ケーナ とは?
ケーナ<Quena>は、アンデスの『フォルクローレ』と呼ばれる民俗音楽の演奏に使われる縦笛。その原形はニ千年以上前からあったとされている。あの名曲『コンドルは飛んでいく(El Condor pasa)』の主旋律を奏でている笛。俳優の田中健氏が夢中になっているのは有名。



ケーナの構造
簡単に言えば、筒(管)に息を吹き込むための『歌口』と呼ばれる切り欠きと、音程を変えるための穴をあけただけの楽器だ。だから筒状のものなら加工すればケーナのような音を出すことは可能である。その筒の太さや、長さによって音域・音量が変化する。アンデスの楽器でもケーナを標準とすれば、長いものが『ケナッチョ(ケナーチョ)』と呼ばれ1オクターブ低い音が出る。短いものもあったはずだ。
構造的には日本の伝統的な楽器『尺八』と同じと言えるだろう。ただ指穴の数は、ケーナは前面に6つの穴と後ろに1つの7つ穴、尺八は前面に4つで後ろに1つの5つ穴となっている。
ケーナの材質
材質は主に『カーニャ』という葦の一種(日本でいうと竹に近い質感)で作られたものが一般的だが、石や動物の骨、素焼きなどさまざまな素材で作られたものもあるそうだ。竹製(日本製の物は篠竹を使ったものが多い)や黒檀・マデラといった木製の物も流通している。アンデスのお祭りなどではプラスチック製のいわば廉価版のケーナで村人が合奏したりするらしい。
私自身はまだ木製の物を手にしたことが無いので近いうちに手に入れてみたいと思っている。
音の出る仕組み
歌口に吹き込まれた空気が管の外へ出る流れと、管の中で渦巻き状に流れるものに別れ、それが管を振動させて音が出るそうだ。高速走行中に車の窓を開けると風切り音が発生するのと同じ理屈だ。
ケーナには小学校の音楽の時間にやったリコーダーにあるような、息を確実に歌口に当てるためのガイドの部分が無いため、自分の唇で空気を絞ってノズルのように空気を一定の早さ・角度で吹き出し、うまく歌口にあてないと音が出ない。
歌口の形はU字型のものが多い。前出のプラスチックのお祭り用のものは角型(リコーダーの歌口部分を思い出してみて)だそうだ。



Back


Copyright 1998 EFF FACTORY
お便りはこちらまで: eff@cyborg.ne.jp