2版の序
｢小児処方ノート」(改訂版）をお届けする．これは小児科領域において比較的よく遭遇するポピュラーな疾患・症状について，比較的よく使われる治療法・薬剤を纒めたものである．したがって，すべての治療法・薬剤が網羅されたものではない．また，執筆者の経験に基づいた選択がなされており，それだけに実用的価値は高いかもしれないが，独断と偏見というお叱りもあるかもしれない．そのような前提で御利用頂き，御自身の役に立つ「処方ノート」に育てて頂ければと願って，できるだけ余白を大きくする様に努めた．PL法の関係から，激増する薬剤添付文書注意事項にも眼を通し，メモを加えることも必要かもしれない．こうして，自家薬篭中の治療法・薬剤を少しでも増やすよう努力されることを切望している．それが，患者さんに誠実に対応する道と信じている．
幸い「小児処方ノート」は好評であり，版を重ねることとなった．これを機会に，新しい情報も盛り込み，改訂を行なった．更なる御叱正をお願いする次第である．
2001年7月
長尾 大
目 次
疾患・症状
I．部位別症状・疾患
A．全身的症状
1．痙攣 岩本弘子 2
2．ショック 藤原孝憲 7
3．高血圧 高橋英彦 17
4．脱水 高橋英彦 23
5．敗血症 気賀沢寿人 26
B．中枢神経系
1．脳炎 岩本弘子 29
2．化膿性髄膜炎 赤城邦彦 31
3．無菌性髄膜炎 赤城邦彦 35
4．てんかん 岩本弘子 37
C．頭頚部
1．麦粒腫（外麦粒腫) 伊藤大藏 45
2．霰粒腫 伊藤大藏 47
3．結膜炎 伊藤大藏 49
4．アレルギー性鼻炎 小河原 昇 54
5．急性中耳炎 小河原 昇 57
6．外耳炎 小河原 昇 60
7．扁桃炎 康 勝好 62
8．頚部リンパ節炎 康 勝好 64
9．仮性クループ，喉頭炎 康 勝好 66
10．口内炎 池田正一 69
D．胸部
1．風邪症候群 栗原和幸 72
2．気管支炎，肺炎 栗原和幸 74
3．細気管支炎 栗原和幸 77
4．喘息性気管支炎 栗原和幸 80
5．気管支喘息 栗原和幸 82
6．心不全 康井制洋 88
7．不整脈 康井制洋 91
E．腹部，消化管
1．嘔吐，嘔気 大沼 圭 95
2．腹痛 大沼 圭 101
3．下痢 石河由佳 106
4．便秘 石河由佳 110
5．吐血，下血 石井雅己 114
6．胃・十二指腸潰瘍 石井雅己 117
7．急性膵炎 本多康次郎 120
8．劇症肝炎 奥山伸彦 125
9．A型肝炎 奥山伸彦 129
10．B型肝炎 奥山伸彦 131
11．C型肝炎 奥山伸彦 134
12．尿路感染症 寺島和光 137
佐野克行
13．ネフローゼ症候群 高橋英彦 142
14．急性腎炎症候群 高橋英彦 148
15．慢性糸球体腎炎 高橋英彦 150
F．皮膚，その他
1．熱傷 馬場直子 153
2．湿疹，皮膚炎 馬場直子 157
3．アトピー性皮膚炎 馬場直子 162
4．おむつかぶれ 馬場直子 167
5．水虫（白癬） 馬場直子 169
6．とびひ（伝染性膿痂疹） 馬場直子 171
7．あせものより（乳幼児多発性汗腺膿瘍) 馬場直子 173
8．蕁麻疹 馬場直子 175
9．骨髄炎 奥住成晴 177
II．原因別感染症
A．ウイルス感染症
1．麻疹 石田裕二 184
2．水痘 石田裕二 189
3．帯状疱疹 石田裕二 194
4．風疹 石田裕二 196
5．流行性耳下腺炎 石田裕二 199
6．インフルエンザ 石田裕二 202
7．伝染性紅斑 石田裕二 208
8．手足口病 石田裕二 211
9．サイトメガロウイルス感染症 奥山伸彦 212
10．突発性発疹 奥山伸彦 215
11．単純ヘルペス感染症 奥山伸彦 217
12．EBウイルス感染症 奥山伸彦 219
13．HIV（エイズウイルス）感染症 赤城邦彦 221
14．HTLV-I感染症 大沼 圭 229
B．特殊な感染症
1．クラミジア感染症 奥山伸彦 235
2．レジオネラ感染症 奥山伸彦 237
3．クリプトスポリジウム感染症 奥山伸彦 239
4．MRSA 奥山伸彦 241
III．特異的疾患
1．特発性乳児ビタミンK欠乏症 長尾 大 246
2．DIC 本多康次郎 249
3．血友病 長尾 大 256
4．特発性血小板減少性紫斑病 本多康次郎 259
5．後天性溶血性貧血 康 勝好 262
6．再生不良性貧血 気賀沢寿人 265
7．MDS（myelodysplastic syndrome) 気賀沢寿人 269
8．AML（acute myelomonocytic leukemia） 気賀沢寿人 272
9．ALL（acute lymphocytic leukemia） 気賀沢寿人 277
10．CML（chronic myelocytic leukemia） 気賀沢寿人 281
11．悪性リンパ腫 豊田恭徳 284
12．神経芽腫 豊田恭徳 294
13．骨肉腫 豊田恭徳 300
14．脳腫瘍 関戸謙一 304
15．脳膿瘍 康井制洋 312
16．細菌性心内膜炎 康井制洋 315
17．Hemophagocytic syndrome 豊田恭徳 318
18．Langerhans' cell histiocytosis 豊田恭徳 322
19．川崎病 奥山伸彦 327
20．全身性エリテマトーデス 赤城邦彦 330
21．若年性関節リウマチ 赤城邦彦 334
22．血管性紫斑病，アレルギー性紫斑病 長尾 大 338
23．糖尿病 立花克彦 340
24．低身長 立花克彦 343
25．甲状腺機能低下症 立花克彦 348
26．甲状腺機能亢進症 立花克彦 350
27．尿崩症 立花克彦 352
28．月経過多 是澤光彦 354
治療薬・処置
1．解熱薬 大沼 圭 358
2．鎮痛薬 大沼 圭 361
3．鎮咳薬，去痰薬 栗原和幸 364
4．止痢薬 大沼 圭 371
5．便秘・緩下薬 大沼 圭 374
6．制吐薬 石井雅己 378
7．利尿薬 石井雅己 380
8．抗痙攣薬 岩本弘子 384
9．ビタミン剤 石河由佳 390
10．サイトカイン 康 勝好 398
11．副腎皮質ホルモン 立花克彦 402
12．ステロイドパルス療法 加藤啓輔 409
13．抗生物質 奥山伸彦 412
14．抗ウイルス薬 加藤啓輔 428
15．抗真菌薬 加藤啓輔 442
16．向精神薬とその使い方 田野稔郎 449
17．特殊ミルク 岩本弘子 453
18．IVH 山本 弘 471
19．ガンマグロブリン 奥山伸彦 480
20．輸血療法 気賀沢寿人 483
21．凝固因子製剤 長尾 大 487
22．目薬 伊藤大藏 490
23．軟膏類 馬場直子 496
24．予防接種 赤城邦彦 504
索 引…515