FINGERPRINCE
フィンガープリンスRecorded:1974〜1976/11
Released:1977/02
とにかく無駄な冗談を実現させる事に対しては努力を惜しまない彼等は、「世界初!3面LP」(2枚組LPの最後の面がブランクになっているもの)を企画したが、残念ながらRalph Recordの反対により結局普通の1枚LPという形になってしまった。そのアウトテイクはのちにレアEP「BabyFingers」として長らく入手困難であったが、現在はCD盤にすべてのトラックが完全収録されているので安心されたい。さて、この頃になると完璧にシンセサイザーを駆使し、「テクノのダークサイド」「もうひとつのテクノポップ」と呼ばれるサウンドへと移行している(当時はまだテクノというジャンルは確立されていないが)。もちろん1st以来一貫している特殊な音楽性に基本的に変化はないのだが、作曲的にもサウンド的にもポップに洗練され、なおかつ深みを増しているという意味で、さらに大きく成長したアルバムと言えよう。ESKIMO、THE MOLE TRILOGYといった組曲への先駆けとなる「Six Things to a Cycle」は、組曲として最高に高まった完成度を見せてくれ、またCOMMERCIAL ALBUMでの「1曲1分ジャスト形式」を発明するに至る「Bossy」などの曲も収録されており、その後への伏線という意味でも重要な位置を占めるアルバムである。テクノ度★★★★
フリークス度★★★
- RALPH RR1276 (USA LP) = 1st.〜3rd. Press (上図3rd.)
- RALPH RR82761 (USA LP) = 4th. Press
- TORSO 40007 (HOLLAND LP)
- TORSO CD407 = Bonus tracks
- ESD 4 (USA CD) = Bonus tracks