川野乃梨さんのまんがの感想(総括)

●とりあえず絵の事は置いといて(^_^;)
 
 川野乃梨さんの最大の魅力は、それまでにどんなにドタバタしていても、ラストの4ページぐらいでばしっと一発で決めてしまうというところ。結構クサいシーンなんですけどね、登場人物のほとんどがカッコ良くはないから(男のキャラはほとんどアレだな(笑))、外すとキザなだけだったりするのだろうけど(^_^;)
 
 普段は3枚目だけど、決めるところだけはキメてるわけで、かなりリアリティある気がするなー。実際のところ、傍から見ていたら歯が浮くようなシーンなんだけどねぇ(^_^;) 言った方も後で我に返ったら、座布団かぶって赤面もんだろうーて(^_^;) たぶん。
 
 で、Pageのトップに「りぼん屈指のストーリーテラー」と書いておいたけど、このへんを指しています。緻密に細やかなストーリーと絵と演出を用意するタイプの漫画家じゃないけど、ちゃんと描き切っているもん。
 
 パターンとしては中ほどでガーっとかき混ぜ、ほとんど最後に至るまでドタバタぐちゃぐちゃしているけれども、最後には2人の澄んだ美しいシーンとなる。この落差がたまりませんのよ(^_^;) いや、この落差を出さなければ最後のシーンはきれいに決まらないとも言えるのね(^_^)
 
 
●さあ、絵柄の話題だぞ(^_^;)
 
 初めて川野乃梨さんの漫画見たときに思ったのは、ああ、好きで好きで描き続けてきた絵なんだろうなぁってことで(^_^;) なんか中学校の頃の昔、まんが描く事に憧れていたクラスメートとかは、こういったタイプの絵から描き始めていたような記憶が・・・・(自分を含む(^_^;)) 細かい計算よりもパワーと勢い!なわけで。
 
 動きを大ゴマで見せるようなシーンが少なくて、小さいコマで全身描いて動かすから細かくて見づらくなっちゃってたんだけど、「勇気だしてごらん」あたりから線も少しずつ整理され始めているようで、アップのシーンもきれいになってきているから、絵が「化け」つつあるのかもしれない。
 
 けれどその後「君の鼓動」でぱったりと作品が止まってしまったので、今はどうなっている事やら(^_^;) イラストそのものはHomePageに置かれているのでわかるんだけど。 (こないだみた女の子の絵は可愛くて良かった(^_^))
 
 
●それにしてもナイチンゲール部って
 
 名称はむちゃくちゃ怪しすぎると思う(笑)  
 
 余談ですが、川野乃梨さんの単行本を5冊持ってます(^_^;)「がんばれ!男のコ」が2冊。間違えて同じのを2冊買っちゃったんだよー。でも一冊は古本屋でだったから、作者には何のメリットも無いかもしれない・・・
 
(1998年9月6日)
 

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