8.クランプメーターについて


(更新日 2001/11/04)

理想的なアーシング環境はショップに預けてシャシーダイナモにクルマを載せてパワー測定しながらポイントを
探ることでしょうが、とてもコストがかかるため、なかなか手が出せないのが現実です。
そこで体感メータだけに頼るのではなく、何か測定器を利用できないものかと考えました。
ここで紹介するのはクランプ式電流計(非接触式電流計)です。
電線に電流が流れると右ネジ方法に回転磁場が発生するため、それを検出計算し、電流値にしてくれる装置です。
したがって、電線を挟む方向で電流の流れる向きもわかります。

使い方は、写真のようにリング部分を開いてケーブルがリングの中を通るように挟みます。
(注:つまむのではありません。(^^;)
尚、測るときはケーブル1本づつ測ります。2本束ねると正確に測定できません。

秋葉原に行くまで一体いくらするのか知らなかったのですが、小型のものでも2万円以下で購入できることがわかり、
しかも技術の進歩で(^^;非接触式測定なのに思っていたよりも精度が高い!
筆者は早速購入した次第です。

電流測定機能付きのテスターを割り込ませても測れそうですが、実はテスター割り込みの
場合、測定用内部抵抗が大きく影響し、かなり小さな値しか表示してくれません。

したがって、アーシングの電流測定にはクランプメータが向いているといえるのです。


1.購入時の注意点
購入時に気をつける点は、次の通りです。

1 直流が測れること。交流しか測れないタイプの方が安いですが、アーシングには利用できません。(^^;
2 使用する電池が一般的なもので入手しやすいこと。
輸入品の中には入手の難しい電池を使用しているものもあるとのことです。
筆者は無難に国産品を求めました。
3 地磁気補正が手動のものと自動のものがあります。後者の方が高価ですので予算に応じて選ぶとよいかと思います。
私はこの用途では安価な手動調整式で充分と考えています。
4 数値ホールド機能のあるものとないものがあります。
 メーターが見えない奥の部分の配線の電流を読みたい人はこの機能がついたものを選びましょう。



2.アーシングへの応用方法

実践にあたっては安全を自己で確保し、自己責任にてお願いします。

これを守れない人は絶対に行わないでください。
また、あくまでアーシング・チューニング作業の効率を考えたひとつのアイデアであり、この手段より効果を保証するものではありません。
ご了承下さい。


下記1,2,3ともにエンジン停止後ケーブル両端の接続を確実に行ってから測定が必要です。
接触させただけではそこの抵抗分で正確な値がわかりません。

しかも場所によっては10アンペアを越える大電流が流れることがあり、安易な仮止めは危険です。
また、回転ベルトやプーリー、ラジエーターファン等の可動部にケーブルが巻き込まれないことを確認し、必要ならしっかり固定してから
エンジンを始動する必要があります。

1 バッテリーのマイナスに長めのケーブルを接続し、片方をアース試験個所に繋ぎ換えて電流が多く流れるところを探る。
2 同様に片方をオルタネータに固定接続してポイントを探る。
この場合、長めのケーブルがオルタの回転ベルトに絶対にかからないようにする必要有り!
3 アーシングポイントが先に決まっている場合、バッ直が良いのか、オルタネータ直がよいのかを選ぶときに測り比べて多く流れる方に決める。
(但し、静電気除去が目的のアーシングの場合はこの限りではない)
4 接続本数を増やしていくと、新たに設置したケーブルに迂回してしまって、電流が流れなくなるケーブルが発生します。
 それらを検出し、整理するときに大いに役立ちます。
 ただし、必ずしも体感効果や、実トルクアップ効果と電流値が比例する保証はありませんので、接続変更後の
 テストドライブは省略できません。(^^)
 また、静電気除去効果により効果の出ている部分は電流値が少ない場合でも外すべきではないと判断できる部分もあると考えます。