俳優/役者としての中村浩二さん

 中村浩二さんの素顔を初めて見たのは「ウルトラマンティガ」の最終回・TPCの刑務所の看守役だった。実を言うとそのときはそれが中村さんだと気がつかなかった。ほんの少しの登場で、あまり印象に残らなかった。なんで印象に残らなかったか…それは表情一つ変えずに淡々と演じる役柄のためだった。

 次の登場は「ウルトラマンダイナ」第6話「地上最大の怪獣」クラーコフNF-3000の乗員台詞は5つだけ…だが、TPC本部を襲撃しようとするミサイルと対峙するときの決意を固めた目、しかし、かすかな興奮のために肩で大きく息をしていた。(淡々とした同僚役の権藤俊輔さんとは好対象だったが)そして、その目にははっきりとミサイルが見えていたに違いない。
 私は中村浩二さんの役者としての最大の魅力はその表情の豊かさにあると思う。
 「ウルトラマンガイア」では、桑原孝信隊員として本編に登場。どちらかというと台詞のあまり多くない役柄だったが、その表情が台詞はなくとも多くの事を語っていた。
 主人公の高山我夢を見るときの優しげなまなざし…。仲間として信頼していても、年下の相手として慈しんでいるのがわかった。
 なんといっても中村浩二さんの主演作と言ってもいい「魂の激突!」では、いとこのマンモス大剛を表情の違いだけで演じ分けていた。
 そして、私のお気に入りは「命すむ星」で地球を守ろうとして死んだティグリスへ「勇敢なる戦友へ敬礼!」のシーン…中村浩二さん演じる桑原隊員の表情は右と左では違った。右は悲しみに満ち、左は怒りの表情をしていた。
 最終回、桑原隊員だけ我夢に話しかけなかったが、その表情が彼の気持ちをすべて語っていた。

 現在出演中の「ブースカ!ブースカ!!」、まだ、登場回数は少ないけど、また違った中村浩二さんの表情が見られると思うとちょっと楽しみ。
 でも、さすがアクション俳優だけあって、コケが豪快なのはちょっと楽しかった(^-^)。(第7話「怪奇!銭魂大パニック」)

 これから、どんな新しい境地を開かれるのか(現在、香港映画の撮影に参加中とのこと)楽しみでもあります。