品川百景第四十三番『池田山公園』


 


 この辺は昔、霞ヶ崎と言われた一帯で、寛文の頃(1661〜72)岡山藩主池田家の下屋敷となりました。11,642坪(38,419u)という広大な高台で、その当時は五反田、大崎方面の目黒川沿いの低地を見下ろし、遠くに富士山を望むこともできたそうです。山あり谷あり、鴨場もあるというこの台地は、目黒川方面から見上げると山に見えることから”池田山”と呼ばれています。
 明治になって、敷地は縮小されたものの、なお池田邸として使われていましたが、大正末ごろから、その大部分は箱根土地会社に売られ、住宅地として分譲されるようになりました。池田山公園は、東電社長邸、荏原青果社長邸と移り変わってきたところを昭和60年(1985)に品川区が購入し、開園したものです。
 池田邸時代からあった「のぞき池方式」と呼ばれる池を中心にした公園で池畔には桜やアジサイ、ツツジなどが四季の彩りを添えています。四季折々に楽しめる回遊式庭園です。


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