摘術〈中尾一成〉 271
A．耳下腺の臨床解剖 271
B．適応 271
C．術前のプランニング 271
D．体位・麻酔・器具 271
E．手術手技の実際 271
1）顔面神経の処理 271
2）頸部郭清 271
3）拡大全摘 272
4）顔面神経の再建 272
5）閉創 273
F．術後管理 273
G．合併症 273
1）顔面神経麻痺 273
2）Frey症候群 273
3）耳下部の陥没 273
H．ヒントとコツ 273
VIII．甲状腺全摘術〈鈴木光也〉 274
A．解剖 274
B．甲状腺全摘の適応 275
1）乳頭癌および濾胞癌 275
2）髄様癌 275
3）未分化癌および扁平上皮癌 275
C．手術手技 275
1）体位 275
2）皮膚切開 275
3）前頸部皮膚の翻転，挙上 275
4）前頸筋群の処理 276
5）気管前，気管傍郭清 276
6）甲状腺全摘 277
IX．頸部郭清術〈菅澤 正〉 278
A．適応と禁忌 278
B．術前のプランニング 278
C．体位・麻酔・準備する器具 279
D．手術手技とそのコツ 279
1）皮膚切開の選択と皮弁挙上 279
2）胸鎖乳突筋の切断，外側方の処理 279
3）下方の処理 280
4）上方の処理 280
5）頤下，顎下の処理 281
6）保存的頸部郭清術の場合 282
E．術後管理 282
F．合併症 282
1）血腫 282
2）リンパ漏 282
3）皮膚壊死 282
X．遊離（筋）皮弁移植術〈中塚貴志〉 283
A．皮弁の基本的解剖 283
1）前腕皮弁 283
2）腹直筋皮弁 283
B．適応と禁忌 284
C．術前のプランニング 284
D．手術手技の実際 285
1）皮弁の挙上 285
2）皮弁の縫合固定 288
3）血管吻合 288
4）閉創 291
E．術後管理 291
F．合併症 291
G．ヒントとコツ 291
索 引293