序
骨髄や血液はいつの時代も絶好の研究材料である．そのため，新しい研究方法が開発されると最初に増える情報としては，血液疾患の病態解明に関わるものが多くなる．そのように血液学は先端医科学の進歩の影響をもろに受ける．その結果，血液内科学では近年の細胞分子生物学の進歩などを背景とした血液疾患の診断や治療に関する知見も急速な増大がみられる．
情報が膨大になるほどに系統立てて理解することが難しくなるのは当然で，臨床分野での今後の対応は大変である．その上これからは，技術的進歩によって遺伝子多型データベースの構築も加速されることは間違いない．それらの個人遺伝子情報をもとにすべての患者の期待に応えて個々の患者に合った治療法を選択できるようにするために，副作用を極力抑えられる様々な形の分子標的治療も開発されていき，治療法も多様化する筈である．
すでに水面下の動きに見られるように，このような個人差医療の時代は数年もすれば来るであろうと考えられている．治療法の進歩によって延命期間ものびていく．だから，これに対して決して先の話だといって，私達は無関心ではおれない．他科から相談を受けたり患者を紹介される血液科専門医には，病態，治療に対する反応性，副作用についてこれまで以上に高度で理論的な説明が求められることは，今後は益々多くなるというわけである．実際に患者を診療する血液専門医は，以前にもまして最新の文献情報をもとに常に頭の中を整理しておかねばならない所以である．
本教科書は，以上の考えから現時点での最新情報を整理し明日に備えることを目的に企画された．充分でない部分もあろうが，執筆者は，日夜，診療，教育だけでなく，明日に向けた研究を東京大学医科学研究所ならびに同大学医学部において実際に行っている現役の血液専門医である．それだけに高度な内容になっていると思う．本書が，これから立派な臨床医や医学研究者になろうと燃えている医学生にはもちろんのこと，将来の医療の在り方を真剣に考えながら忙しい日常診療に熱心にとり組んでおられる血液専門医や，これからの血液学研究の方向性を決めるために臨床医学の現状を知ろうとされている基礎研究者にとっても，大いに役立つものであることを願っている．
最後に，本書の企画から出版までに多大な御援助を頂いた出版社の方々に，厚く御礼を申し上げる．
1999年6月
東京大学医科学研究所附属病院長 浅野茂隆
目 次
§1．基礎編
A．造血機構 2
1．リンパ造血器官の発生と構造 ＜平野直人＞ 2
A．第1次リンパ器官 2
1．骨 髄 2
2．胸 腺 3
B．第2次リンパ器官 4
1．脾 臓 4
2．リンパ節 6
3．粘膜付属リンパ組織 7
2．多能性造血幹細胞の性状とその増殖分化 ＜中畑龍俊＞ 8
A．造血幹細胞の性状 8
B．造血幹細胞の測定法 8
1．造血前駆細胞のin vitro測定法 8
2．in vivo測定法 10
C．ヒト造血幹細胞の細胞表面抗原 10
1．CD34抗原 10
2．LFA-1 11
3．c-Kit 11
4．その他のサイトカイン受容体 11
D．造血幹細胞の自己複製の調節機構 11
E．造血幹細胞の増殖に関与するサイトカイン 12
F．造血幹細胞の分化 13
3．造血調節機構と造血微小環境 ＜辻浩一郎＞ 17
A．概 念 17
B．造血因子による調節 17
1．サイトカインの生物活性 17
2．造血抑制因子 18
C．造血微小環境 19
1．造血支持組織の基本構造 19
2．ストローマ細胞 19
3．細胞外マトリックス 20
4．接着分子 21
B．血液の性状と機能 23
1．赤血球 ＜橋宗春＞ 23
A．赤血球の構造 24
B．ヘモグロビンの構造と機能 24
2．顆粒球：単球・マクロファージ ＜黒川峰夫＞ 26
A．好中球 26
B．好酸球 27
C．好塩基球 27
D．単球・マクロファージ 28
3．血小板 ＜東原正明＞ 30
A．血小板の産生 30
B．血小板の構造 32
C．血小板活性化機構 36
D．血小板活性化制御機構 36
1．サイクリックAMP（cAMP） 36
2．サイクリックGMP（cGMP） 36
3．一酸化窒素（NO） 37
4．リンパ球 ＜中村哲也＞ 38
A．リンパ球の形態 38
B．リンパ球の分化および分化抗原 38
1．Bリンパ球 38
2．Tリンパ球 38
3．NK細胞 39
C．リンパ球の機能 39
1．Bリンパ球 39
2．Tリンパ球 40
3．NK細胞 41
C．ヒト免疫機構 ＜森本幾夫＞ 42
A．リンパ球抗原とその機能 42
1．Tリンパ球の発生 42
2．Tリンパ球分化 42
3．T細胞受容体CD3複合物とアクセサリー分子 45
4．スーパー抗原とTリンパ球分化 47
5．その他のTリンパ球上のアクセサリー分子 47
B．細胞間相互作用と免疫応答 49
D．止血作用と血栓形成 ＜東原正明＞ 54
A．血小板と血管壁との相互作用 54
B．血小板活性化とその制御 54
C．血液凝固系の活性化 56
D．血液凝固の制御機構 57
E．線溶系とその制御 58
E．シグナル伝達機構 ＜平井久丸＞ 60
A．シグナル伝達機構の様式 60
B．受容体からのシグナル伝達 60
C．細胞内シグナル伝達経路 60
1．MAPキナーゼ群を介するシグナル伝達経路 61
2．JAK/STATを介するシグナル伝達経路 62
3．ステロイドホルモン受容体によるシグナル伝達経路 62
D．転写因子によるシグナル伝達 63
E．シグナル伝達による細胞周期の制御 63
F．シグナル伝達分子の異常と造血器疾患 65
F．細胞周期 ＜松岡正明＞ 67
A．概 念 67
B．cyclinとcdk 68
C．cyclin/cdkの標的と細胞周期 68
D．cyclin/cdkとCAK，脱リン酸化酵素 69
E．cyclin/cdkとcdk inhibitor 69
F．細胞周期と発癌 70
§2．臨床編
A．疾患の病因論的分類 ＜平井久丸＞ 72
A．血液疾患概論 72
B．遺伝性疾患 72
C．腫瘍性疾患 72
1．放射線と造血器腫瘍 73
2．薬剤と造血器腫瘍 74
3．ウイルスと造血器腫瘍 74
D．ウイルス感染と血液疾患 75
1．ウイルスと造血障害 75
2．伝染性単核球症 75
E．自己免疫性血液疾患 75
1．自己免疫性溶血性貧血 75
2．特発性血小板減少性紫斑病 76
B．疾患の疫学 ＜須永真司＞ 78
A．疾患に対する疫学的アプローチ 78
B．疾患の年間発症率・有病率 78
C．主な血液疾患の疫学 79
1．急性骨髄性白血病 79
2．急性リンパ性白血病 79
3．慢性骨髄性白血病 80
4．真性多血症 80
5．悪性リンパ腫 80
6．慢性リンパ性白血病 81
7．多発性骨髄腫 81
8．再生不良性貧血 82
9．骨髄異形成症候群 82
10．溶血性貧血 82
11．特発性血小板減少性紫斑病 82
C．治療概論 84
1．化学療法，放射線療法 ＜内丸 薫＞ 84
A．化学療法 84
1．化学療法薬の分類 84
2．薬剤耐性 84
3．併用化学療法 86
4．化学療法施行時の留意点 86
B．放射線療法 87
1．治癒的照射 87
2．予防的照射 87
3．補助的・症状緩和的照射 87
4．副作用 87
2．サイトカイン療法 ＜北村 聖＞ 89
A．抗腫瘍性サイトカイン 89
1．インターフェロン 89
2．インターロイキン-1 93
B．造血因子 94
1．エリスロポエチン 94
2．コロニー刺激因子 94
3．インターロイキン 95
4．トロンボポエチン 96
C．その他の臨床応用 96
3．免疫療法 ＜長山人三＞ 98
A．抗原非特異的免疫療法 98
1．サイトカイン療法 98
2．リンホカイン活性化キラー細胞療法 98
3．免疫学的修飾物質 99
4．同種骨髄移植とドナーリンパ球輸注療法 99
B．抗原特異的免疫療法 100
1．腫瘍浸潤リンパ球療法 100
2．細胞障害性リンパ球療法 101
3．抗イディオタイプワクチン 102
4．樹状細胞療法 102
5．遺伝子導入による腫瘍ワクチン 105
6．モノクローナル抗体を用いた治療 105
4．造血幹細胞移植療法 ＜高橋 聡＞ 109
A．造血幹細胞移植療法の目的・分類・実施動向 109
1．目 的 109
2．分 類 109
B．造血幹細胞移植療法の成績と規定因子 110
1．移植造血幹細胞の種類と疾患および病期による成績の違い 110
2．患者年齢による移植成績の違い 112
C．造血幹細胞移植療法の適応と移植のタイミング 112
1．ドナー別に疾患サイドからみた移植適応 113
2．患者側の因子からみた移植適応，およびインフォームドコンセントについて 115
D．造血幹細胞療法の実際 116
1．感染症の予防 116
2．前処置 116
3．急性GVHDとその予防 117
4．静脈閉塞性疾患とその予防 117
5．合併症とその対策 118
E．移植造血幹細胞ソースの多様化への対応 118
1．同種PBSCT 119
2．臍帯血移植 119
5．輸血療法 ＜田中智之＞ 120
A．全血輸血 120
B．赤血球濃厚液輸血 120
C．血小板輸血 120
D．その他の成分輸血 121
E．輸血の副作用 121
1．溶血性輸血反応 121
2．非溶血性免疫反応 121
3．感染症 121
4．輸血後GVHD 122
F．自己末梢血幹細胞採取 122
6．抗血栓療法 ＜宮崎浩二＞ 123
A．抗血小板療法 123
B．抗凝固療法 123
1．heparin 123
2．warfarin 126
3．合成抗トロンビン薬 128
C．血栓溶解療法 128
7．支持療法 ＜宮川 清＞ 130
A．感染症対策 130
1．血液疾患における感染症の特徴 130
2．診察のポイント 130
3．隔離，清潔操作 130
4．消化管滅菌，抗生物質の予防投与 130
5．感染症の診断 131
6．感染症の治療 131
7．顆粒球コロニー刺激因子 132
B．感染症以外の合併症対策 132
1．腎膀胱障害 132
2．腫瘍壊死症候群 132
3．抗癌薬皮下漏出 132
4．吐気，嘔吐 133
5．心毒性 133
6．肺毒性 133
7．発 熱 133
8．月 経 133
8．分化誘導療法 ＜東條有伸＞ 135
1．APLの病態 135
2．治療の実際 136
9．臍帯血移植 ＜中畑龍俊＞ 138
A．臍帯血中の造血幹細胞 138
B．臍帯血の採取・分離・保存法 138
C．臍帯血移植 139
D．臍帯血移植の治療成績 140
E．臍帯血バンク 140
10．遺伝子治療 ＜浅野茂隆＞ 142
1．定 義 142
2．分 類 142
3．対 象 142
4．標的細胞 143
5．治療遺伝子 143
6．治療方法 144
7．現 状 144
8．展 望 146
D．疾患各論 148
1．貧血概論 ＜谷 憲三朗＞ 148
A．貧血の定義 148
B．各種正常赤血球指数 148
C．末梢血液像検査 150
1．大球性貧血の鑑別診断 150
2．正球性貧血の鑑別診断 153
3．小球性貧血の鑑別診断 153
D．骨髄検査所見 153
E．貧血診断の進め方 154
F．貧血の治療法 154
2．Hb合成障害による貧血 ＜三谷絹子＞ 155
A．ヘム分子の合成障害による貧血 155
1．鉄欠乏性貧血 155
2．鉄芽球性貧血 156
B．異常ヘモグロビン症 157
C．サラセミア 157
3．巨赤芽球性貧血 ＜谷口俊恭＞ 159
A．概念と定義 159
B．病態と症状・所見 159
1．ビタミンB12と葉酸の代謝 159
2．巨赤芽球性貧血の病態 162
3．臨床症状と検査所見 162
C．分 類 163
1．B12欠乏 163
2．葉酸欠乏 164
3．B12，葉酸欠乏以外による巨赤芽球性貧血 164
D．検査計画と鑑別診断 164
1．巨赤芽球性貧血の診断 165
2．巨赤芽球性貧血の原因の診断 165
3．B12欠乏による貧血 165
E．治療と予後 165
1．B12欠乏 165
2．葉酸欠乏 165
4．溶血性貧血 ＜谷 憲三朗＞ 166
1．定義，概念 166
2．成因と分類 166
3．症 状 166
4．診 断 166
1．内因性異常による溶血性貧血 167
A．赤血球膜異常 167
1．遺伝性球状赤血球症 169
2．遺伝性楕円赤血球症 172
3．その他の赤血球膜異常症 173
B．赤血球酵素異常症 174
1．グルコース-6-リン酸脱水素酵素（G6PD）異常症 176
2．ピルビン酸キナーゼ（PK）異常症 179
3．その他の赤血球酵素異常症 181
C．ヘモグロビン異常症 182
1．異常ヘモグロビン症 185
2．サラセミア症候群 190
D．発作性夜間血色素尿症 198
2．外因性異常による溶血性貧血 202
A．免疫性溶血性貧血 202
1．自己免疫性溶血性貧血 203
2．免疫性汎血球減少症 208
3．薬剤惹起性免疫性溶血性貧血 208
B．外因性非免疫性溶血性貧血 208
1．破砕性溶血-微小血管障害 209
2．その他の赤血球への機械的障害 210
3．脾機能亢進症 210
4．感染症 211
5．肝疾患に関連した溶血 212
6．腎疾患に関連した溶血 212
7．ヘビ・クモ毒，咬症，刺し傷，毒素 213
8．薬剤と化学物質 213
9．薬剤誘発性酸化的溶血 213
5．再生不良性貧血，赤芽球癆 ＜山下孝之＞ 215
A．再生不良性貧血 215
1．概念と定義 215
2．病態，病因 215
3．臨床症状 216
4．検査計画と鑑別診断 217
5．重症度 217
6．治療と予後 217
7．Fanconi貧血 219
B．赤芽球癆 219
1．概念，分類，疫学 219
2．先天性（Diamond-Blackfan貧血） 220
3．後天性，急性PRCA 220
4．後天性，慢性PRCA 220
6．2次性貧血，その他の貧血 ＜米山彰子＞ 222
1．概念と定義 222
2．感染症に伴う貧血 222
3．悪性腫瘍に伴う貧血 223
4．膠原病に伴う貧血 223
5．肝疾患に伴う貧血 223
6．腎疾患に伴う貧血 223
7．内分泌疾患に伴う貧血 224
8．寄生虫症に伴う貧血 224
9．栄養障害による貧血 224
10．放射線，化学物質による貧血 224
11．妊娠に伴う貧血 224
7．真性多血症 ＜長村（井上）登紀子＞ 225
1．概念と定義 225
2．病態と症状，所見 225
3．病 期 225
4．診 断 226
5．鑑別診断 226
6．治 療 226
7．予 後 227
8．白血球の形態異常と機能異常 ＜平井浩一＞ 228
A．慢性肉芽腫症 228
1．概念と定義 228
2．病態と症状所見 228
3．治療と予後 228
B．Chediak-東症候群 228
1．概念と定義 228
2．病態と症状所見 228
3．治療と予後 229
9．急性白血病 ＜平井久丸＞ 230
A．概念，定義 230
B．疫学，成因 230
C．病 態 230
1．病型特異的遺伝子変異 233
2．病型非特異的遺伝子変異 235
D．症状，所見 235
1．臨床症状 235
2．検査所見 236
E．病型分類 237
1．FAB分類 237
2．MIC分類 240
3．ALLの免疫学的分類 241
4．特殊な急性白血病 241
F．検査計画 244
G．鑑別診断 246
H．治療と予後 246
1．治療方針 246
2．化学療法 247
3．化学療法薬と作用機序 248
4．造血幹細胞移植 249
5．中枢神経系の予防と治療 250
6．予 後 250
10．慢性骨髄性白血病 ＜長村（井上）登紀子＞ 252
A．概念と定義 252
B．病態と症状，所見 252
C．病期分類 255
D．検査計画と鑑別診断 256
1．検 査 256
2．鑑別診断 256
E．治療と予後 256
1．化学療法 257
2．IFN-α療法 257
3．自家骨髄移植または末梢血幹細胞移 259
4．同種骨髄移植 259
5．増悪期の治療 261
6．急性転化の治療 261
11．骨髄線維症 ＜辻野志穂＞ 263
A．概念と定義 263
B．病態と症状，所見 263
1．骨髄線維症の病態 263
2．臨床症状と検査所見 264
C．検査計画，鑑別診断 264
1．検査計画 264
2．鑑別診断 264
D．治療，予後 265
1．治 療 265
2．予 後 265
E．続発性骨髄線維症 265
F．急性骨髄線維症 265
12．骨髄異形成症候群 ＜花園 豊＞ 267
A．概念と定義 267
B．病 態 267
C．症状，所見 268
D．病期分類および特殊なMDS 269
E．検査計画と鑑別診断 270
1．診断基準 270
2．診断手順 270
3．鑑別診断 270
F．治 療 271
1．対症療法 271
2．分化誘導療法 271
3．化学療法 271
4．骨髄移植 271
G．予 後 271
1．急性白血病化 271
2．骨髄不全死 272
13．慢性リンパ性白血病，ATL，その他 ＜本倉 徹＞ 273
A．慢性型B細胞白血病 273
1．慢性リンパ性白血病 273
2．B前リンパ球性白血病 275
3．ヘアリー細胞白血病 275
4．毛様リンパ球を伴う脾リンパ腫 276
5．白血型非Hodgkinリンパ腫 276
6．リンパ形質細胞性リンパ腫 277
7．形質細胞性白血病 277
B．慢性型T細胞白血病 277
1．大顆粒リンパ球白血病 277
2．T前リンパ球性白血病 278
3．成人T細胞白血病/リンパ腫 278
4．S斯ary症候群 280
14．悪性リンパ腫 ＜秋山 暢，東原正明＞ 282
A．概念と定義 282
1．Hodgkin病 282
2．非Hodgkinリンパ腫 282
B．病態と症状，所見 283
1．病 態 283
2．臨床症状 285
3．臨床所見 286
C．診断基準，病型分類 286
1．Hodgkin病 286
2．非Hodgkinリンパ腫 287
D．検査計画と鑑別診断 292
E．治療と予後 297
1．Hodgkin病の治療 297
2．非Hodgkinリンパ腫の治療 303
15．悪性リンパ腫の類縁疾患 ＜堀江良一＞ 317
A．IBL/AILD 317
1．概 念 317
2．臨床像 317
3．病理組織所見 317
4．診 断 317
5．病 態 317
6．治療と予後 318
B．Castleman病 318
1．概 念 318
2．臨床像，検査所見 319
3．病理組織所見 319
4．診 断 319
5．病 態 319
6．治療と予後 320
C．悪性組織球症 320
1．概 念 320
2．臨床像，検査所見 321
3．病理組織所見 321
4．診 断 321
5．病 態 321
6．治療と予後 322
16．多発性骨髄腫，その他 ＜小川誠司＞ 324
A．免疫グロブリンの産生機構 324
B．単クローン性免疫グロブリン血症の診断 324
C．単クローン性免疫グロブリン血症を認める疾患 325
D．多発性骨髄腫 326
1．概念と定義 326
2．臨床所見 326
3．検査所見 327
4．鑑別診断 328
5．骨髄腫の治療 330
E．Waldenstr嗄（原発性）マクログロブリン血症 331
1．概念と定義 331
2．臨床所見および検査所見 331
3．治 療 332
F．H鎖病 332
1．概念と定義 332
2．γ-HCD 332
3．α-HCD 332
4．μ-HCD 333
5．δ-HCD 333
G．アミロイドーシス 333
1．概念と定義 333
2．臨床所見および検査所見 333
3．診 断 333
4．治療および予後 334
17．免疫不全症候群，その他の免疫異常症 ＜岩本愛吉＞ 335
A．先天性免疫不全症 335
1．X染色体性無γグロブリン血症 335
2．高IgM症候群 336
3．severe combined immunodeficiency （SCID） 336
4．common variable immunodeficiency 337
5．組織適合抗原の発現異常 337
6．Wiskott-Aldrich症候群 338
7．IgA欠損症 338
8．無胸腺症（DiGeorge症候群） 338
B．後天性免疫不全症候群 338
1．ヒト免疫不全ウイルス 338
2．HIV感染症とAIDS 338
3．HIV感染症の治療 340
4．HIVの疫学 340
18．白血球減少症，白血球増加症 ＜佐藤典治＞ 341
A．白血球減少症 341
1．定 義 341
2．病 態 341
3．症状と所見 341
4．検査計画と鑑別診断 342
5．治療と予後 342
B．白血球増加症 343
1．定 義 343
2．病 態 343
3．症状と所見 343
4．検査計画と鑑別診断 343
5．治療と予後 344
19．止血，血栓（総論） ＜東原正明＞ 345
1．出血傾向へのアプローチ 345
2．血栓傾向へのアプローチ 346
3．血管内皮細胞の抗血栓性 347
20．血小板機能異常症 ＜宮崎浩二＞ 349
A．概念と定義 349
B．病態と症状，所見 349
1．先天性血小板機能異常症 349
2．後天性血小板機能異常症 352
C．治療と予後 352
21．特発性血小板減少性紫斑病 ＜東原正明＞ 354
A．概念と定義 354
B．病態と症状，所見 354
1．ITPの病態 354
2．臨床症状と検査所見 355
C．診断基準，病型分類 356
D．検査計画と鑑別診断 357
1．検査計画 357
2．鑑別診断 357
E．治療と予後 357
1．治療プロトコール 357
2．治療の実際 358
3．治療効果判定 359
4．治療効果と予後 359
22．その他の血小板減少症，血小板増加症 ＜小池由佳子＞ 361
A．血小板減少症 361
1．血小板産生の低下 361
2．血小板消費・破壊の亢進 362
3．血小板分布異常 363
B．血小板増加症 364
1．原発性（本態性）血小板血症 364
2．続発性 365
23．凝固-線溶系異常症 ＜東原正明，小池由佳子＞ 366
A．出血性疾患 366
1．血友病 366
2．von Willebrand病 367
3．先天性フィブリノゲン異常症 368
4．ビタミンK依存凝固因子異常 369
5．循環抗凝血素 370
6．播種性血管内凝固症候群 371
7．線溶亢進状態 373
B．血栓性疾患 374
1．AT III欠損症 374
2．protein C欠損症 375
3．protein S欠損症 376
4．抗リン脂質抗体症候群 376
5．血栓性血小板減少性紫斑病と溶血性尿毒症症候群 377
§3．付録
1．CDマーカー ＜米山彰子＞ 384
2．サイトカイン ＜青木克己＞ 387
3．細胞接着分子 ＜秋山 暢＞ 390
4．染色体分析，遺伝子診断 ＜三谷絹子＞ 396
5．HLAタイピング ＜長山人三＞ 398
1．HLAの概要 398
2．HLA抗原検索法 398
6．血液疾患患者への病状説明 ＜東原正明＞ 401
A．病状説明記録はなぜ重要なのか 401
B．病状説明の基本姿勢 402
1．血液悪性腫瘍患者の場合 402
2．非悪性腫瘍患者の場合 403
7．正常値一覧 ＜北村 聖＞ 405
●トピックス co-immunostimulating factor ＜森本幾夫＞ 53
AIDSリンパ腫 ＜東原正明＞ 323
APCレジスタンス ＜東原正明＞ 381
索 引 407