品川百景第二十番『桜の名所の御殿山』


 

御殿山

 北品川駅の西方の丘陵、現在の北品川4丁目付近。太田道灌(おおたどうかん)の館跡との言い伝えがあり、江戸期にはいって風光明媚なこの地に将軍の鷹狩りの時の休憩所となる御殿を設けた。ここには茶室の設備があって将軍家光が訪れたとき小堀遠州・沢庵和尚らとの茶会が折々催された。享保以後桜の名所として有名になり、桜の木600本があったという。  明治になって鉄道が南北に貫くようになったが、御殿山は、日比谷平左衛門・西村勝三・増田孝・原邦造などの明治期に活躍した実業家が住んでいたところで、今も緑が多い。


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