9.点火波形の測定
(更新日2001/06/10)
アーシングによる点火波形の変化は観察できるだろうか? というわけで測定してみました。 測定個所は下の回路図(クルマ;プリメーラHNP11)の1次コイルのマイナス側から レジスターへと出ている7番端子です。 ECUが点火波形を読み取っている個所になります。 |
A)点火波形の比較測定
アーシングを全解除した状態です。 放電時間は2.2ミリ秒と読めます。 備考 プラグ;ボッシュブループラチナ プラグコード;スプリットファイヤ・ツインコア 点火強化デバイス;B&M NEWVOLT(12Vモード) |
これが、筆者のVer.2.9のアーシングを全装着した状態です。 放電時間は同じく2.2ミリ秒と変化はありませんが、おそらく エンジンに負荷のかかった走行状態ではノーマルとの差が ハッキリ出ると思われます。 この測定は、放電のための要求電圧が低いアイドリング状態での 観察ですので、そういう意味ではダイナミックな変化が観ることが できないのが残念です。 しかしながら、特徴的なのは放電中の波形の中央がU字型に 凹んでいる点。 回路図をご覧の通り、測定しているのはコイルのマイナス側 ですから、パワートランジスタの電流量が増えるほど電圧は 下がってくるわけで、それが現れているものと思われます。 2次側の放電電圧はその分上昇している可能性があります。 尚、パルス全体の波形としては下のようなカタチになっています。 |
これはVer.2.9に対して、上の回路図のパワトラの エミッター出力5番、つまり、1次コイルのマイナス側を 太いケーブルでダイレクトにバッテリーにアーシング (強化)したVer.3.0の状態です。 パワトラの流す電流が更に増えたためか、明らかに 波形中央部が更に下がってきています。 ややブレていて分かり難いですが、放電時間も0.1ミリ秒 伸びているようにも見えます。 波形がメモリーできるタイプのオシロならハッキリしたの ですが・・・(^^; |
B)1次コイルマイナス側(パワトラマイナス側)の波形
まず最初に純正の1次コイルのマイナスケーブル(パワトラマイナス側)がどんなものかを見ていただきます。
コネクタから出ている矢印の5番の線がそれです。 なんと、こんなに細いのです。(^^; U字に曲がって太いケーブルになっている部分は筆者が改良した部分です。 この細い線に負担がかからないように細い線で中継した後、太いケーブルに接続しているのが 見て取れます。 (通称スーパーメガホンワイヤー(笑)) |
次に、純正状態におけるマイナスケーブル5番の波形を見ていただきます。
おそらくこの測定結果の方がインパクトは大きいことでしょう。(^^;
この回路図の5番の部分です。
これは純正状態でバッテリーマイナスに繋がっている部分で、1次コイルのON/OFF電流をマイナス側に流す部分です。
電気に詳しくない方ですと「え?マイナスに繋がった電線なのに測定して、電圧波形なんて出るの?」という疑問を持たれるかと思います。
確かにゼロボルトであるべきなのですが、使用電流に対して電線が細い(電流容量がプア(^^;)と波形が出てしまうのです。
特にコイルというのは瞬間的に大きな電流を流す性格の部品ですので、容量が小さいとテキメンに出るものです。
ちなみに、純正状態の1次コイルのマイナス端子とバッテリーのマイナスターミナルの間の抵抗値は約0.3オーム。
これが純正状態の実力です。(^^; 縦の目盛りは1マス0.2V。 つまり0.3V以上の電圧波形が出ていることになります。 瞬間的な大電流が流しきれていないため、小さな抵抗の配線であっても電圧が出てしまっているのです。 単純化して考えてみると、1次側で測れる放電パルスは約20Vで、これが2次側で2キロボルトになっているとすると、 電圧は100倍に増幅されているといえます。 つまり、1次側の電圧ロスは2次側ではその100倍の電圧ロス(20V(^^;)となっている可能性があります。(^^; |
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そして、これが1次側コイル・パワトラマイナス側ダイレクトアーシングの効果! 測定電圧レンジは変更していないので、1目盛りの値は同じです。 ただ、上下位置をラインに合わせ忘れしまっています。 もちろんフラットな部分がゼロボルトです。 縦目盛りのスケールは1マス0.2Vです。 つまりリップル波形の電圧は約0.04V、ノーマルとの差は誰の目にも明らかでしょう! 2次側コイルの電圧ロスが1次側の100倍になるなら、わずか4Vの損失まで減るわけです。 実際には抵抗の低い電線でこれだけの電圧の差が出るということはオームの法則で考えると電流量にすれば かなり大きな差となり、放電エネルギーの改善効果は相当あると思われます。 これで、1次コイルのアーシングによる補強効果が電気的に証明されたと筆者は判断します。 <注意> A)の点火波形測定の接続位置と異なりますので、くれぐれもご注意願います。 A)で点火波形を見たのは7番端子、B)でアーシングした部分は5番端子です。 また、当然ながら車種やグレード、年式によって測定個所は異なりますので、ご自分で測定される方は充分ご注意ください。 |
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(冷たい様ですが、この手のコンテンツの一般的ルールです。(^^;)