近年の医学の進歩は何と言っても分子生物学の進歩で,これにより種々の疾患ないし病態の本態の解明が進んできた.現在では,多くの専門領域で,実験室内での進歩や知識から,臨床現場での診断,病因および病態の基本メカニズム理解,病態進行の理解,予後判定,治療ターゲットの絞込み(テーラーメイド医療)などにおける必須の知識となりつつある.この流れは,従来,ややもすれば形態学や生理学に重きが置かれてきた循環器病学および循環器医療の中にも急速に入り込み,今やこの領域でも分子生物学的知識抜きの診療は考えられないようになってきている.
 循環器領域と一口に言っても,成人循環器内科,心臓血管外科,循環器小児科,近年では老年循環器病学,胎生期心臓病学,循環器疾患遺伝学,と多岐に亘り,更に,それぞれに,心臓,大小血管,それを取り巻く種々の生体反応などを対象とした,微細解剖学,微細生理学,分子生物学的知見を基礎においた病態理解や治療などがある.一方で,循環器疾患の1次及び2次予防医学も重要性を増している.
 本巻では,冒頭に「循環器の生物学」として,分子細胞レベルでの最近の進歩を纏めた.次いで,「疾患の病因と病態」の項では,将来の治療ないし疾病予防に結びつくような病因と病態を纏めた.そして「診断と治療」の項目では,それぞれ,近年実践されている新しい診断法,治療戦略の現状と問題点を,各病態,専門領域別に,纏めた.この中に,日本循環器学会の禁煙ガイドラインに基づくレビュー,日本高血圧学会による治療ガイドラインの解説,わが国におけるアルドステロン拮抗薬の大規模介入試験の解説,日本人の慢性心不全についての見解,わが国特有の学校心臓検診における最近の話題など,日本人特有の問題やわが国におけるスタンダードが示されている.これらの章は,従来欧米のデータの輸入から組み立てる傾向にあったわが国の循環器病医療の新しい動きを示すもので,極めて価値の高いものと考える.
 このAnnual Review循環器シリーズは,その時代時代のもっとも新しい循環器領域の学問および医療実践の流れを反映させ,多くの読者に読まれてきた.本年,日本循環器学会の循環器用語集が改訂されるが,語彙収集の元本として「Annual Review循環器」が採用されたことは,正に,本シリーズが循環器領域のわが国における一つのスタンダードな刊行物と認知されるようになっていることを示すものである.本誌「Annual Review循環器2006」も,多くの読者に読まれ,その方々の今後の研究の方向付けや実地診療の手助けになれば,編者として望外の喜びである.

2005年12月
編者一同


[編集者]

矢崎義雄   山口 徹
高本眞一   中澤 誠

[執筆者]

栗原裕基   栗原由紀子  西山功一
南野 徹   伊藤 宏   高野博之
小室一成   矢野雅文   山岸敬幸
山岸千尋   堀江 稔   赤澤 宏
小室一成   曽根正勝   伊藤 裕
中尾一和   前村浩二   伊藤 浩
森 善樹   井手友美   筒井裕之
小林欣夫   姫野和家子  赤木禎治
岡田知雄   水口 剛   松本直通
中尾睦宏   久保木富房  澤城大悟
鈴木 亨   山崎 努   永井良三
横山光宏   佐久間 肇  浅田健一
竹中 克   飯田真美   藤原久義
上妻 謙   横山貴之   代田浩之
阿部弘太郎  毛利正博   下川宏明
松本晃裕   百村伸一   中田智明
吉村道博   川合明彦   熊谷浩一郎
庄田守男   井上 博   副島京子
鎌倉史郎   牛ノ濱大也  品川弥人
和泉 徹   橋本重正   野出孝一
安東克之   藤田敏郎   小島太郎
大内尉義   桑島 巌   高橋敦彦
久代登志男  甲谷友幸   苅尾七臣
木村玄次郎  吉永正夫   長嶋正實
鮎沢 衛   近藤千里   立石 実
須田憲治   中西敏雄   新沼廣幸
川副浩平   数井暉久   鷲山直己
川人宏次   鈴木智裕   高橋将文
吉岡 徹   池田宇一


目次

I.循環器の生物学
 1.心血管幹細胞の分子生物学  <栗原裕基 栗原由紀子 西山功一>…1
   幹細胞とは何か
   個体発生において,幹細胞システムはどのように使われているのか
   幹細胞研究の動向  心血管系の発生
   血管内皮前駆細胞の概念の登場とインパクト
   Anversa論争─骨髄細胞は心筋に分化するのか
   心臓に内在する幹細胞  幹細胞と心血管再生
 2.心血管細胞の老化  <南野 徹>…8
   動脈硬化巣における血管細胞老化  テロメア機能不全による血管機能障害
   テロメア依存性細胞老化と動脈硬化  テロメア非依存性の細胞老化の関与
   細胞老化シグナルと個体の老化  インスリンシグナルと老化
   血管新生・血管内皮前駆細胞と細胞老化  血管におけるテロメレース活性
   心疾患と細胞老化
 3.心筋細胞の細胞周期  <伊藤 宏>…16
   細胞周期の基礎  心筋細胞は増殖できる  心筋細胞における細胞周期
   細胞周期制御因子による心筋再生  心肥大と細胞周期制御因子
 4.造血系サイトカインの心臓に及ぼす作用  <高野博之 小室一成>…20
   造血系サイトカイン  G-CSFの作用  EPOの作用
 5.リアノジン受容体と心筋収縮  <矢野雅文>…29
   リアノジン受容体とE-C coupling  リアノジン受容体の構造
   リアノジン受容体とFKBP12.6の連関とその異常
   リアノジン受容体の突然変異
 6.二次心臓形成領域(secondary heart field)  <山岸敬幸 山岸千尋>…36
   Isl1  Mef2c  Foxh1  Tbx20  Tbx1
   まとめ「二次心臓形成領域の概念と分子機構」
 7.不整脈領域におけるチャネル病  <堀江 稔>…44
   QT延長症候群  SCN5A遺伝子異常とBrugada症候群
   カテコラミン誘発性多形性心室頻拍 catecholaminergic polymorphic ventri-cular tachycardia(CPVT)
   催不整脈性右室心筋症  QT短縮症候群 short QT syndrome(SQTS)

II.疾患の病因と病態
 1.AT1受容体とinverse agonist  <赤澤 宏 小室一成>…51
   インバースアゴニスト  AT1受容体の自律活性とインバースアゴニスト
   AT1受容体の活性型変異体とインバースアゴニスト
   メカニカルストレスによるAT1受容体の活性化とインバースアゴニスト
   インバースアゴニスト活性によるARBの差別化
   AT1受容体の活性化による構造変化
 2.ヒトES細胞を用いた再生医療  <曽根正勝 伊藤 裕 中尾一和>…59
   ヒトES細胞の維持培養法の進歩
   ヒトES細胞から種々の細胞系統への分化誘導
   ヒトES細胞の再生治療への応用の問題点
 3.血管炎症とARB  <前村浩二>…64
   炎症と血管イベント  アンジオテンシンIIと血管炎症
   ARBを用いた臨床スタディ  ARBによる抗血管炎症作用のメカニズム
   血管以外でのARBの抗炎症作用
 4.再灌流と微小循環障害  <伊藤 浩>…72
   冠微小循環の生理  冠微小循環障害の機序  冠微小循環障害の診断法
   冠微小循環障害の規定因子  治療
 5.チアノーゼ性心疾患とVEGF  <森 善樹>…79
   チアノーゼ性心疾患と血中VEGF濃度
   チアノーゼ性心疾患で血中VEGF濃度が高い原因
   チアノーゼ性心疾患で血中VEGFが高値を示す臨床的意義
 6.心不全における酸化ストレスの関与  <井手友美 筒井裕之>…84
   酸化ストレスの産生源 ミトコンドリアDNAの低下と酸化ストレスの産生
   ミトコンドリアDNAとトランスクリプションファクターA
   心不全と一酸化窒素(NO)  レドックス制御をターゲットとした心不全治療
 7.薬剤溶出性ステント(DES)による再狭窄抑制機序  <小林欣夫>…90
   薬剤溶出性ステントの基本構造  ステント内再狭窄の機序
   mTOR(mammalian target of rapamycin)
   細胞増殖のコントロール─G1からS期への移行の制御(G1チェックポイント)
   mTORによる蛋白合成のコントロール  シロリムス  インスリンとmTOR
   ポリマー  ステント(ステントプラットフォーム)  late catch-up
 8.成人先天性心疾患におけるBNPの意義  <姫野和家子 赤木禎治>…98
   成人領域における先天性心疾患の位置づけ  Na利尿ペプチド
   先天性心疾患におけるBNP  成人先天性心疾患診療におけるBNPの役割
 9.小児期からのメタボリックシンドローム  <岡田知雄>…104
   小児肥満症の判定基準とその背景  小児肥満症の診断
   小児のメタボリックシンドロームの基準値について
   小児のメタボリックシンドロームへの介入
 10.Marfan症候群の新しい遺伝子  <水口 剛 松本直通>…109
   はじめに  FBN1遺伝子の異常  Marfan症候群とTGF-βシグナル系
   TGFBR2遺伝子の異常  MFS,MFS2とLDAS
   結合織疾患とTGF-βシグナル
 11.うつ病と循環器疾患  <中尾睦宏 久保木富房>…115
   CVDリスクとしてのうつ病
   視床下部-下垂体-副腎皮質/交感神経-副腎髄質系の亢進
   凝固系機能の亢進  心拍変動の調整不全  炎症性変化
   ストレスとライフスタイル  将来の研究の方向性
 12.循環器疾患におけるバイオインフォマティクス
            <澤城大悟 鈴木 亨 山崎 努 永井良三>…121
   クリニカルバイオインフォマティクス  循環器疾患についてのデータベース
   各種循環器関連疾患・病態での遺伝子・遺伝子発現解析の状況

III.診断と治療─最近の進歩
 A.虚血性心疾患
 1.急性冠症候群とバイオマーカー  <横山光宏>…127
   急性冠症候群の病因,病態  急性冠症候群とバイオマーカー
 2.MRIによる冠動脈病変の描出  <佐久間 肇>…131
   冠動脈MRAの進歩  冠動脈MRAとマルチスライスCT
   whole heart coronary MRA  高磁場(3テスラ)MR装置による冠動脈MRA
   MRIによる冠動脈プラークの診断
 3.Tissue Strain Imagingによる局所心筋機能評価
            <浅田健一 竹中 克>…136
   ストレインの概念と求め方  ストレインによる虚血の診断
   負荷心エコーにおけるストレインの応用
 4.循環器疾患における喫煙のリスクと対策  <飯田真美 藤原久義>…141
   タバコ煙と動脈硬化の促進・血栓閉塞性疾患
   循環器疾患における能動喫煙および受動喫煙のリスク
   循環器疾患における禁煙の効果
   循環器疾患ガイドラインにおける禁煙の位置づけ
 5.薬剤溶出ステントの臨床効果と予後  <上妻 謙>…148
   はじめに 冠動脈インターベンションにおける薬剤溶出ステントの位置づけ
   薬剤溶出ステントの基本構造
   我が国で使用できる薬剤溶出ステントの臨床効果
   シロリムス溶出ステントに残された問題点
   DESを使用した患者の長期予後  他の薬剤を使用したDES
 6.急性冠症候群とスタチン  <横山貴之 代田浩之>…156
   大規模臨床試験
   臨床試験のサブアナリシスからみるスタチンのpleiotropic effect
 7.女性の狭心症  <阿部弘太郎 毛利正博 下川宏明>…164
   女性の虚血性心疾患の特徴  エストロゲンの心血管に対する作用
   微小血管狭心症  女性の虚血性心疾患のリスクファクター
   ホルモン補充療法 hormone replacement therapy(HRT)
 8.心臓リハビリテーション(心筋梗塞後,術後)  <松本晃裕>…169
   心リハの効果  AMI後のリハビリテーション
   開心術後のリハビリテーション: 主にCABG後の症例  運動療法の方法
   レジスタンストレーニング  心リハの参加率,コンプライアンス
   今後の課題
 B.心不全
 1.日本人における慢性心不全の特徴とそれに基づく治療戦略
            <百村伸一>…182
   予後  心不全の原因疾患について  拡張不全,収縮機能正常の心不全
   日本人に適した心不全治療戦略  薬物治療に対する感受性・忍容性の違い
   日本人におけるエビデンスの蓄積の重要性
 2.心不全治療における心臓交感神経活性の評価  <中田智明>…188
   心臓交感神経イメージング  心不全の薬物治療と心臓交感神経機能
   心臓突然死の予測とICD治療
 3.アルドステロン拮抗薬の大規模介入試験  <吉村道博>…194
   スピロノラクトンを用いた慢性心不全の大規模臨床試験: RALES
   エプレレノンを用いた急性心筋梗塞の臨床大規模試験: EPHESUS
   エプレレノンを用いた心肥大に対する大規模臨床試験: 4E
   rales,ephesus,4Eのポイント  アルドステロン拮抗薬の作用機序
 4.植込み型補助人工心臓によるDestination Therapy  <川合明彦>…199
   補助人工心臓の開発  REMATCH study
   destination therapyに用いるLVADの条件  Novacor LVASィの臨床実績
   Jarvik 2000ィの臨床成績  適応
 C.不整脈
 1.心房細動に対するARB/ACEIによるリモデリング抑止効果
            <熊谷浩一郎>…203
   心房細動のアップストリーム治療  AFの開始機序
   心房のリモデリングとACEI/ARB
 2.心房細動アブレーション治療の適応と問題点  <庄田守男>…208
   はじめに  心房細動アブレーションの問題点: 合併症
   心房細動アブレーションの問題点: 方法論の変遷
   心房細動アブレーションの適応を考える
   適応は守られているか?  これからの適応
 3.Brugada症候群の臨床  <井上 博>…215
   Brugada症候群の臨床像  心電図所見  疑わしい例の診断
   Brugada型心電図波形の出現頻度  電気生理検査の意義
   予後  治療方針
 4.心外膜アプローチによる心室頻拍のアブレーション  <副島京子>…223
   方法  心外膜側VTの予測  心外膜癒着のある患者へのアプローチ
 5.植込み型除細動器治療の現状と将来  <鎌倉史郎>…227
   ICDの有用性  ICDの作動状況  日本におけるICD植込み適応の動向
 6.小児不整脈に対する非薬物治療  <牛ノ濱大也>…232
   小児カテーテルアブレーションの適応
   小児カテーテルアブレーションの現状と問題点
   ペースメーカー治療と問題点  心不全に対するペースメーカー治療
   小児に対する植え込み型徐細動器
 D.心筋症
 1.急性・劇症型心筋炎の新しい診断・治療ガイドライン
            <品川弥人 和泉 徹>…239
   診断  治療  劇症型心筋炎について
 2.拡張型心筋症のスタチン療法  <橋本重正 野出孝一>…245
   臨床研究にみるスタチンの心不全治療薬としての効果
   心不全の病態生理におけるスタチンの効果
 E.高血圧・肺高血圧症
 1.高血圧治療ガイドライン2004  <安東克之 藤田敏郎>…251
   高血圧治療ガイドライン2004の特徴  血圧分類
   家庭血圧測定ならびに24時間血圧測定
   危険因子・臓器障害・心血管病の評価とリスクの層別化
   生活習慣の修正  降圧薬治療
 2.高齢者高血圧の治療  <小島太郎 大内尉義>…257
   高齢者高血圧の概念・特徴  高血圧治療ガイドライン2004(JSH 2004)
   安全な降圧療法のために
 3.仮面高血圧・早朝高血圧の臨床的意義  <桑島 巌>…262
   仮面高血圧の定義と頻度  仮面高血圧と臓器障害
   仮面高血圧の長期予後  高血圧をマスクするもの: 早朝高血圧も含めて
   未治療症例における仮面高血圧  降圧薬服薬例にみられる仮面高血圧
 4.β遮断薬の降圧薬としての意義  <高橋敦彦 久代登志男>…271
   β受容体の種類,分類,降圧機序
   最新の高血圧ガイドラインにおけるβ遮断薬の位置づけ
   新しい介入研究におけるβ遮断薬
 5.睡眠時無呼吸症候群と高血圧治療  <甲谷友幸 苅尾七臣>…280
   疫学  睡眠時無呼吸とメタボリックシンドローム
   睡眠時無呼吸の昇圧メカニズム  睡眠時無呼吸と血圧変動のサブタイプ
   睡眠時無呼吸と早朝高血圧  睡眠時無呼吸症候群と白衣高血圧
   睡眠時無呼吸症候群を合併した高血圧の治療
 6.腎動脈狭窄に対するカテーテル治療  <木村玄次郎>…288
   腎動脈狭窄の臨床を考える上での基本的問題点
   臨床的に疑うことが診断の最重要ステップ
   腎動脈狭窄が血行動態上,機能的に有意か否かを判定する方法
   内科的保存療法か血行再建か  PTRA後の再狭窄と合併症
 F.先天性心疾患
 1.学校心臓検診2006  <吉永正夫>…295
   学校心臓検診の現状  日本における突然死の頻度
   外国での心臓突然死頻度と予防法─勧告と実情
   米国での運動選手の費用対効果の検討
   日本の学校心臓検診のcost effectiveness
   学校心臓検診に関する最近の話題  今後の対策
 2.学校生活管理指導表の意図と使い方  <長嶋正實>…303
   「学校生活管理指導表」改訂の背景および作成  改訂の要点
   指導表記載上の注意  指導表の利用にあたって
   学校生活管理指導表に対するアンケート調査
 3.川崎病心臓血管後遺症の管理の現状  <鮎沢 衛>…310
   冠動脈障害がない場合(ガイドライン重症度I群)
   急性期の一過性拡大のみの場合(ガイドライン重症度II群)
   軽度の拡大,小瘤の残存後退縮群(ガイドライン重症度III群)
   中等度以上の冠動脈瘤形成時の治療法(ガイドライン重症度IV群以上)
   冠動脈カテーテルインターベンション(PCI)  冠動脈バイパス手術
   生活指導  動脈硬化症への進展の可能性について  画像診断の進歩
 4.先天性心疾患の3次元画像診断  <近藤千里 立石 実>…316
   16列MDCTによる形態診断  次世代CT  MRIによる形態診断
   心電図同期SPECTを用いた心室機能診断
 5.心房中隔欠損のカテーテル治療  <須田憲治>…322
   適応と治療成績  合併症  外科治療との比較  今後の課題
 6.動脈管開存のcoil embolization  <中西敏雄>…333
   治療の適応  coil embolization  Amplatzer閉鎖栓  治療法の選択
 G.大動脈疾患・末梢動脈疾患
 1.大動脈弁形成術の現況  <新沼廣幸 川副浩平>…336
   大動脈弁閉鎖不全症の成因  大動脈弁形成術式
   remodeling or reimplantation  Valsalva sinusの意義
   新しい術式  予後
 2.胸部大動脈瘤外科治療の最近の成績  <数井暉久 鷲山直己>…342
   体外循環時の動脈送血部位  大動脈基部再建法  脳保護法
   脊髄保護法  急性大動脈解離  広範大動脈置換術  ステントグラフト
 3.大動脈解離におけるmalperfusionの治療  <川人宏次>…351
   malperfusionのメカニズム  malperfusionの発症時期
   malper-fusionの部位  malperfusionの治療
 4.虚血肢に対する末梢幹細胞移植
            <鈴木智裕 高橋将文 吉岡 徹 池田宇一>…359
   新生血管の形成のメカニズム  細胞移植による新生血管の形成機序
   末梢血単核球細胞移植の実際  末梢血幹細胞移植による治療成績
   今後の課題

索引…366