知られざるAWDプリメーラ、T4の魅力


少し知名度の低いプリメーラの4WDグレードT4ですが、オーナーの方々は密かに満足感を
噛み締めていることかと思います。(笑)
「え?プリメーラに4駆なんてあったの?」などと、ちまたではよく言われます。(笑)
ここではそんな通好み?なクルマ(笑)T4の魅力を語ってみたいと思います。


T4について
プリメーラの長所、優れた脚回り、優れた居住性、優れた空力性能をそのままにフルタイム4WD化されたプリメーラ。
ノーマルでは車高がFFより10〜15ミリ高いが、乗り心地はFFと同様、やや固めである。
4WDには日産の技術のこだわりが生んだアテーサ。
3機のビスカス式LSDが使われ、あらゆる路面状況でトラクションを確保し、例え3輪が滑っても残る1輪に動力が伝わる。
フロントは当然ながらFF共通のマルチリンク。リアはパラレルストラット。そして前後ともスタビライザーが装着されている。
つまり、4WDといえども、しっかり「走り」へのこだわりがあるクルマであり、雑誌などで批評される「T4は生活ヨンク」のような内容では
終わらないポテンシャルを持ったクルマである。
実際、私は前にHP10に乗っていたが高速のスタビリティと安定感はT4が完全に勝っており、T4の重い車重もポジティブに考えれば
FFより前後重量配分が良くなっているワケで、ライトチューンでFFに負けない走りとなることをサーキット走行で確認済みである。

こんな人にT4はお薦めです
1.雪国地方の人
2.長距離ドライブの多い人
3.絶対的速さやパワー競争以外の部分で(つまり駆動方式なんだけど(^^;)ベンツやBMWに差をつけたい人(笑)
  「これからはパワーじゃなくトラクションの時代だぜ」っとサラっと言ってのけましょう。(笑)

HNP10とHNP11について
走りにおいてはHNP10の方に分があります。
理由は主に以下の2点。
 1.HNP10(MT車)は、あのHP10オーテックバージョンにも移殖されたクロスギアレシオのミッションギアを備えている。
   このメリットは大きいでしょう。
   ちなみにHNP11とHP11ではファイナルギアが異なるだけになってしまいました。
 2.エアバッグ等の安全装備の重量装備が少ないため軽量である。

というわけで、いわゆる走り屋さんの人にもHNP10は まだまだ人気が高い様です。

逆に、HNP11で走りに関して良くなっている点は
 1.ボディ剛性が各段に上がっている。
 2.曖昧ですが、私の記憶ではリアサスのアームが延長されていたと思います。(^^;接地性が上がっているはず。
 3.リアサスのスタビが標準装備。これも曖昧ですが、HNP10のリアサスにスタビライザーが付いたのは後期からではなかったでしょうか?
 4.中低速のトルクアップ・・・はされているけど、重量増分を考えると十分とはいえませんな。(^^;だからこそチューンナップ!


4WD(アテーサ)とフロントマルチリンクサスペンションの幸せな関係
.素直なハンドリング特性
 4WDは一般的にアンダーステア特性になるものですが、強力に前輪のトラクションを引き出してくれる  Fマルチリンクサスの
 お陰でステア特性がバランスし、非常にニュートラルなハンドリングになっています。

 チューンドFFプリはタイトコーナーでアクセルを開けて曲がるとテールを振りまわす特性が出ますが、  4WDでは当然ながら
 テールの挙動は安定しています。

 ワインディングコースではクルマがノーマル状態でも高回転を維持すれば、膝をドアに押し当てて体を支えないといけないくらいの
 高いGでコーナーをクリアしてくれるのです。

 HNP10からHNP11になったときにサスペンションの構成がFF車はリア・マルチリンクビーム式になったにも関わらず、T4は
 パラレルリンクストラット式のままでした。

 しかし、これはハッキリ言って、「変える必要が無いほどバランスが良かった」からだと私は思っています。(^^;

2.優れた前後重量配分
 T4の前後重量配分は6:4
 前前軸重810kg、後後軸重520kgです。全体としてFFより確かに重いですが、AWDによる重さは主に後輪側に寄っており、
 結果として前後重量配分が5:5に近くなっています。

 これは前後輪のトラクションの均等化に貢献しており、コントロールし易いクルマとなっています。
 ちなみにFF車の理想前後重量配分が6:4と言われています。

3.安定したロール特性
 T4はFFプリよりも最低地上高が少し(10から15ミリ)高いことはよく知られているかと思います。
 がしかし、これによって乗り心地がヤワくなっていると思ったら大間違い。
 ノーマルでもタップリとストロークを取りつつも固めのスプリングを装備しています。
 そして、前後に標準装備されたスタビライザーによって、初期ロール後の踏ん張りは侮れないものになっており、峠などを走ると
 それがハッキリわかります。


4.水平状態で加速する気持ち良いドライブフィール
 FFと共通のフロントマルチリンク式サスペンションはアンチダイブ/アンチリフト特性に優れた方式のサスペンションであり、
 加速時やブレーキング時の車体のピッチングを最小限に留めてくれます。

 これにAWDが組み合わさると、加速時においてのフロントリフトは非常に小さくなり、FFプリにも増してまっすぐに加速していく
 感覚が味わえます。また、FFよりトルクステアも小さいです。

 
5.2リッタ・プリメーラの中では最も小回りが効くT4
 中期型以降のP11系プリメーラは2リッタグレードのFF車は最小回転半径が5.5mです。
 一般的にAWDは小回りが効かないと思われがちなのですがT4の最小回転半径は実は5.4mと、FFよりちょっとだけ小回りが効くのです。

6.AWDのイメージとは逆に比較的良好な燃費

 信号の少ない地方では(^^;大人しく運転すれば10Km/Lはコンスタントに出ます。
 少しスポーティな走行をしても8Km/L以上はクリアしています。
 この燃費ならばプレミアムガソリンも全然惜しくない?ですよね。






以上です。
ところでT4(AWD)は国内専用設定らしいですね。
次期型ではアテーサの設定が消滅するというウワサもありますが、是非残して戴きたいグレードです。


備考
欧州では4駆のことを4WDと呼ぶよりもAWDと呼ぶのが一般的だそうです。
もちろんオール・ホイール・ドライブの頭文字ですね。(^^)