品川百景第六番『聖蹟公園(本陣跡)』



品川宿本陣跡

 宿場の重要な任務に旅行者の休息や宿泊するところを設けることがあり、宿泊する旅館を旅籠屋・木賃宿などという。旅宿のうち大名や勅使などが休息・宿泊するところを本陣といった。本陣はもとは武将が戦陣にいるときの本拠のことであるが、武士は常に戦地にいる心構えから、武家の主人が休息または宿泊するところを本陣といったのである。
 品川宿では、はじめ南・北両宿に本陣があったが、南品川宿の本陣は早くなくなり、江戸中期以降は北品川宿に1軒だけとなった。また本陣がふさがっているときに用いられる脇本陣は三宿のいずれかに2軒あった。
 明治5年(1872)宿駅制度の廃止後は明治19年(1886)警視庁品川病院が建てられたが、明治天皇行幸の際の行在所だったことから、昭和11年(1936)に東品川1丁目1番に移転し、昭和13年(1938)聖蹟公園として開園した。


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