ESKIMO


エスキモー

Recorded:1976.04〜1979.06
Released:1979.09


 ついに最強キャラ、「目玉オヤジ」が登場する。シルクハットにタキシード、白手袋にステッキといった正装の目玉4人組がジャケットに姿を現わした歴史的名盤だ。彼等の徹底的な匿名性が具現化された究極のキャラクターによる最初の仕事が、なんとエスキモー音楽と言うから舌を巻かざるを得ない。どこまでも人を食った奴等である。民族音楽的には完全にインチキなのだが、シンセの合成音によるドラマチックな展開と世界観は、リチャード・D・ジェイムス(Aphecs Twin)をして「これぞアンビエントの元祖!」と言わしめたものだ。聴く者を極北の地へといざなうこのアルバムは、クーラーの無い部屋で真夏を乗り切る輩にとっては必需品であろう。ちなみに初期プレスのジャケットを開くと、エスキモー豆知識が。「死んだ子供は犬の頭とともに埋葬され、それによって来世の保護となす」、「呪術師を殺した者は、その魂のたたりを恐れて死体の手足の指を切り落とし、その口に詰める」、「風呂に入る時は排尿も同時に」などといったエスキモーの迷信・生活様式が記述されており興味深い。また余談だが、ラスト曲「The Festival of Death」の1部に、当時センセーショナルなデビューを果たしたDEVOの「Jocko Homo」と酷似したフレーズが挿入されていることから、この時期にDEVO(とくにマーク・マザーズバー)が参加していたのではという噂もあったが、真偽の程は定かではない。

納涼度★★★★★★
セイウチ度★★




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