推薦の序
冠動脈インターベンション(PCI)は大きな転換期にある.薬剤溶出性ステントの出現で長年の懸案であった再狭窄の問題が解決しそうだからである.この難問を克服できれば,臨床導入からおよそ四半世紀でPCIは治療法として完成の域に大きく近づくことになる.新しいデバイスの登場がPCIの進歩であった時代から,手技の洗練,新しい応用の時代へ移ってゆくと思われる.
落合正彦君とは長いつきあいで,彼のPCI経験のスタートで少し手を貸した.これまで多くの臨床現場で若い医師達と出会い,指導し,時には叱ったりもしたが,印象に残る人達も多い.落合君は好奇心が強く,探求心が旺盛であった.そういう人はとかく感覚的であることが多いが,落合君は論理的に理解して本質を素早く見抜くことができる才能を併せ持った数少ない人であった.その落合君がPCIの本を書き上げた.
まず,二点で驚かされた.一人で書いたという点と本のタイトルである.一人で自分の考えをまとめたという本には最近ほとんどお目にかからない.その意欲とエネルギーには圧倒される.単なる好奇心のなせる技ではない.一方,タイトル「その分析と再構成」は医書らしくない.しかし内容を読み進むとタイトルもなるほどと頷けるようになった.「私のPCI」として述べられているものは,漫然したPCI経験の積み重ねの成果ではない.常に自分のPCIを理論的に理解するように努め,構築したイメージに沿って理論に裏打ちされた手技で再現性のある実技を行ってきたことの積み重ねの成果である.数をこなしただけのPCIとは異なる.それでいて非科学的と断りつつ経験則も随所に披露されている.落合君のPCIへの情熱がほとばしるようなモノグラフである.
PCIは新しいデバイスの習熟に精力を費やす時代から,これまでのPCIを再吟味して新しいPCIを展開する時代へ変わりつつある.この時期に,落合君が自らのレシピを示し,次代のPCIに向けてメッセージを発したのは意義深いことと思う.より効果的で安全なPCIに貢献できる書として,本書を推薦したい.
2005年2月
虎の門病院院長 山口 徹
序
それは,ひどく暑い一日だったように記憶している.大学受験を翌年に控えて,何気なく書店に立ち寄った1977年夏のある日,たまたま一冊の新刊が目にとまった.駿台予備学校専任講師・伊藤和夫先生が執筆された“英文解釈教室”(研究社)である.当時は,いわゆる“予備校”の先生が,学習参考書を出版されることは珍しかった.書物の常であると思うが,まず序文を読んでみることにした.“誰でも歩くことはできるが,歩くときの筋肉の動きを説明できる人は少ない.呼吸は生存に必須の要件であるが,そのメカニズムを解明できる人はまれである.生活に必要な活動であればあるほど,その過程は無意識の底に沈んでいる.しかし,これらの生得の活動の場合とはちがって,幼児期を過ぎてからの外国語学習では,意識の底にやがては定着し知らず知らずに働くことになる頭の動きを一度は自覚し,組織的に学習することが必要である”という,およそ学習参考書らしからぬ文章で始まっていた.
帰宅するやいなや,文字通り寝食を忘れて読みふけった.筆者が中学・高校で受けてきた英語教育は,単語・熟語を記憶させられた後は,文法と称しても,“so...that=非常に…ので”といった“公式”に代表されるように,それは,ある英語の表現を,単純に該当する日本語に置換する操作にすぎなかった.しかし,伊藤先生の書かれていた内容はまったく異なっていた.まさに異次元の世界であった.例えば,英語には,S+V+O+Cと称される第五文型という形がある.まず,どのように頭を働かせれば,その英文が第五文型であると認知可能か,そこから伊藤先生は論を展開されていた.さらに,第五文型であるとすれば,O+Cの間には,内容的に主語・述語の関係が隠れており,いわばS+Vのつもりで日本語に訳出する必要がある,といった具合である.2日間ほどでざっと読了できたが,それは,40代も半ばを過ぎた今日に至るまで,筆者の半生における最大の科学的かつ知的衝撃である.事象の背後にあって通常は目にとまらない共通の本質,コンポーネントを認識し,かつ分析する.もちろん,どうすればそれらを認知可能となるか,そのプロセスもしっかり形而上に意識できなくてはならない.あとは,自在に複合,再構成して新しい何かを創造する,問題の解決にあたるべきものと理解された.この,分析と再構成を主体とする方法論は,あらゆることに応用可能であった.英語だけでなく,数学や物理もこの方法論に従って学習することにより,面白いように問題が解けるようになったことが頭に残っている.なお,誠に残念ながら,伊藤先生は数年前に他界された.謹んで御冥福をお祈りしたい.
臨床研修医の2年目,三井記念病院にお世話になったとき,生涯の恩師である山口徹先生に出会った.現在とは比較にならない旧式のデバイスで,果敢に虚血性心疾患に立ち向かわれ,すばらしい成績をあげられていた山口先生の冠動脈形成術(PCI)に接し,ひとかたならぬ感動を抱き,同じ道を志した.浅学菲才の身である筆者を長年にわたって御指導くださった山口先生に,まず,深甚の謝意を呈する次第である.
やがて,種々の医療機器を術者が駆使して行うPCIこそは,数ある医療行為の中で,伊藤先生から教えていただいた分析と再構成という方法論がもっとも有効に機能する分野ではないかと認識するようになった.事実,筆者は常にそうした眼でPCIというものを観察し,治療戦略を決定し,手技を行ってきた.伊藤先生の足下には及ばないまでも,いつかは同じような,分析と再構成を中心にした書物を出版したいと思っていたところに,たまたま中外医学社からお話をいただき,実現の運びとなった.執筆がなかなか進まず,多大な御迷惑をおかけしてしまった担当の小川孝志氏,上村裕也氏にお詫びとお礼を申し上げたい.
前任地の帝京大学医学部付属病院においては,上司であった一色高明先生に,早い時期から独り立ちした術者としてPCIを施行することを認めていただいた.現職である昭和大学横浜市北部病院に移った後,昭和大学医学部長・片桐敬先生,昭和大学横浜市北部病院長・田口進先生からは貴重な御助言を賜った.現教室員である小原千明・岡林宏明・緒方信彦・荒木浩・芦田和博の各先生方,ならびに佐藤久弥診療放射線技師をはじめとする心臓カテーテル検査室コメディカルスタッフの皆様には一方ならぬお世話になった.また,ライブデモンストレーションの開催などは,関係各企業の御協力があってこそ可能であった.改めてこれまでの御支援に深謝したい.
また,最後になりますが,結婚以来二十年間,筆者の伴侶として共に人生を歩んでくれた妻の友子に感謝します.彼女の献身なしには本書は存在し得なかったでしょう.
2005年2月7日
ニューヨーク・2nd International CTO Summitより帰国する機内にて
落合正彦
(註)本書では,多数のPCI症例を提示しています.その中には,筆者が海外の病院で施行したものも含まれています.使用したデバイスとして,本邦での未承認品の名称が少なからず記載されているのはそのためです.また,一冊の書物を執筆する間には,数多くの新製品が使用可能となります.特に,この半年間は,薬剤溶出性ステント(Cypher)やトルナスなど,いくつかの画期的新製品が認可されました.できるだけ,本書の記載は,そうした新製品を踏まえた最新のものにしようと努めましたが,完全にはもちろん不可能です.御理解のほど,よろしく御願いします.
目次
1章 総論 1
1.PCIの目的と筆者のスタンス 1
2.技術を向上するには 3
2章 手技を円滑に行うためのカテーテル室での準備 6
1.器機の準備 6
1.視線をなるべく動かさないようなモニターの配置 6
2.カテーテル台の上を flat にする 7
3.パーフュージョンバルーンと心嚢穿刺キット 8
4.Y コネクター 8
5.ガーゼを濡らしておくための小容器 8
2.前投薬 9
3章 ガイドカテーテルの選択と操作 11
1.ガイドカテーテルの選択に際する留意点 11
2.サイズ 11
1.6Fr 12
2.7Fr 13
3.8Fr 13
4.5Fr 14
3.シャフトの性状 14
4.形状 16
5.push testの有用性 17
6.ガイドカテーテルの交換 18
4章 ワイヤの選択と操作 20
1.ワイヤの種類とその特性 20
1.汎用品 21
2.サポートワイヤ 22
3.stiffワイヤ 22
4.ロータブレータ用ワイヤ 22
5.プラスチックワイヤ 22
2.ワイヤ先端の曲げ方 23
1.曲げの角度と大きさについての原則(1):
ガイドカテーテルの方向と病変の位置 23
2.曲げの角度と大きさについての原則(2):
狭窄によるカーブの伸展と狭窄出口付近の側枝による影響 24
3.曲げの作り方 25
3.ワイヤ操作の基本概念 25
1.回転させながら狙いをつけて押し・引きする 26
2.高速に回転させて進める 26
3.先端を反転させ,ループを作って進める 27
4.ワイヤ操作の実際 27
1.非CTOでのワイヤ操作 27
2.CTOでのワイヤ操作 27
5.マイクロカテーテルの応用 28
1.ワイヤを交換する 29
2.ワイヤで複雑病変をクロスする 29
3.ワイヤを屈曲血管末梢まで進める 29
4.側枝にワイヤを挿入する 29
5.対側造影に用いる 29
6.マイクロカテーテルの抜去方法(南都法) 32
6.特殊なテクニック 32
1.パラレルワイヤテクニック 32
2.ダミーワイヤテクニック 35
3.フローティングワイヤテクニック 35
7.症例 35
5章 バルーンの選択と操作 39
1.バルーンの種類とその特性 39
1.通過性 39
2.耐圧性 40
3.プロファイル 41
4.リラップ 41
5.ワイヤムーブメント 41
2.バルーンの操作法 41
1.SOEバルーンの操作法 41
2.OTWバルーンの操作法 42
3.バルーン通過困難例に対する対応 43
1.バイブレーションをかけながら操作する 43
2.いったん拡張し,deflateする瞬間にバルーンを押す 43
3.ガイドカテーテルを交換する 43
4.anchoringを用いる 43
5.親子カテーテルを使用する 45
6.ロータブレータやトルナスなどの特殊デバイスを使用する 47
6章 冠動脈ステントの選択と操作 48
1.冠動脈ステントの種類とその選択 48
1.balloon-expandableかself-expandableか? 48
2.coilかtube か? 48
3.ステントの選択に影響を及ぼす種々の機械的特性 49
4.bare metalかdrug elutingか? 51
2.DESがPCIに与えたインパクト 51
1.慢性期の結果を施術時に予想できるようになった 51
2.ステント植え込みの手技がより安全になった 52
3.CTOに対するPCIの重要性がより高まった 53
4.分岐部病変に対するDESならではの使用法が提案された 53
5.DESに残された問題点 56
4.そして,心臓外科医の役割は? 57
3.ステント植え込みに際しての技術的な諸問題 58
1.ガイドカテーテルの選択 58
2.direct stentingの適応について 58
3.前拡張してのステントの植え込み 59
4.位置決めに際しての工夫 59
5. 前拡張時に使用したバルーンに対する抵抗感の把握 60
4.delivery困難例への対応 60
1.まず,無理をしてステントを押さない 60
2.ワイヤを引きながらステントを進めてみる 61
3.buddy wire 61
4.deep engagement 61
5.ロータブレータ 61
6.cutting balloon 63
5.ステントの拡張 63
6.脱落への対応 64
7章 TRI(trans-radial coronary intervention) 65
1.術前の準備 65
1.カテーテル室に入るまでの準備 65
2.右TRIか左TRIか? 66
3.上肢の位置 67
2.橈骨動脈の解剖学的異常 68
1.シース挿入までに遭遇する解剖学的異常 68
2.上行大動脈までのガイドカテーテル挿入中に
遭遇する解剖学的異常 69
3.tourtuous brachiocephalic trunk 72
3.右TRIにおけるガイドカテーテルの選択と操作 74
1.LAD 75
2.LCx 76
3.RCA 77
4.左TRIにおける諸問題 80
5.ステント持ち込み困難例への対応 81
1.deep engagementによるactive back-upの取り方 81
2.RCA左Valsalva洞起枝 84
3.double orifice LCA: dummy wire technique
を用いたガイドカテーテルの移し変え 90
4.合併症 90
8章 ロータブレータ 91
1.適応とburrサイズの選択 91
1.適応 91
2.burrサイズの選び方 93
2.手技の実際 96
1.ガイドカテーテルの選択 96
2.前処置 98
3.ロータブレータ用ワイヤの選択 98
4.回転数の調整 98
5.platformの設定と冠動脈内へのburrの持ち込み 98
6.ablationの実際 99
7.ロータブレータ用ワイヤの再交換 99
8.platformの移動 99
3.合併症 100
1.順行性冠血流の消失 100
2.側枝閉塞 100
3.冠動脈穿孔 101
4.通過不能 101
5.burrのstuck 103
9章 DCA(directional coronary atherectomy) 104
1.適応 104
2.デバイスの選択 105
1.アプローチとシースの選択 105
2.ガイドカテーテルの選択 105
3.ワイヤの選択 107
4.インデフレータ 107
5.Y コネクター 108
3.IVUS読影の基本 108
1.side-branch法 108
2.wire bias法 109
3.inter-relation 110
4.血管径の測定と最終加圧の予測 111
5.長軸方向でのplaque分布の把握 112
6.石灰化の評価 113
7.work viewにおけるCAG・IVUS所見の統合 113
4.DCAの実際 113
1.Flexi-cutの挿入 113
2.病変のクロス 114
3.テストカット 116
4.本格的なplaqueの切除 117
5.エンドポイント 118
5.合併症 119
1.冠動脈穿孔 119
2.側枝閉塞 119
3.末梢塞栓 122
4.切除不能 122
5.ワイヤ断裂 123
6.解離 123
10章 分岐部病変(bifurcation lesion) 124
1.分岐部病変の定義とPCI戦略 124
1.分岐部病変の定義とplaque分布 124
2. PCIのendpoint 125
2.定型的なbifurcation stenting 125
1.ガイドカテーテルの選択と挿入 127
2.ワイヤクロス 128
3.前拡張 128
4.ステント植え込み 128
5.ストラットのリクロスと拡張 129
6.kissing inflation 130
3.bifurcation stentingに対する論理的考察 131
1.ワイヤ先端のカーブと操作 131
2.ステント植え込みに際して
側枝にワイヤをjailさせることの意義 131
3.ステントストラットへのワイヤの通過方法 132
4.ステントストラットへのバルーンの通過と拡張 133
5.kissing inflationの意義 134
6.kissing inflationにおけるバルーン径 136
4.3.0mm以上の側枝を有する分岐部病変に
対するbifurcation stenting 137
11章 非保護左主幹部病変
(non-protected left main trunk) 138
1.非保護左主幹部病変の特徴 138
2.灌流域とIABPサポート 139
3.病変部位とPCI戦略 140
1.入口部(aorto-ostial) 141
2.体部(body) 142
3.分岐部(bifurcation) 142
4.デバイスの選択と手技の留意点 149
1.ガイドカテーテル 149
2.アプローチ 153
3.ワイヤ 154
4.バルーン 154
5.ステント 154
6.IVUS 154
7.DCA 154
8.ロータブレータ 155
5.follow-up 155
12章 慢性完全閉塞(CTO: chronic total occlusion) 156
1.CTOの病理学的構造とPCI戦略 156
2.CTOに対するワイヤリング概念の変化
−“Drilling Strategy”から“Penetration Strategy”へ 160
1.CAG所見の把握 161
2.ガイドカテーテルの選択と挿入 161
3.ワイヤの選択と操作 161
4.proximal fibrous capの穿通 161
5.CTO内でのワイヤ操作とdistal fibrous capの穿通 162
6.バルーンなどによる拡張 162
3.CAG所見の把握と血管走行の予測 162
1.ante-grade channelかbridge collateralか? 162
2.パターン認識による冠動脈走行の予測 163
3.血管走行を予想するための手がかり 169
4.single planeかbi-planeか? 175
4.ガイドカテーテルの選択と挿入 176
1.ガイドカテーテルが満たすべき要件 178
2.LADに対するガイドカテーテル 180
3.LCxに対するガイドカテーテル 181
4.RCAに対するガイドカテーテル 181
5.冠動脈近位部非CTO病変の処理 184
6.対側造影用診断カテーテルとの“干渉” 185
7.先端造影について 188
5.ワイヤの選択と基本的操作法 189
1.ワイヤの種類とその特長 189
2.bare wire 法かover-the-wire(OTW)法か? 192
3.ワイヤをどう曲げるか?−double bend 法− 193
4.基本的操作法 196
6.proximal fibrous capの穿通 197
1.proximal fibrous capまでの道のり 197
2.tapered typeにおけるproximal fibrous capの穿通 198
3.側枝分岐部でのabrupt typeにおける
proximal fibrous capの穿通 200
4.side branch occlusion technique 204
5.proximal fibrous cap穿通困難例におけるその後のワイヤ選択 207
7.CTO内でのワイヤ操作とdistal fibrous capの穿通部位 208
1.CTO内でのワイヤ操作 208
2.distal fibrous capの至適穿通部位 209
8.parallel wire technique 211
1.概念 211
2.方法 1: マイクロカテーテル 1 本で行う方法 212
3.方法 2: マイクロカテーテル 2 本で行う方法
(seesaw wire technique) 213
4.distal fibrous capの穿通における基本形 214
5.標準的なワイヤの選択 216
6.特殊なワイヤの選択 その1: プラスチックワイヤとのコンビネーション 220
7.特殊なワイヤの選択 その2: 逆行性ワイヤリング 220
8.parallel wire techniqueのpit fall 224
9.side branch technique 228
1.概念 228
2.parallel wire techniqueのside branch techniqueへの応用 231
10.バルーン不通過例における対処の方法 232
1.anchoring 233
2.ロータブレータの使用 233
3.トルナスの使用 236
4.汎用品ワイヤへの変更 239
5.parallel wire techniqueによるlumenの拡大 242
11.ステントの植え込みとdebulking 242
1.1.5mmバルーンによる拡張とIVUS 242
2.ロータブレータ 243
3.ステントサイズ・ステント長の選択とshrinkageの関与 243
12.CTOへのPCIをいつ中止するか? 244
1.造影剤 244
2.透視時間あるいは被曝線量 245
3.遠位部冠動脈の造影性 245
4.術者側の精神的・肉体的疲労 246
13.ワイヤの穿通力とsub-intimal spaceへの
先端迷入の関係について 246
14.トルナスを用いた新しいワイヤリング手法 249
1.back-upサポートの増強 249
2.CTO後の屈曲に対応するためのワイヤ交換 251
3.side branch techniqueへの応用 253
4.sub-intimal space内からの遠位部冠動脈近位端へのre-entry形成 253
15.トルナス不通過病変への対処法 257
16.脂肪片を用いた冠動脈塞栓術 263
13章 急性心筋梗塞(AMI: acute myocardial infarction) 264
1.AMIに対するPCIの特殊性 264
1.AMIに対するPCIの基本概念 264
2.梗塞責任病変に対するprimary PCIの適応 264
2.緊急CAGにいたるまでの過程 265
1.前投薬 265
2.アプローチと補助循環装置 265
3.緊急CAGの手順とポイント 266
3.primary PCIの実際 266
1.ガイドカテーテルの選択 266
2.病変のクロス 267
3.血栓の処理 267
4.distal protection deviceの使用 270
5.ステントの植え込み 270
4.心不全合併例の非梗塞責任病変をどうするか? 272
5.PCI後の薬物療法とリハビリテーション 275
14章 合併症とその対応 276
1.冠動脈解離と冠動脈内血腫 276
1.冠動脈解離 276
2.冠動脈内血腫を疑う状況 282
3.冠動脈内血腫の確認 283
4.冠動脈内血腫への対処法 287
2.no(slow)flow 289
1.no(slow)flowの予測とdistal protection 289
2.PercuSurgeの使用法 289
3.no(slow)flowが生じた場合の対応 290
4.no flowと冠動脈解離・冠動脈内血腫の鑑別 291
3.冠動脈穿孔 291
1.heparin reverse の適否 291
2.ワイヤによる冠動脈末梢の穿孔: 予防とそのマネージメント 293
3.拡張操作に伴う冠動脈体部の穿孔: IVUS所見からみた予防法 293
4.拡張操作に伴う冠動脈体部の穿孔: 特にblow-out typeのマネージメント 295
あとがき および 索引へのまえおき 301
索引 302