診察し,検査結果を読み,何らかの決定をなす(decision making),臨床はその繰り返しである.急性疾患の頻度が高い脳神経外科では,『経過をみる』ことが許されず,その場で的確な判断が求められる場合が多い.昨今,EBM,ガイドラインが整備されてきているが,全てに答えを与えてくれるものではないことは,臨床医ならば誰でも直ぐに気づく.むしろEBMの裏側に隠れている様々な問題点が明らかになり,一つのEBMから複数の新たな疑問が湧いてくる.
 本書は,質問に対する答えと,その背景にある考え方を解説するQ & Aの形式をとっている.立案に際しては,まず,日常の臨床を行っていて実感する疑問点を列挙することから始めた.これに各分野の学会などで話題になっているトピックスを加えた.通常の教科書に載っているような内容は,可能な限り少なくし,臨床でのdecision makingに直結するような,具体的,実践的な質問を用意したつもりである.その結果,正解が必ずしも一つではないことが予想される質問も多く含まれるようになった.しかしながら正解のない問題に,何らかのdecisionを下さなくてはならないのが臨床である.その一助になりえる内容を目指して,編集を行った.
 最良のdecisionを得るために,執筆は各分野のtop leaderの先生方にお願いした.いずれも豊富な臨床経験を持ち,研究面でも精力的にお仕事をされている方々である.明確な回答が困難であるような質問に対して,執筆をお引き受けいただいたことに,この場を借りて感謝を申し上げたい.
 本書は,日々,臨床の問題に直面し,それを解決している全ての脳神経外科医の先生に活用していただきたい.今日的なトピックスも網羅しているので,脳神経外科全体の知識をまとめるためにも有用と思われる.実践の書として使っていただければ幸いである.
2006年 若葉のころ
編集者を代表して 川又達朗


目 次


■§1. 脳血管疾患
  ◆A. 脳動脈瘤・クモ膜下出血
1. 未破裂脳動脈瘤に対する手術難易度は画像診断上どのように判断しているのか? 
   手術すべきではない動脈瘤はどういうものか?…<塩川芳昭> 2
2. carotid cave aneurysmとcavernous sinus aneurysmは
   画像上どのように鑑別するのか?…<柿澤幸成・本郷一博> 5
3. 放置すると破裂の危険性が高い未破裂脳動脈瘤はどのような
   動脈瘤なのか?…<加藤庸子> 9
4. 未破裂脳動脈瘤の術中にクリッピングかラッピングかの判断は
   どのように行うのか? ラッピングを効果的に行う方法は?…<永田 泉> 13
5. 前交通動脈瘤に対する手術アプローチはどのように決めたらよいか?
        …<安井敏裕> 15
6. Hunt & Kosnik grade IV , V の急性期手術の適応は
   どのように決めているか?…<冨永悌二・村上謙介> 19
7. クリッピングとコイリングはどのように使い分けるのか?
   未破裂と破裂動脈瘤では違いがあるか?…<中居康展・園部 眞> 22
8. コイル塞栓術後の脳動脈瘤に対してクリッピング術を行う際には
   どのような点に注意すべきか?…<黒田 敏> 25
9. 動脈瘤に対し親動脈閉塞術を行う場合,low flow bypassとhigh flow bypassの
   使い分けはどのようにしたらよいか?…<宮本 享・野中裕康> 32
10. retrograde suction decompressionが有用であるのは,
   どのような内頸動脈瘤か?…<溝井和夫> 35
11. クモ膜下出血で発症した椎骨動脈解離性動脈瘤の治療はどのように進めるのか? 
   手術の必要性はいつ,どのようにして判断したらよいのか?…<水谷 徹> 39
  ◆B. 脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻
1. Spetzler分類grade IV , V の脳動静脈奇形に対して手術を行う場合はあるか?
   その場合どのような手術戦略でのぞむべきか?…<野崎和彦> 45
2. 脳動静脈奇形のnidus摘出術後の合併症であるnormal perfusion
   pressure breakthroughとocclusive hyperemiaはどのようにして
   鑑別するのか? 治療法は異なるのか?…<倉田 彰> 49
3. 脳動静脈奇形に付随する動脈瘤で治療が必要な動脈瘤はどれか?…<宮地 茂> 53
4. 脳動静脈奇形に対する塞栓術の目的は? 塞栓物質の種類と
   その使い分けはどのように行うのか?…<平山晃康> 60
5. 脳動静脈奇形に対するradiosurgeryの合併症のうち,積極的な
   治療が必要な病態にはどのようなものがあるか?…<丸山啓介> 64
6. 硬膜動静脈瘻はタイプによって治療法の選択が異なるか?…<桑山直也> 67
7. 海綿状血管奇形の治療戦略はどのように考えるのか.
   手術適応になるのはどのような症例か.…<氏家 弘> 74
  ◆C. 脳内出血
1. 高血圧性脳内出血,特発性脳内出血に対する手術適応は
   現在どのように考えられているのか?…<安井信之> 78
2. 高血圧性脳内出血に対して,開頭血腫除去術とCTガイド
   血腫吸引術はどのように使い分ければよいか?…<川口哲郎> 81
3. 抗凝固薬,血栓溶解薬,抗血小板薬の使用中に頭蓋内出血をきたした
   場合はどう対処すればよいか?…<刈部 博> 87
4. 血液透析患者の脳内出血に対しては,どのように治療を
   進めればよいか?…<垣田清人・村上 守> 89
  ◆D. 脳梗塞
1. 閉塞性脳血管疾患に対する抗血小板療法と抗凝固療法は
   どのように使いわけるのか?…<加納恒男> 92
2. 血栓溶解療法の適応にならない症例は?…<江面正幸・松本康史・高橋 明> 95
3. 1) 狭窄率50%以下で症候性の内頸動脈狭窄症例,
   2) 狭窄率70%以上で無症候性かつ脳血流検査でも
   異常を認めない内頸動脈狭窄症例の治療方針は?…<山根冠児> 99
4. 緊急頸動脈内膜切除術の適応となるのはどのような症例か?
      …<遠藤俊郎・林 央周> 103
5. 頸動脈内膜剥離術後のhyperemic complicationはどのような
   患者に起こりやすいのか? 診断はどのように行うのか?
   予防法,治療法はあるのか?…<小笠原邦昭> 107
6. 頸動脈内膜剥離術の際にパッチグラフトを行ったほうがよいのは
   どのような症例か? 用いる材料は?…<宇野昌明> 110
7. near occlusion of internal carotid artery(ICA)とは何か?
   high grade stenosis of ICAとはどう違うのか?
   どのように治療するのか? 手術適応は?…<片野広之・山田和雄> 113
8. STA-MCA吻合術,STA-SCA吻合術の手術適応はどのようにして
   決定するのか? 緊急に手術を行うことはあるのか? 手術成績の
   評価はどのように行われているのか?…<井上 敬・小笠原邦昭・小川 彰> 115
9. high flow bypassに際してartery graftとvein graftは
   どのように使い分けるのか?…<宝金清博> 118
10. 非出血性椎骨脳底動脈解離の治療はどのように進めていくのか?
   どのような症例が手術適応になるのか?…<小野純一> 122
  ◆E. もやもや病
1. 無症候性もやもや病に対する手術適応はどのように考えたらよいか?
      …<白根礼造・林 俊哲> 126
2. 出血発症のもやもや病は長期的にみるとどのように
   治療していくのがよいのか?…<川口正一郎> 130

■§2. 脳腫瘍
  ◆A. glioma
1. malignant gliomaの予後を左右する因子は何か? 切除範囲を
   増やすと神経脱落症状が出現すると予想された場合どちらを優先
   させるのか?…<渡邉学郎> 134
2. malignant gliomaの化学療法においてエビデンスレベルの高い
   化学療法は何か? 多剤併用療法は効果があるのか?…<篠田 淳> 138
3. 再発gliomaに対する再手術の適応と化学療法の選択はどのような
   考え方で行っていくのか?…<永根基雄> 142
4. low grade gliomaに放射線治療を行うべきか?…<藤巻高光> 148
5. gliomaの治療において定位放射線治療はどのような症例に
   適応となるのか?…<篠田 淳> 153
6. astrocytic tumorにおける遺伝子異常とその臨床的意義,特に予後,
   治療との関係は? 遺伝子異常の解析が治療成績の向上に
   つながったというエビデンスはあるか?…<西川 亮> 157
7. oligodendroglial tumorはastrocytic tumorと生物学的,臨床的に
   どのように異なるのか?…<植木敬介> 160
8. dysembryoplastic neuroepithelial tumor(DNT)はastrocytomaや
   gangliogliomaとどのように異なるのか? 治療はどのように
   行うのか?…<岡 秀宏・藤井清孝> 163
9. 脳腫瘍の再発と脳放射線壊死はどのように鑑別するのか?
      …<吉井與志彦・土田幸広> 167
10. 一次運動野より前方の前頭葉gliomaを摘出すると,どのような
   神経症状が出現するのか?…<深谷 親> 172
11. medulloblastomaでは放射線照射に加えて化学療法を併用すべきか?
      …<渡邉学郎> 176
12. 乳幼児のmedulloblastomaに対して,化学療法単独で充分な治療効果は
   得られるか? 放射線治療を行わなくてはいけない場合は?
   照射量と照射範囲はどのように決定するのか?…<丸野元彦・吉峰俊樹> 179
13. primitive neuroectodermal tumor(PNET)はmedulloblastomaと
   どのように異なるのか? 放射線治療を行わなくてはいけない場合は?
   照射量と照射範囲はどのように決定するのか?…<澤村 豊> 182
14. 脳幹gliomaの外科治療はどのような症例に適応となるのか?
   補助療法の方法と効果,それらのエビデンスレベルは?
      …<高橋英明・吉村淳一・田中隆一> 184
15. 言語野近傍のgliomaの手術戦略は? 術後に言語障害を
   出さないようにするためには?…<片山容一> 188
16. pilomyxoid astrocytomaはpilocytic astrocytomaとどのように
   異なるのか? 治療法,予後に違いはあるか?…<長嶋和郎・澤村 豊> 191
  ◆B. non-glioma
1. 初診時にすでに髄腔内播種が認められるgerm cell tumorに対して,
   どのように治療を進めていけばよいか?…<竹島秀雄> 193
2. 中枢神経原発悪性リンパ腫に対して,放射線照射を行わずに
   methotrexate(MTX)大量療法単独で治療できるのか?…<泉本修一> 196
3. 鞍上部に進展したプロラクチン産生下垂体腺腫に対して,手術を
   行わずにドパミン作動薬の投与で治療できるか?…<吉野篤緒> 199
4. GH産生下垂体腺腫,ACTH産生下垂体腺腫の術後で血中ホルモン値が
   依然として高値の場合,どのような治療を行うべきか?…<吉野篤緒> 201
5. 聴神経腫瘍に対して,手術療法と定位的放射線療法をどのように
   選択,あるいは組み合わせて治療していくのか?…<澤村 豊・坂本 徹> 205
6. 術後に残存した頭蓋咽頭腫に対して,どのような治療を
   行っていけばよいか?…<齋藤 清> 208
7. 多発性の転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療と全脳照射は
   どのように選択するのか? 生存期間の延長だけでなくQOLを
   保つためにはどのようにしたらよいか?…<園田順彦・佐藤慎哉・嘉山孝正> 211

■§3. 頭蓋底外科
1. 両側前頭開頭における開放前頭洞に対する処置はどのようにしたらよいか?
      …<池田清延> 214
2. 前頭蓋底手術に際しての前頭蓋底の骨欠損,硬膜欠損の修復は
   どのように行うのか? スタンダードとバリエーションが知りたい.
      …<甲村英二> 219
3. fronto-temporal craniotomyにorbital rimとzygomaの
   osteotomyを追加することがあるが,それぞれの適応は? 
   どこまで視野が広がり,限界はどこまでか?…<後藤哲哉・本郷一博> 223
4. 硬膜外での前床突起の削除,その後の硬膜切開の手順と注意点は?
      …<後藤剛夫・大畑建治・馬場元毅・原 充弘> 226
5. petrosal approachの際の錐体骨削除の指標は? 何をもって
   充分であるとするのか?…<吉田一成> 229
6. anterior petrosal approachとposterior petrosal approachは
   どのように使い分けるのか?…<佐々木富男> 233
7. 頭蓋底手術に際して静脈や静脈洞を切断したい場合があるが,そのリスクは
   どの程度なのか? リスクを減少させる方法はあるか?
   術前にhigh riskを見分けることは可能か?…<齋藤 清> 238
8. 術後の髄液漏,偽性髄膜瘤の予防にはどのようなことに注意すべきか?
   髄液漏が起こってしまった場合にはどう対処すればよいのか?…<越永守道> 241

■§4. 外 傷
1. 軽症の頭部外傷でCTを施行する基準は何か? 帰宅させても
   よいとする基準は何か?…<徳富孝志> 246
2. どのような症例でtalk and deteriorateに気をつけるべきか?…<小川武希> 250
3. 頭部外傷でも血管撮影をすべきなのはどのような場合か?…<三宅康史> 252
4. スポーツによる頭部外傷症例に対して競技復帰をどのように
   指導すればよいのか?…<森 達郎> 256
5. 両側性急性硬膜外硬膜下血腫に対してはどのような
   治療戦略を立てるのか?…<藤澤博亮・鈴木倫保> 259
6. 外傷による頭蓋内異物の治療方針は? 異物の種類によって治療は
   異なるのか? 異物は必ず摘出しなければいけないのか?…<中村 弘> 263
7. 重症頭部外傷の管理におけるICP oriented managementと
   CPP oriented managementはどこが異なるのか?…<川又達朗> 268
8. 重症頭部外傷急性期における栄養管理に関してどのような
   エビデンスがあるのか?…<前田 剛> 272
9. 頭部外傷に対する抗痙攣薬投与は,いつから始め,いつやめるのか?
   実際の投与方法は?…<河井信行> 275
10. 抗血小板薬,抗凝固薬を服用している患者が慢性硬膜下血腫に
   なった場合,どのように対応すればよいのか?…<富田博樹> 278

■§5. 機能的疾患
1. 三叉神経痛に対して神経血管減圧術(MVD)とガンマナイフ
   (radiosurgery)はどのように使い分けるのか?…<林 基弘> 284
2. 椎骨動脈による圧迫がfacial spasmの原因と考えられるとき,
   いかなる手術戦略をとるべきか?…<斎藤伸二郎・嘉山孝正> 288
3. Parkinson病に対して視床下核の脳深部刺激療法を行ったとき,
   どのような副作用が出現しうるか? 対処法は?
      …<高橋章夫・宮城島孝昭・平戸政史・齋藤延人> 291
4. 不随意運動に対するradiosurgeryの適応と治療効果は?…<大江千廣> 294
5. 脳深部刺激vs凝固術.脳深部刺激療法より凝固術を選択すべき
   状況はどのような場合か?…<平 孝臣> 297
6. ジストニアに対する脳深部刺激療法はどのような症例に効果があるか?
      …<横地房子> 301
7. 脳卒中,外傷後にはいかなる不随意運動が発生するのか?
   治療はどのように進めていくのか?…<後藤 惠> 305
8. 痙性麻痺に対する機能的脊髄後根切断術はどのような症例に
   適応となるのか?…<内山卓也> 308
9. 痙性麻痺に対するbaclofen髄腔内持続投与はどのような症例に
   適応となるのか? 治療成績は?…<平 孝臣> 311
10. 抗てんかん薬内服中の患者が妊娠を希望した場合,どのように
   対応すればよいのか?…<橋詰清隆> 314
11. 臨床症状,脳波で内側側頭葉てんかんが疑われる症例において,
   MRIで海馬の萎縮がはっきりしない場合はどうしたらよいか?…<大槻泰介> 318
12. てんかんに対する脳梁離断術,半球切除術は,どのような症例に
   行うのか? 治療効果は?…<清水弘之> 321
13. radiosurgeryによるてんかん治療は,どの程度の効果が期待できるのか?
   てんかんの原因によって治療効果は異なるのか?…<丸山啓介> 325

■§6. 小児
1. 胎児期水頭症の治療法の選択は診断時期によって異なるのか?…<山崎麻美> 330
2. 圧可変式シャントの導入によって水頭症の治療成績は
   変化したのか?…<大井静雄> 333
3. 水頭症に対する第3脳室開窓術はどのような症例に適応となるのか?
   どのような合併症があるか? 術前にriskの評価は可能か?…<大井静雄> 345
4. 脊髄髄膜瘤発生のrisk factorは何か? 予防法はあるのか?…<新井 一> 353
5. 脊髄髄膜瘤の予後を決める因子にはどのようなものがあるのか?
   five layer closureの際にどのようなことが問題になるのか?
   その解決策は?…<伊達裕昭> 355
6. 脊髄脂肪腫に対する手術適応と手術時期はどのように決定したらよいか?
      …<新井 一> 359
7. 脊髄空洞症を伴ったChiari I 型奇形に対する手術適応手術方法に
   ついてはどのような考え方があるか?…<阿部俊昭> 362
8. 大後頭孔-上位頸椎減圧術が必要なChiari II 型奇形はどのような症例か?
   治療成績は?…<長坂昌登> 365
9. 頭蓋縫合早期癒合症の分類と遺伝子異常の関連について知りたい.
   治療法の選択に役立つか?…<坂本博昭> 368
10. 頭蓋骨縫合早期癒合症はいつ手術をするのが最もよいのか?
   手術時期によって手術法は異なるのか?…<西本 博> 372
11. クモ膜嚢胞の手術適応と手術法は発生部位によって異なるのか?…<森竹浩三> 375
12. 小児における出血性ならびに閉塞性脳血管障害にはどのような
   特徴があるのか? 治療法は成人とどのように違うのか?…<西本 博> 378
13. 小児虐待と事故による頭部外傷はどのように鑑別するのか?
   小児虐待例に対して社会的にはどのように対応すればよいのか?…<西本 博> 383
14. 小児頭部外傷の治療において,成人との相違点は何か?…<川又達朗> 386
15. 小児脊椎脊髄損傷の特徴は何か? 治療法で成人と違うところはあるか?
      …<小柳 泉> 390

■§7. 脊髄
1. atolanto-axial dislocation,odontoid fractureに対する手術法は
   骨折のタイプによって異なるのか? 保存的に治療可能な症例,
   必ず手術が必要な症例の判断はどのように行うのか?…<水野順一・中川 洋> 396
2. 頭蓋底陥入症basilar invaginationに対する前方手術,後方手術は
   どのように使い分けるのか? それぞれ長所,短所,起こりうる
   合併症にはどのようなものがあるか?…<西川 節> 400
3. 頸椎症に対する前方アプローチと後方アプローチの長所と
   短所は何か? どのように使い分けるのか?…<飯田隆昭・飯塚秀明> 405
4. 脊柱管狭窄症に合併した頸椎症に対する後方手術にはいろいろな
   方法があるが,これらの工夫は何を目的としているのか?…<木原俊壱> 407
5. 脊髄髄内腫瘍を鑑別する要点は何か?…<寳子丸稔> 411
6. 脊髄髄内腫瘍と鑑別を要する疾患にはどのようなものがあるのか?
   鑑別の要点は何か?…<山本勇夫> 415
7. 胸椎(脊椎後弯部)における椎間板ヘルニア,OPLLの手術では
   何が問題になるのか? 問題を回避するにはどうしたらよいか?
      …<水野順一・中川 洋> 420
8. 腰椎変性すべり症に対し除圧のみとするか,固定を行うかについては,
   どのように判断すればよいのか?…<花北順哉> 424
9. 腰部脊柱管狭窄症の術後合併症にはどのようなものがあるのか?
   それを回避するためにはどのような点に注意すればよいか?…<岩月幸一> 427
10. far lateral typeの腰椎椎間板ヘルニアの診断の要点は何か?
   手術法,手術成績は通常の椎間板ヘルニアと違いがあるのか?…<久保和親> 432
11. 脊髄動静脈奇形・脊髄硬膜動静脈奇形の術前検査の要点は何か? 
   奇形のタイプにより治療法はどう異なるのか?
      …<高橋 宏・谷口 真・北原功雄> 437
12. 成人のtethered spinal cord syndromeの診断の要点は何か?
   手術適応はどのように決めるのか?…<朝本俊司福井康之> 441
13. 脊椎脊髄疾患においてspinal instrumentationと自家骨の
   使い分けはどのように行うのか? どちらか一方が絶対有利である
   状況はあるか?…<庄田 基> 444
14. 脊髄脊椎疾患に対する内視鏡手術の現状と将来は?…<夏山元伸> 446
15. 椎体椎間板炎などの炎症性疾患に対し,spinal instrumentationを
   行ってもよいのか?…<徳橋泰明> 449
16. 小児の側弯症に対する手術時期はいつがよいか? 成長期小児に
   対するspinal instrumentationの影響,長期成績は?…<鈴木信正> 453
17. 骨粗鬆症に合併した圧迫骨折や変性疾患に対して,骨セメント,
   セラミック製材料,spinal instrumentationが用いられているが,
   使い分けはどのようにするのか? それぞれの問題点は?
      …<井上辰志・水野順一・中川 洋> 460
索引…464