◆ 序
今回，児に関する輸血医学書が上梓されることになりました．1 年程前，福島県立医科大学輸血移植免疫部の大戸斉教授が来られ，「児のみに関する輸血医学の教科書は従来，非常に少ないので，よい本を作りたいと思いますが，手伝って下さい」と申されました．大戸先生は私の生涯の盟友でありますので，快諾させていただきました．今般，小児科，小児外科，産婦人科，NICU，また病院輸血部等で第一線で御活躍の文字通り新進気鋭のこの方面のオーソリティの先生方を網羅して，立派な教科書が完成しました．
大戸先生を改めて御紹介させていただきます．先生は昭和 52（1977）年に福島県立医科大学を卒業され，三井記念病院内科で内科全般を修められました．昭和 54（1979）年，私は当時東京大学病院輸血部長でありましたが，私のところに来られ，「輸血医学を生涯勉強したいので，ここに入れて下さい」といわれました．当時東大輸血部には助手席が 3 つありましたが，皆ふさがっておりました．先生は「無給の研究生でよいのです」といわれ，益々私は感動させられました．しかし間もなく助手になられ，大いに働いて下さいました．
昭和 60（1985）年定年となりました私は，その年に川越市に新設されました埼玉医科大学総合医療センターに招かれて，その中検・輸血部長になりましたが，大戸先生にお願いして，ついて来ていただきました．先生はそのユニークな発想力，果敢な実行力で，輸血医学の多方面に多くの論文を発表され，間もなく母校福島県立医科大学輸血部の教授になり，故郷に錦を飾られることになりました．先生は海外でも高い評価があり，医学誌 Transfusion & Apheresis Science 誌の editor に推薦されておられます．また先生は若い時から母児免疫（赤血球型，HLA 型，HPA 型等）や母児のウイルス感染等新生児の輸血に関する問題を深く研究しておられました．
私は一昨年，中外医学社より 1000 頁を越す「輸血学（改訂第 3 版）」を出しましたが，その中で「産科・小児科の輸血」，「新生児溶血性疾患と母児免疫」という 2 章を大戸先生に書いていただきましたが，両篇で約 30 頁位しか差し上げられませんでした．大戸先生はそれを御執筆になりながら，児の輸血は成人の輸血と全く異なり，しかもその内容は驚く程深遠で，実技も非常に難しく，しかもその先達となるべき教科書もほとんどない．これはなんとかしなければと痛感なさったのが，今回『児の輸血医学の教科書』の上梓を御決意になられた原因ではないかと考えます．その意味で本書が発刊になったことを大いに慶び，著者の先生方に深く感謝するものであります．本書は極めて平易に書いてあり，また実戦的であると存じます．小児科，小児外科，産婦人科，NICU，麻酔科の先生方は勿論，成人への輸血を業務としておられる方々，また血液を供給される日本赤十字社血液センターの方々も一読されることを願って止みません．
埼玉医科大学総合医療センター名誉所長
日本輸血学会名誉会長
遠山 博
◆ 編集にあたって
今般，心から尊敬する恩師である遠山 博日本輸血学会名誉会長のすすめで「小児輸血学」をまとめる栄誉を与えていただき，能力を顧みずお引き受けした．
輸血医学はとくに「不適合」と「感染症」の克服という大きな流れによって発展してきた．Rh 型が母児間不適合妊娠で発見されたように，妊娠はいつも輸血の自然モデルであった．このことは最近妊娠や分娩中に例外なく，母児間で相互に微量の輸血現象が発生していることが証明されたことによって裏付けられた．微量輸血現象によって，同種免疫感作が惹起されることもあれば，逆に胎児抗原に対し生涯免疫寛容にいたる母親もいる．一般の輸血でも同様に相反する免疫現象が起きている．
小児と妊産婦は通常の成人とは免疫学的，生理学的，血液学的に異なる特殊性も有している．輸血を論じる場合，ともすれば通常の成人への輸血が中心になり，小児領域は陰に隠れてしまいがちである．このような特殊性に通じた小児科医，産科医，外科医であっても，輸血を用いる治療を安全に施行する苦労は多く，相談を持ちかけられることも多かった．
日本各地でそれぞれの分野で実際にエキスパートとして活躍しておられる先生方に執筆をお願いできたことは，大変幸いであった．多忙の中で，難しい内容をわかり易く記述していただいた．小児と産科領域の輸血に関することがほぼ全面的にこの 1 冊でわかるように網羅し，各章とも臨床の現場で実際に役立つ情報が詰まっている．臨床現場で輸血治療にかかわる多くの医師や医療スタッフに，小著が役立つことを謙虚に願ってやまない．エビデンスに裏付けられた輸血医療が世界から発信され，その進歩は着実に患者の利益に役立っている．難しい行程ではあるが，小児輸血領域でも日本から貢献できることを願っている．
最後に，浅学の私に輸血医学の深遠さと科学性を教えてくださり，導いていただいた柴田教授，十字教授，前田教授にお礼を申し上げる．努力する楽しみや人の役に立つことの喜びを教えていただいた多くの先輩，知己，同僚，そして陰から支えてくれた家族にも心から感謝したい．
もうすぐ，三春の老齢 1000 年の滝桜が，風雪に生き抜いて今年も見事に咲くことだろう．江戸の昔と同じようにあまたの人々を惹き付け，その心を和ませることだろう．
丙戊（2006 年）弥生に
大戸 斉
目次
1 ◆ 新生児と小児の血液学，生理学，免疫学 ＜高橋幸博＞…1
I．造血機構の発達
II．赤血球系の発達と生理
A．胎児型ヘモグロビン（HbF）と成人型ヘモグロビン（HbA）の生理機能の差異
B．エリスロポエチン
III．白血球
A．好中球
B．リンパ球
C．単球
D．補体
E．その他
IV．止血機構
A．血小板
B．凝固・線溶因子と抗血栓因子
2 ◆ 小児の輸血に関するインフォームドコンセント ＜峯岸正好＞…12
I．社会的背景
II．説明内容
III．宗教上の理由による輸血拒否
IV．新生児におけるインフォームドコンセント
3 ◆ 新生児，乳児，幼児，小児からの採血 ＜石井 勉＞…20
I．消毒
II．採血器具
III．採血法
A．毛細管血採血法
B．静脈血採血法
C．動脈血採血法
IV．合併症・副反応
A．採血時間による全身状態の悪化
B．採血量
C．血管迷走神経反射によるショック
D．血腫形成
4 ◆ 新生児と小児の輸血検査 ＜安田広康 大戸 斉＞…27
I．新生児または 4 カ月未満児の輸血前検査
A．ABO 式血液型検査
B．Rh 式血液型検査
C．不規則抗体検査
D．交差適合試験
E．IgG 抗 A・抗 B 抗体価
II．4 カ月を過ぎた小児への輸血前検査
5 ◆ 新生児領域の輸血…33
5−a．交換輸血 ＜氏家二郎＞…33
I．適応疾患
A．重症黄疸
B．重症感染症
C．播種性血管内凝固
D．高アンモニア血症
E．高カリウム血症
F．多血症
G．重症貧血
II．実施手技
A．採血・輸血ルートと手技
B．使用血液製剤および交換量
III．施行上の注意点
IV．合併症とその予防
A．感染症
B．移植片対宿主病
C．高カリウム血症
D．低カリウム血症
E．マンニトール，アデニン中毒
F．血小板減少症
G．血栓症
H．低体温
I．頭蓋内出血
5−b．赤血球輸血 ＜小山典久＞…43
I．各種赤血球製剤とその特徴
A．人赤血球濃厚液（赤血球 M・A・P「日赤」）
B．人全血液
C．洗浄人赤血球浮遊液（洗浄赤血球「日赤」）
D．合成血（合成血「日赤」）
E．ヘパリン加新鮮血
II．新生児における赤血球輸血の主な適応疾患と輸血の基準
A．ショック
B．貧血
III．新生児・低出生体重児における輸血の適応基準
IV．新生児における赤血球輸血の実際
A．輸血量
B．輸血速度
C．輸血ルート
V．赤血球輸血に際しての注意点
A．輸血前の注意
B．輸血中の注意点
C．輸血後の注意点
VI．同種血輸血回避の試み
A．エリスロポエチン
B．採血量を減らす工夫
C．胎盤から児への血液の移行を促す工夫
D．臍帯血輸血
E．赤血球製剤の小パック化
F．その他
5−c．血小板輸血 ＜白川嘉継＞…69
I．新生児の特徴
II．新生児の血小板減少性疾患
III．血小板輸血の目的
IV．血小板輸血の適応
A．血小板輸血による出血治療
B．血小板輸血による出血予防
V．血小板輸血の方法
A．血小板輸血量
B．血小板輸血方法と速度
VI．注意点
5−d．血漿製剤とアルブミン ＜高橋幸博＞…74
I．新鮮凍結血漿
II．ヒトアルブミン製剤
6 ◆ 血液型（赤血球型）母児不適合妊娠 ＜大戸 斉＞…84
I．母児不適合妊娠の機序
A．発端と歴史
B．胎児血の母体血中への流入
C．母体の免疫反応
D．母親から胎児への抗体能動輸送
E．血液型不適合による新生児溶血性疾患の病態
II．免疫感作の予防
A．Rh グロブリン（Rh IgG）投与による免疫感作予防の歴史
B．Rh IgG の投与法
C．Rh IgG の作用機序
III．ABO 血液型不適合新生児溶血性疾患（ABO−HDN）
A．ABO−HDN の病態
B．ABO−HDN における溶血の機序と検査所見
IV．その他の血液型不適合による新生児溶血性疾患
A．Rh 系
B．その他
7 ◆ 胎児輸血 ＜川俣和弥＞…101
I．胎児輸血の適応
II．胎児貧血の診断
A．羊水穿刺
B．臍帯穿刺
C．超音波診断
III．胎児輸血の実際
A．方法
B．臍帯静脈内輸血
C．胎児腹腔内輸血
IV．胎児輸血の合併症
V．胎児輸血後の児の予後
8 ◆ 新生児同種免疫性血小板減少症と新生児同種免疫性顆粒球減少症 ＜大戸 斉＞…110
I．新生児同種免疫性血小板減少症（NAIT）と新生児同種免疫性血小板減少性紫斑病（NAITP）
A．新生児血小板減少症の頻度と原因
B．NAIT の発症機序
C．NAIT の診断
D．血小板膜上の同種抗原と NAIT
E．日本人妊婦における血小板抗体産生頻度と NAIT 発症頻度
F．妊婦，胎児・新生児の管理と治療
II．新生児同種免疫性顆粒球減少症（NAIN）
A．NAIN の発症原因と頻度
B．NAIN の症状と治療
C．診断
9 ◆ 輸血後 GVHD ＜西郷勝康＞…119
I．臨床像
A．典型例の臨床経過
B．新生児の臨床経過
II．TA−GVHD の歴史
A．TA−GVHD の病態解明
B．本邦での実態調査
C．予防ガイドライン
III．TA−GVHD の発症メカニズム
A．造血幹細胞移植後 GVHD と TA−GVHD
B．HLA の一方向適合
C．リンパ球クローンからの知見
IV．発症の要因
A．血縁者からの輸血
B．新鮮な血液の輸血
C．受血者の要因
V．診断のための検査法
VI．予防
A．適正輸血の推進
B．自己血輸血の推進
C．血縁者からの輸血の回避
D．新鮮血輸血の回避
E．輸血用血液への放射線照射
F．白血球除去フィルター
VII．治療
10 ◆ 小児の自己血輸血 ＜田崎哲典＞…132
I．自己血輸血の歴史
II．小児自己血輸血の利点と欠点，臨床的意義
A．自己血輸血の利点と欠点
B．自己血輸血の臨床的意義
C．自己血輸血の主な評価項目
III．小児自己血輸血ガイドライン
IV．貯血に伴う生理的変化と自己血輸血の流れ
A．採血と生理的変化
B．自己血輸血の流れ
V．小児自己血輸血の主な問題点と対策
A．貯血成功のカギ：インフォームド・コンセントと不穏対策
B．虚血と術前貧血
C．細血管
D．鉄剤の補充
E．貯血中の副作用
F．ウイルスキャリアの貯血
G．長期保存
H．自己血準備量と過剰輸血
I．エリスロポエチン製剤の使用
11 ◆ 小児外科領域の輸血…150
11−a．外科一般手術 ＜内田恵一 上本伸二＞…150
I．予定手術
A．術前の輸血
B．術中の輸血
C．術後の輸血
II．移植手術
A．術前の輸血
B．術中の輸血
C．術後の輸血
III．緊急手術・事故・災害外科時の輸血
IV．合併症を有する患児への輸血
11−b．心臓手術 ＜寺田正次 高梨吉則＞…153
I．体外循環法の基礎と生体への影響
II．体外循環法の実際
A．人工心肺回路
B．人工心肺の充填液
C．充填血液の血液濾過
D．体外循環中の限外濾過
E．体外循環直後の限外濾過
F．回路残血の回収と投与
III．血液製剤の準備
IV．周術期の輸血療法
A．MAP 血
B．新鮮凍結血漿
C．濃厚血小板
V．自己血輸血
A．術前貯血式自己血輸血
B．術前希釈式自己血輸血
C．術中回収式自己血輸血
VI．体外循環における抗凝固剤 -- ヘパリン --
VII．止血のための薬物治療
A．アプロチニン
B．トラネキサム酸
11−c．体外模型人工肺 ECMO ＜茨 聡＞…167
I．ECMO とは
A．呼吸補助（酸素化および二酸化炭素除去）
B．lung rest（患児肺の安静）
C．循環補助
II．適応疾患
A．胎児循環遺残症の原因となる新生児遷延性肺高血圧症をきたす疾患
B．肺の安静化が必要な疾患
C．循環不全症例
III．ECMO の方法
A．V−A 方式
B．A−V 方式
C．V−V 方式
IV．当センターにおける ECMO の実際
A．ECMO システムおよびその準備
B．カニュレーションから運転開始まで
C．ECMO 回路プライミング用血液
D．ECMO 施行中の血液凝固系の管理（抗凝固療法）
E．ECMO 施行中における輸血
F．ECMO 施行中における血液学的合併症
G．その他の管理のポイント
12 ◆ 小児内科領域の輸血…177
12−a．悪性腫瘍 ＜渡辺 新＞…177
I．使用血液
II．HLA 抗原感作
III．適合血の選択
IV．赤血球と血小板の輸血
A．交換輸血
B．赤血球輸血
C．血小板輸血
D．新鮮凍結血漿
V．サイトカイン
A．G−CSF
B．M−CSF
VI．分子標的療法と副反応・血清病
12−b．再生不良性貧血・Diamond−Blackfan 貧血に対する輸血療法 ＜小原 明＞…186
I．造血不全による貧血
II．治療
III．再生不良性貧血，Diamond−Blackfan 貧血に対する赤血球輸血
A．赤血球輸血トリガー値
B．赤血球製剤の選択
C．赤血球輸血トリガー値
D．赤血球輸血による同種免疫
E．赤血球輸血による鉄過剰
IV．再生不良性貧血に対する血小板輸血
A．再生不良性貧血に対する血小板輸血トリガー値
B．濃縮血小板製剤の選択
C．外科処置の際の血小板輸血
V．再生不良性貧血に対する顆粒球輸血
12−c．溶血性貧血 ＜藤井寿一＞…194
I．分類
II．疫学
III．主要症状と診断
IV．治療
12−d．血小板減少症 ＜藤村吉博＞…200
I．発症機序
II．特発性血小板減少性紫斑病
III．血栓性微小血管障害症（TMA）
A．Upshaw−Schulman 症候群
B．血栓性血小板減少性紫斑病
C．溶血性尿毒症症候群
D．その他の TMA
IV．播種性血管内凝固
V．診断のフローチャート
12−e．血友病，von Willebrand 病 ＜嶋 緑倫＞…214
I．血友病
A．血友病治療製剤
B．血友病補充療法の種類
C．インヒビター
II．von Willebrand 病
12−f．その他の先天性出血性疾患 ＜新井盛大＞…218
I．先天性凝固因子欠損症（血友病，von Willebrand 病以外）
A．先天性無フィブリノゲン血症
B．先天性第?Z因子欠損症
C．先天性第?]I因子欠損症
D．先天性第?]III因子欠損症
E．先天性第V因子欠損症
F．先天性第?]因子欠損症
G．先天性プロトロンビン欠損症
II．血小板機能異常症
A．血小板無力症
B．Bernard−Soulier 症候群
12−g．顆粒球輸血 ＜菊田 敦 大戸 斉＞…227
I．顆粒球輸血療法（GTX）の適応
II．顆粒球輸血療法の臨床試験
III．顆粒球採取
A．顆粒球の動員
B．顆粒球採取法
C．ドナーの選択
IV．顆粒球の機能と保存
A．アフェレーシス採取顆粒球
B．バッグ法採取顆粒球
V．顆粒球製剤の投与法
A．投与法
B．受血者の前処置
VI．適正輸血顆粒球数と効果に影響する要因
VII．顆粒球輸血療法の効果判定と中止基準
VIII．有害副反応
A．採取に伴うドナーの副反応
B．GTX に伴う受血者副反応
IX．ガイドライン（案）
12−h．免疫グロブリン療法 ＜長田郁夫 三浦真澄 神崎 晋＞…239
I．免疫グロブリン製剤の種類と特徴
II．IgG の基本構造と機能
III．免疫グロブリン製剤の生体内作用機序
IV．使用適応と使用法
A．感染症，免疫不全
B．自己免疫関連疾患，他
C．特異抗体療法
V．免疫グロブリン製剤使用時における注意事項
13 ◆ 小児造血幹細胞移植の輸血 ＜菊田 敦＞…252
I．同種移植前の輸血
II．同種移植前の輸血検査
A．ドナー検査
B．レシピエント検査
C．不規則抗体陽性
III．移植前処置中の輸血
IV．移植後の輸血
A．血小板輸血の適応
B．赤血球輸血
C．新鮮凍結血漿
D．顆粒球輸血
E．移植後の輸血量に影響する因子
V．血液型不適合移植
A．主不適合時の輸血
B．副不適合時の輸血
C．主／副不適合時の輸血
14 ◆ 小児のアフェレーシス ＜尾形 隆 大戸 斉＞…261
I．治療的アフェレーシスの種類
A．plasmapheresis
B．cytapheresis
II．血液成分分離装置の特徴
A．Cobe Spectra
B．Amicus
C．CS3000 plus
III．アフェレーシス施行前の準備
A．食事と水分
B．麻酔と退屈対策
C．小児全血量
D．モニター類の準備
E．血液加温装置
F．グルコン酸カルシウムの持続点滴
G．血管アクセス
IV．血液プライム
A．適応
B．使用血液
C．操作方法
D．5％アルブミン液を併用する場合
V．アフェレーシスと抗凝固剤
A．ACD 液
B．ヘパリン
VI．患児モニタリング
VII．リンスバック
15 ◆ 白血球除去 ＜有賀裕道 尾形 隆 大戸 斉＞…270
I．白血球除去
A．白血球除去フィルター
B．アフェレーシスによる白血球除去
II．同種免疫
A．同種免疫の機序
B．白血球除去の効果
III．免疫修飾
A．移植への効果
B．腫瘍性疾患への影響
C．術後細菌感染症
IV．白血球を介した感染症
A．サイトメガロウイルス
B．バクテリア
V．輸血後移植片対宿主病（PT−GVHD）の予防
16 ◆ 輸血感染症 ＜大戸 斉＞…277
I．ウイルス
A．輸血後肝炎の減少と現状
B．肝炎ウイルススクリーニング検査
C．核酸増幅検査
D．遡及調査 Look−back study と感染症発症時の対応
E．ヒト免疫不全ウイルス
F．ヒト T リンパ球向性ウイルス−1
G．ヒトパルボウイルス
H．ヘルペスウイルス
I．ウェストナイルウイルス
II．輸血による細菌と原虫感染
A．梅毒
B．エルシニア菌
C．他の細菌混入
D．マラリア
E．その他の原虫感染症
III．プリオン病
A．散発性 CJD と vCJD の違い
B．プリオン蛋白の感染性
C．臓器組織，血液におけるプリオン蛋白存在と白血球除去フィルターの除去効果
D．輸血による vCJD の伝幡
17 ◆ 輸血の副作用と合併症…288
17−a．非溶血性副作用（発熱性副作用，TRALI，アナフィラキシーなど） ＜藤井康彦＞…288
I．非溶血性発熱性副作用（FNHR）
II．輸血関連急性肺障害（TRALI）
III．蕁麻疹
IV．アナフィラキシー反応
V．その他の病態
VI．急性輸血副作用への対応
17−b．不適合輸血 ＜西川健一＞…300
I．赤血球輸血
A．ABO 不適合輸血
B．Rh 不適合輸血
II．血小板輸血
III．血漿輸血
IV．不適合輸血が行われる原因と防止策
18 ◆ 血液浄化療法 ＜服部元史＞…306
I．小児に応用される血液浄化療法の種類
II．血液浄化療法を必要とする小児急性疾患
III．血液浄化療法の目的と各種血液浄化療法の選択
IV．代表的な小児急性疾患と血液浄化療法
A．急性腎不全
B．劇症肝炎，急性肝不全
C．先天性代謝異常症による高アンモニア血症
V．血液浄化療法の実際と実施上の留意点（合併症とその予防）
A．腹膜透析
B．持続的血液濾過，持続的血液透析濾過
C．血漿交換
D．ブラッドアクセス
E．コンソール，血液浄化器，プライミングボリューム
F．抗凝固薬
19 ◆ 小児と新生児の検査値 ＜田中太平＞…316
I．赤血球，骨髄
II．白血球，リンパ球，血小板
III．生化学
IV．免疫グロブリン
V．凝固機能
索引