品川百景第三十二番『品川寺の江戸六地蔵』



江戸六地蔵

 品川寺の入り口に、銅造りの大きな地蔵菩薩の座像が高い石の台座の上に安置されている。これが江戸六地蔵のひとつで、行き交う人々をいつも見守っているかのようである。宝永5年(1708)江戸深川の地蔵坊正元が一念発起し、江戸市中を勧進して浄財を集め、江戸の入口6ヶ所に「丈六」の地蔵菩薩を造立した。丈六とは高さ1丈6尺(4.8m)で、釈尊の身長は1丈6尺あったとされ、しばしば立像はこの大きさに、坐像は8〜9尺に造られる。
 品川寺の坐像もこの大きさで、全身と石の台座には像の造立資金を出した多くの人々の名が刻まれている。像の作者は神田の鋳物師太田駿河守正義である。


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