品川百景第八十番『旗岡八幡神社と鎌倉道』



旗岡八幡神社

 長元3年(1030)、平忠常(たいらのただつね)が下総で乱を起こした時、源頼信(みなもとのよりのぶ)は朝命を受けてこれを平定に向かった。途中この地で宿営した折りに霊威を感じ、戦勝の守護である八幡大神を祀ったのが、この神社のはじまりと伝えられている。その後、源氏の庶流荏原左衛門義宗(えばらざえもんよしむね)がこの地の領主となり、源氏の守護神だけでなく地域の鎮守として社殿を建てて祀った。  江戸時代に入ると2代将軍徳川秀忠の祈願所となり、以後たびたび来訪があり、寄進も受けた。また武家の崇敬を受け、毎年2月15日には江戸各地から集まった武士により、弓の競射をしたことは特に有名である。  なお、甘酒祭はその試合後に甘酒を飲んだことから始まったと伝えられている。この付近は空襲にあって焼失しているが、絵馬堂だけは焼け残ってた。


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