品川百景第三十三番『品川寺の梵鐘』



洋行帰りの鐘

 境内の一隅に鐘楼がある。かけられている梵鐘は明暦3年(1657)京都の鋳物師大西五郎左衛門尉藤原村長が造ったもので、周囲に六観音が浮き出すよう造られている。この梵鐘は、慶応3年(1867)パリの万国博覧会に出品されたが、日本に返される途中で行方不明になった。のちに、これがスイスのジュネーブにあるアリアナ博物館に保管されていることがわかり、昭和5年(1930)に返還されたことから、「洋行帰りの鐘」といわれている。


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