4.EARTHING FAQ (よくある質問)
(Frequently Asked Question)


(更新日 2002/03/07)

ここではアーシングについて、よく頂く質問をとりあげてまとめてみました。
こちらを読んでもよくわからない場合や、更に疑問がある場合はアーシングラボにて質問してみて下さい。


Q1.アーシングしてもトルクアップ効果がありません。
A1-1)
  まず、お乗りのクルマが元々アースコンディションが良い場合や、ATミッションのタイプによっては
  アーシングによるトルクアップの体感が困難な場合があります。
  また、逆にプラグや、バッテリー、オルタネータに劣化がある場合についても同様で、この場合は
  先にこれらの改善を行って下さい。
A1-2)
  現在芯極の細いプラグをお使いの場合、純正品やスプリットファイヤ等、芯極の太い(放電面積の広い)タイプのものに
  交換してみて下さい。
  アーシングにより点火力がアップした状態では細いものよりも放電する電束が増えるため着火性が増し、
  特に低回転域でトルクアップ効果が出やすい傾向があります。
  ギャップ調整可能なプラグは、それももお忘れなく。適正幅より小さいと、やはりトルクアップ効果は小さくなります。
  プラチナプラグやイリジウムプラグ等の芯極の細いものでは、高回転域での最大パワーはおそらく上がりますが、
  アーシングで体感のし易い低速トルクは小さい傾向があります。
  また、東亜システムクリエイト様のマルチスパークプラグにつきましては、車種によってはアーシングとの相性が
  悪いことが確認されておりますので、お店にご相談される等、情報を集められてからご使用されるのが良いと考えます。


Q2.アーシングしたら燃費が悪くなりました。何がいけないのですか?
   以下の6つのケースが考えられます。

A2-1.長く使って寿命が近くなっていたプラグが、アーシングによるスパークの強化により短期間に燃費に影響する度合いまで
  消耗が進行した。
  プラグを外してみて、芯極のエッジが丸く消耗していないか、あるいは短くなっていないか確認してみて下さい。
  消耗していれば当然新しいプラグに交換することで解決されるでしょう。
  尚、プラグの選択に関しては後述のQ&A11を参照して下さい。

A2-2.劣化していたプラグケーブルが、アーシング施工による電圧のアップに耐えられずリーク(漏電)を
  起している。その結果、逆効果になっている。
  被服が熱でひび割れていたり、長い年月交換していない様であれば、これが疑われます。
  また、足にしびれが体感出来ることもある様です。(^^;
  この場合は耐久性の良いプラグケーブルに交換することで、改善されます。

A2-3.アーシングポイントには施工するクルマによって不向きな個所があります。
   もし以下の個所で接続されているポイントがありましたら、1)から順番に外してみてください。
   1)ディストリビュータ、イグニッションコイル
   2)オルタネータ
   3)バルクヘッド

A2-4.アーシングの施工により点火力がアップしたことで、プラグの適正熱価がズレてしまった。
   この場合、現状より熱価をひとつ高いプラグに換えることで解消出来る可能性があります。

A2-5.アーシングを施工した中で、比較的大きい電流の流れる経路の接続が接触不良状態になっている。
   これでは電気系統が不整脈を起しているようなものですから、エンジンの制御系に悪影響を出す
   可能性があると思われます。
   各部の接続が確実か、点検されて下さい。

A2-6.偶然アーシングとは無関係な他の不具合と施工時期が重なり燃費が悪化した。
  例えばプラグソケットの半抜け、プラグの緩み、相性の良くないガソリンの使用などが考えられます。
  アーシング以外に同時に何か手を入れた場合は、そちらの施工も確実か疑ってみるべきでしょう。

以上のどれにも当てはまらない場合はアーシングを全解除して燃費を再確認されることをお勧めします。


Q3.14sq等の太いケーブル用の端子はどうやって圧着するのですか?専用工具が必要ですか?
A3.確実性、安全性の面からいえば専用工具がベストであることに違いありません。
  結論からいいますと、専用工具(圧着工具)は必要です。

  圧着工具は高価な工具でもあり(でも約1万円です)すぐに予算の都合がつかず、借りることなども難しい様な場合、代案はあります。
  しかしこれは、あくまで暫定策です。
  恒久的には圧着工具を使ってバージョンアップされて下さい。

  コンクリートや厚手の鉄板の上など、固いものの上で、ハンマーを使って端子を圧着する方法です。
  ケーブルを端子に通して、ハンマーである程度潰した後、大きめのマイナスドライバーを圧着部の真中に当てて
  ハンマーで叩き、一部を強力に凹ませます。
  最初は練習のため、端子を数個捨てるつもりでやってみましょう。
  そして、ケーブルを思い切り引っ張って抜けないか、根元を持って左右にこじって抜けてきたり緩んだりしないかを
  確認してください。何度かやってみればコツがつかめると思います。

  ただし、最初に書きました通り長期的安心を買う意味でも、借りられる相手が見つかったり、予算の都合がついた時点で専用工具による
  バージョンアップを行って下さい。
  この場合、ハンマーで圧着した状態の上から圧着工具を使うのではなく、端子の手前でワイヤーを切断して施工をやり直して下さい。
  性能的にも強力な専用工具で処理された状態が有利です。

  尚、人から工具を借りる場合は、なるべく施工に立ち会っていただくか、お願いしてやっていただくのがお勧めです。
  太い端子を小さいサイズの部分で圧着したり、圧着時の端子の向きを間違える等、取り扱いを間違えると、大切な工具に
  ダメージを与えてしまう可能性があるからです。
  また、一度工具を購入してしまえば、いつでも自分でアーシングのバージョンアップが可能になります。

  圧着工具の購入に関してはこちらもご参考にされてアーシングに合った良い品物を購入されて下さい。(^^)


Q4.カシメの代わりに半田付けだけではダメなの?
A4.ダメです。(^^;
  半田付けでは太いアーシング用ケーブルを固定出来るほどの強度は出ません。
  半田付けは導通抵抗を下げるためには有効ですが、強度はカシメで持たせましょう。


Q5.電気抵抗を下げるため、全ての端子を半田付けした方が良いのでしょうか?
A5.端子カシメ部分の接触抵抗は確実に下げられますが、安全性を考えて、半田付けしない方が良い部分、してはいけない
   部分があります。
   以下の個所は半田付けしないで下さい。
   (1)エキマニの直上等、かなり高温になる場所。半田は180度程度から強度が落ちてきます。
   (2)オルタネータの近く等、万一半田が溶けたり欠けたりして側のデバイスに付着した場合危険と思われる場所。
   (3)バッテリーの端子。
   (4)その他接続ポイント付近に半田が万一解け落ちた場合ショートの危険がある個所。


Q6.アーシング用のケーブルには、どんな線を使えばよいですか?
A6. エンジンルーム内は過酷な条件なので、なるべく耐熱性のある丈夫な被服のものがよいでしょう。
  また、電流容量も大切です。接続場所にもよりますが、100アンペア以上流せるものが好ましいです。
  お店で探すなら電源用ケーブルとして売られているものの中から選ぶのが無難でしょう。
  カー用品店なら、オーディオコーナーで売られている電源配線用のケーブルが狙い目です。
  しかし、室内配線を前提としているタイプは耐熱性が弱いので考慮して使って下さい。
  また、最近ではアーシング用としてネット上で売られている製品も色々出てきていますので通販などを利用する手もあります。
  接続場所によってケーブルの種類を使い分けるテクニックもあります。
  エキマニ側の高温部や、マフラー等振動が多い部分には、熱に強く柔軟性のある、むき出しの編線を使うとか、
  分岐させている場合はバッテリーに近くなる程太いケーブルを使うなどです。
  極端に高温にならない部分であれば、コルゲートチューブをかぶせるだけで良いこともあります。


Q7.純正で付いているアース線を外してもよいですか?
A7.安全の面からお勧めしません。(後述の上級者アースを除く)
  しかし、純正を残して、同じポイントに並列に補強してやるのは有効でしょう。
  但し、純正ケーブルが絶対に外れない様注意してください。
  純正ケーブルの繋がっている部分は、電流が最も集中する部分に設計されているケースもある様ですから下手な施工は
  事故の元にもなりますので細心の注意を払う必要があります。

  また、上級者の方で、1次コイルやインジェクタ等から出ている純正アース線に直アースされる場合はこちらを参照下さい。
  純正アースへの接続について


Q8.アーシング中はバッテリー端子は外さないといけないですか?
A8.安全のため、外してください。
   外す場合は、マイナスを外してからプラスを外し、付ける場合はプラスを先につけてマイナスです。
   なぜならマイナス側はボディに繋がっているので、万一プラスに繋がっている線が垂れてボディに触れたときに
   ショートすると危険だからです。


Q9.アーシングケーブルが沢山増えてきてバッテリーターミナルに繋げられません。
A9.ここが難しいところでもあり工夫の見せ所です!
  やり方次第で、アーシングシステム全体のパフォーマンスを左右するといっても過言ではないでしょう。

  市販の電源用(カーオーディオ用)分岐ブロックを使ったり、厚手の銅板を切り出して自作したり、
  バッテリー側を少ない本数に抑えて先で分岐させたり、チェーン接続したりという手があります。
  最近ではスプリットファイヤ製のセントラルブロック等、アーシング用パーツでバラ売りされるものも
  出てきておりますので、これらを活用するのもよいでしょう。
 

ケーブル分岐ボックス(ディストリューションブロック)
エーモン工業製の品番2150を用いた例。
カーオーディオマニア向けのAUDEAというブランドのパッケージです。

品物は本体が真鍮で出来ており、24Kメッキが施されています。
22sqを8sq4本に分岐するためのもので、本来プラス側に使われるものですが、
同じ電流容量内であればマイナスでも使える理屈です。
但し例によってアーシングへの使用に関しては自己責任で行ってください。
使用可能電流は12V100A(MAX)(4本合計)です。
SpritFire製GROUND WIREコンポ・セントラルブロックを用いた例。
品番GWX-CB。
グランドアーシング専用に作られたもので、分岐ケーブルは
基本的には8本まで接続可能。
本体ブロックはアルミ合金製。
耐熱PVC製カバー付き。


  尚、自作する場合は、強度や電流容量に注意してください。
  振動で金属疲労するような薄い金属板や、断面積や接触面積が純正状態で付いているマイナスケーブルの
  断面積より小さい設計は避けた方がよいでしょう。


Q10.アーシングしたらアイドリングが不安定になりました。どうすればよいですか?
A10.アイドリングが不安定な場合はECUの学習効果で補正しきれるとは限りませんので、接続変更で対処するのが無難と考えます。
  まず、各接続個所が緩んで外れかけていることろがないか検査して下さい。

  次に、ディストリビュータ、イグニッションコイルに接続されている場合はこれらを外してみてください。
  それでも不調な場合はオルタネータを外してみて下さい。
  尚不調な場合、アーシングとは直接関係しませんが、プラグソケットやプラグが緩んでいないか確認してみて下さい。
  それでも不調でしたら、残念ですが、全解除が無難と考えます。
  また、車種によってはスロットルボディの接続でも逆効果になるケースがあるとの報告がございます。
  合わせてご確認の上、自分のクルマにマッチンクする組み合わせに調律を追い込むよう心がけて下さい。


Q11.アーシングしても燃費が良くなりません。燃費は改善されないのですか?

A11.低速トルクの改善効果が体感出来ている場合は、その分アクセルの踏み込み量が減り、主に街乗りにて燃費の改善効果が
   期待できるはずなのですが、現在までのProject-Eに寄せられる情報を見る限り、実際には際立った燃費改善効果が
   現れるケースは少ないです。
   おそらく停止から低速域までの加速が良い分気持ちよくアクセルを踏み込んでしまってトルクを燃費でなく加速に使って
   しまうのではなかと考えられます。
   しかし、意識して燃費走行した場合の実力は上がっているケースはあります。

   更に、オルタネータへの接続に関して、中低速までのトルクアップが感じられるケースが多いですが、おそらく比較的
   パワーに余裕のない5ナンバー以下のNA車では高回転では逆に発電トルクロスが増えるため燃費がスポイル、
   その結果低回転で稼いだ燃費が相殺されるという説があります。
   この説についてはまだ現時点では「発電トルクロスが増えるほど電流が増えるのか?」という異論も出ていることを挙げておきます。

   ただし、使用するプラグの傾向として高回転パワー型の芯極の細いイリジウムプラグよりも、より太いプラチナプラグ、
   プラチナプラグより更に太い純正プラグやスプリットファイヤの方が低速トルク型となるため街乗りでは燃費が良くなる
   傾向がありますので、カーライフに合わせてプラグを選んでお試し下さい。

   燃費もプラグ寿命も欲しいという場合はプラチナ系プラグがバランスが良いのではないかと思います。
   これらの傾向は一般的なことではありますが、アーシングしている場合より顕著になる傾向があります。


Q12.アーシングを施工したらバッテリー端子に粉(or結晶)が付くようになりました。
A12.これには2つ可能性があります。
  1つ目はバッテリーの寿命によるものです。
  アーシング施工をすると電流量や変動が大きくなるためか、元々寿命が近いバッテリーの場合この様な現象がみられる様です。
  バッテリーを新しいものに交換されて下さい。

  2つ目の可能性としては、端子部分の接続が緩く、摩擦で端子が削れている場合です。
  この場合は無論、締め増しを行ったり固定方法を見直すなどして改善されて下さい。
  上記のどちらか判断付かない場合は、一旦粉をクリーニングして端子を固定するボルトを締め増しした後しばらく様子を見る
  ことや、バッテリー電圧を確認することで判断できるかと思います。


Q13.オルタネータを絶対繋がない方がよい場合はどんなケースですか?
A13.オルタネータをアーシングした場合に、アイドリング状態でバッテリー両極間の電圧が15〜15.5Vを
  超えるような場合は、オルタネータの発電量をコントロールしているレギュレータが制御しきれず
  充電電圧が制御しきれず過充電状態となっていると考えられますので、このような場合は
  オルタネータ、あるいはオルタネータ付近の接続を外して下さい。





各コンテンツで紹介している改造、改良、自作等をご自分で試される方は、
必ず自己責任において行って戴きますようお願いします。
万一、何らかの支障、問題などが生じた場合、一切筆者側は責任を負いません。
(冷たい様ですが、この手のコンテンツの一般的ルールです。(^^;)