ケーナ制作記
物を作るのが好きな私は、興味を持ったらまず自分で作ってみないと気が済まない。実は昔、配管工のアルバイトをしていたことがあって、自分で作ってみようと考えた時、加工の利便性や入手が簡単であること耐久性なども含めて、すぐに給水用の塩ビパイプを使うことを考えた。たまたま知人に水道管で尺八を作っている方がいて、加工や塗装について色々アドバイスももらえた。

私の使っている材料
私は自分で制作するに当たって材料に水道配管用の塩ビパイプを使っている。配管用のパイプと言っても、グレーの一般的なもの(VP管)、対衝撃性を高めた濃紺のもの(HI-VP管)、給湯用の煉瓦色のもの(HT-VP管)などがあり、同じ塩ビでもそれぞれ質が違う。一定の太さの管が常時入手できるし、雨でも屋外で練習でき(しないか・・・)、冬でも乾燥で割れることが無い。丈夫なのだ。練習用ケーナにはいい材料だ。
VP管
VP管
HI-VP管
HI-VP管
HT-VP管
HT-VP管
管の加工
指穴は電気ドリルであけ、ピッチは位置決めの治具を作った。葦や竹製のものは節の部分を利用して管のお尻に絞りの部分を作っているのだが、私は部品の原形を制作しシリコンで型取り、キャスト(樹脂)で抜いて制作した。管の径より少し大きめに作り、管に熱を加えてはめ込む。すると外観上も少しラッパ状に広がりのある形になる。
歌口
歌口の形状
部品
制作した絞りの部品
オリジナルケーナ『A-na(エーナ)』
長さや指穴の位置、指穴の大きさなど試行錯誤の末できた「A's」オリジナルケーナ『A-na(エーナ)』だ。現在チューニングを何とかしようとチューニングメーターを買って試行錯誤している(厳密ではないがほぼG管にはなっている)。塗装は塩ビパイプで尺八を制作する方(長尾先生ありがとう!)に指導頂き、それをアレンジしてみた。バリエーションが色々作れて楽しい。
Quena
Quena
A-na(エーナ)
Quena
赤茶・グリーン・ブルーに塗装してみた
ここのところ作る方に興味が向いていて、肝心の演奏の練習を怠っていたので、気合いを入れて練習して近いうちにここで音を披露したい(と思う)。しかし、思いきり音を出せる練習場所がなかなか無い・・・。作業場に音の漏れにくいスペースを作っちゃおうかな。あと、カーニャや篠竹を入手して違う材料でも制作もしてみたい。


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